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不真面目生徒
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ガヤガヤ ガヤガヤ
教室に入り黒板を見ると、座席表が書いてあった。
入試の順位で席が決まっている。私の番号は一番後ろの真ん中だった。
座りたくない。座る前からあの席をみんなが注視しているのが分かるから。
「はい、座ってください」
先生がきてしまった。
仕方なく座ると視線が突き刺さる。
「入学おめでとうございます。
今年は学園始まって以来の快挙がありました。エリシア・キュアノスさんが入試全科目満点でした。
特に外国語で満点を取った方は初めてです。もしかしたらキュアノスさんには授業が退屈かもしれませんね。
このクラスの皆さんは上位20名に入った方々です。Aクラスは中間テスト学年末テストの2回、学年全体の上位20位以内に入らなければクラス落ちします。特に気にしないのであれば選択科目は好きなものを選んでください。Aクラスに残りたいのであれば得意なものを選ぶことをお勧めします。
選択科目は刺繍、ダンス、音楽、馬術、弓術、剣術です。音楽は横笛、弦楽器、ピアノから選びます。紙を回しますので希望する選択科目の横に名前を書いてください。他の人も書けるように小さめでお願いします」
当然弓術に名前を書いた。
「この後は学園内を案内します。ルールや使い方なども説明していきます。授業や試験の受け方も説明しますよ。破りがちな校則も説明した後は学生食堂へ行って食事をして本日は終わりです」
学校内の案内って、この広さじゃ大変じゃない。
案の定…
「先生、まだ歩くんですか?」
「キュアノスさん、体力無さ過ぎですよ」
「ほぼ屋敷から出なくて」
「休みの日は散歩に行くなりして体力作りをしてください」
「は~い」
結局
「ごめんね、アレックスくん」
「おまえ、本当に満点だったのか?」
「勉強していたから運動してないの」
「なるほどな」
オデニクス伯爵家のアレックスくんがおんぶしてくれている。
「エリシアは選択は刺繍か?」
「ううん。弓」
「は?コレで!?」
「弓は乗馬や剣術ほど体力要らないもん」
「…確かに」
「アレックスくんは?」
「俺は剣術だよ」
「へ~すごいね。剣重いよね」
「重いな。弓だって引くのに力いるだろう」
「うん。まあコツもあるから」
「…まさか弓もすごいのか?」
「たぶん?」
「うわぁ…エリシアが剣術でなくて良かったよ。俺の成績が下がるからな」
「アレックスくんのお家はどの辺なの?」
「王都の南側だな」
「へえ。お金持ちなんだね」
「キュアノスだって金持ちだろう」
「きっとね」
「家のことに無関心だな」
「うちの親、私に甘いから」
「まあこれだけ可愛けりゃ、甘くなるだろうな」
「やだ、アレックスくん。早速告白?」
「降ろすぞ」
「ウソウソ。アレックスくんは私のお友達2号ね」
「まさか…友達1人しかいないのか?」
「うん。パパにパーティとかお茶会とか嫌だって言ったら無しになった」
「でも格上からの招待も無いのか?」
「パパ、陛下の執務補佐室で働いているから上手いこと断っているんじゃないかな」
「誕生日パーティとか開くだろう?」
「やらないよ。家族と使用人だけでやる。パパとママはやっても私は部屋で寝てる」
「…いろいろと心配な奴だなぁ」
「あ、でも半年後は初パーティーデビューかな」
「成人の儀は…おまえ居たか?」
「ううん。通り熱が出て、後日陛下に会って終わり」
「通り熱って何だよ」
「数分から1時間くらいパッと熱が出て下がるやつ」
「いや、“いつものです”みたいに言うけど、そんな奇病聞いたことないからな。別名仮病だろう」
「まあ、友人1号にはブツブツ言われたかな」
「俺の知ってる奴か?」
「多分。主張の激しい坊ちゃんだから早いうちに分かるよ」
「エリシアはそんな顔をしてかなり気さくな性格なんだな」
「贅沢を知った庶民かな」
「庶民には見られないな」
教室に戻り説明を受け、ベルが鳴った。
食堂へ行く時間だ。
「エリシア、行こうぜ」
「あ、うん」
「どうした」
「友人1号も現れそう」
「何クラスだ?」
「剣術は1位だって聞いたけど、勉強は分からないからなぁ」
「え?」
「エリシア!」
教室はざわつき、聞き慣れた声の元へ顔を向けると彼がいた。
「はぁ…。ちょっと待っていてね」
「えっ?」
教室の入り口まで行き、王子坊ちゃんを見上げた。
「何で1年の教室に来るの?」
「メシ行こうぜ」
「友達と行きなよ。私も友達と行くから」
「学園生活で関われるのは昼メシくらいなんだぞ」
「退学しようかな」
「奢るから機嫌直せ」
「授業料と一緒に納めているから」
「知っていたのか…早く行くぞ」
「私の友達も連れて行く」
「女友達ができたのか」
「ううん。男友達」
「は?」
席に戻り目を泳がせるアレックスくんを誘ったけど
「俺、他の友達と行くから気にするな」
「え~」
「早く行ってくれ。殿下の目が怖い」
「アレは大丈夫。弟みたいなものだから」
「頼むから」
