愛より大切な物語

asabato

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素直に従ったのは好感 2

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 聞くほどに具体的な話もはっきり言うので信用したいが騙すかのような話にも聞こえ、騙してる私は聞くフリをする。

そのナンパ親父の話では、ネットの結婚相談所を開設しているようで、登録している男の家に訪問して性格から住まいの様子をチェックして個人情報を集めているらしかった。

日曜だけのボランティアと言う事で、鞄の中の資料も見せてくれる。

少し信頼して珈琲を飲む余裕が出来ると、そのナンパ男も独身ということだった。本当は自分の相手を探しているうちに、いつまでも結婚しない独身男女がたくさん居ることに驚き、考えた末に休みの日だけ相談所を始めたと言う。

じゃ私は秘書と言うけど、どんな思いで声を掛けてきたのか知りたかった。それを聞くと、今回は登録している人物を調査に行くというので声を掛けていたらしい。

休みの日には訪問しているらしく、ナンパ男は一緒に調査に行ってほしいという。男が言うには「女性秘書から電話連絡する方が、会う約束を取れる確立が高い」

それは何となく分かる気がするが、素人の私が電話連絡するのは相手に失礼じゃないのかと言えば、そこが相手が安心するようで会ってくれるのだと言う。

バイト代は安いし秘書というけど、ただの助手じゃないの ? と言いたかったが、電話する相手は年収1000万以上の会員というので、そんな独身男を第3者から、私生活を覗いて見たいとの思いもあり頷いていた。 

しばらくしてナンパ男に電話が鳴る。登録している男性らしく「もしもし結婚相談所の佐伯です」   

「お世話になってます」と、相手の声が漏れる。ナンパ男が何度か連絡している人らしく、スマホの向こうから聞こえたのは「今日は居ますよ」

「そうですか、ではこれから伺います」佐伯と言うナンパ男は伝えていた。 聞くところによると、連絡相手はオートレーサーで、家に居る知らせを電話してきたというのだ。

この調査は、会員に会ってみたいと希望する女性会員がいる為、レポートと称して実際に会って提出することになっていた。

この調査は有料であるので直接会うことになっている。その条件が・・女性調査員が相手の男性の感想を教えてほしいと言う、ことだった。

「え!・・」

そんな時、男の靴紐が解けているのを思い出して「靴ひもが解けてますよ」初めて女らしく言葉を掛けてやる。

「あ、ありがとう」素直に従ったのは好感したので「髪ももう少しセットした方がいいですよ」とまで、余計なことまでも言ってしまう。

佐伯という男は頷くが、資料に真剣に目を通していて髪のボサボサ等はお構いなしである。つづく 、
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