「分かった」
仕方なくアレックスくんを置いて王子坊ちゃんについていった。
教室に入り黒板を見ると、座席表が書いてあった。
入試の順位で席が決まっている。私の番号は一番後ろの真ん中だった。
座りたくない。座る前からあの席をみんなが注視しているのが分かるから。
「はい、座ってください」
先生がきてしまった。
仕方なく座ると視線が突き刺さる。
「入学おめでとうございます。
今年は学園始まって以来の快挙がありました。エリシア・キュアノスさんが入試全科目満点でした。
特に外国語で満点を取った方は初めてです。もしかしたらキュアノスさんには授業が退屈かもしれませんね。
このクラスの皆さんは上位20名に入った方々です。Aクラスは中間テスト学年末テストの2回、学年全体の上位20位以内に入らなければクラス落ちします。特に気にしないのであれば選択科目は好きなものを選んでください。Aクラスに残りたいのであれば得意なものを選ぶことをお勧めします。
選択科目は刺繍、ダンス、音楽、馬術、弓術、剣術です。音楽は横笛、弦楽器、ピアノから選びます。紙を回しますので希望する選択科目の横に名前を書いてください。他の人も書けるように小さめでお願いします」
当然弓術に名前を書いた。
「この後は学園内を案内します。ルールや使い方なども説明していきます。授業や試験の受け方も説明しますよ。破りがちな校則も説明した後は学生食堂へ行って食事をして本日は終わりです」
学校内の案内って、この広さじゃ大変じゃない。
案の定…
「先生、まだ歩くんですか?」
「キュアノスさん、体力無さ過ぎですよ」
「ほぼ屋敷から出なくて」
「休みの日は散歩に行くなりして体力作りをしてください」
「は~い」
結局
「ごめんね、アレックスくん」
「おまえ、本当に満点だったのか?」
「勉強していたから運動してないの」
「なるほどな」
オデニクス伯爵家のアレックスくんがおんぶしてくれている。
「エリシアは選択は刺繍か?」
「ううん。弓」
「は?コレで!?」
「弓は乗馬や剣術ほど体力要らないもん」
「…確かに」
「アレックスくんは?」
「俺は剣術だよ」
「へ~すごいね。剣重いよね」
「重いな。弓だって引くのに力いるだろう」
「うん。まあコツもあるから」
「…まさか弓もすごいのか?」
「たぶん?」
「うわぁ…エリシアが剣術でなくて良かったよ。俺の成績が下がるからな」
「アレックスくんのお家はどの辺なの?」
「王都の南側だな」
「へえ。お金持ちなんだね」
「キュアノスだって金持ちだろう」
「きっとね」
「家のことに無関心だな」
「うちの親、私に甘いから」
「まあこれだけ可愛けりゃ、甘くなるだろうな」
「やだ、アレックスくん。早速告白?」
「降ろすぞ」
「ウソウソ。アレックスくんは私のお友達2号ね」
「まさか…友達1人しかいないのか?」
「うん。パパにパーティとかお茶会とか嫌だって言ったら無しになった」
「でも格上からの招待も無いのか?」
「パパ、陛下の執務補佐室で働いているから上手いこと断っているんじゃないかな」
「誕生日パーティとか開くだろう?」
「やらないよ。家族と使用人だけでやる。パパとママはやっても私は部屋で寝てる」
「…いろいろと心配な奴だなぁ」
「あ、でも半年後は初パーティーデビューかな」
「成人の儀は…おまえ居たか?」
「ううん。通り熱が出て、後日陛下に会って終わり」
「通り熱って何だよ」
「数分から1時間くらいパッと熱が出て下がるやつ」
「いや、“いつものです”みたいに言うけど、そんな奇病聞いたことないからな。別名仮病だろう」
「まあ、友人1号にはブツブツ言われたかな」
「俺の知ってる奴か?」
「多分。主張の激しい坊ちゃんだから早いうちに分かるよ」
「エリシアはそんな顔をしてかなり気さくな性格なんだな」
「贅沢を知った庶民かな」
「庶民には見られないな」
教室に戻り説明を受け、ベルが鳴った。
食堂へ行く時間だ。
「エリシア、行こうぜ」
「あ、うん」
「どうした」
「友人1号も現れそう」
「何クラスだ?」
「剣術は1位だって聞いたけど、勉強は分からないからなぁ」
「え?」
「エリシア!」
教室はざわつき、聞き慣れた声の元へ顔を向けると彼がいた。
「はぁ…。ちょっと待っていてね」
「えっ?」
教室の入り口まで行き、王子坊ちゃんを見上げた。
「何で1年の教室に来るの?」
「メシ行こうぜ」
「友達と行きなよ。私も友達と行くから」
「学園生活で関われるのは昼メシくらいなんだぞ」
「退学しようかな」
「奢るから機嫌直せ」
「授業料と一緒に納めているから」
「知っていたのか…早く行くぞ」
「私の友達も連れて行く」
「女友達ができたのか」
「ううん。男友達」
「は?」
席に戻り目を泳がせるアレックスくんを誘ったけど
「俺、他の友達と行くから気にするな」
「え~」
「早く行ってくれ。殿下の目が怖い」
「アレは大丈夫。弟みたいなものだから」
「頼むから」
「分かった」
仕方なくアレックスくんを置いて王子坊ちゃんについていった。
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