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呪いをかけた女
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【 呪いをかけた女ソニアの視点 】
冷たい言葉は初めてではない。
学園にも通えていない、お金もない私にはこの方法しかなかった。
好きでやったんじゃない!
屈辱過ぎて怒りがおさまらない。
メイドを呼んでメイクと髪をなおしてもらい会場に戻った。
『あの、あそこのワインレッドの髪をした令息の名前をご存知ですか』
『近衞騎士のイアン・バルド侯爵令息だよ。
君には高望みだね』
『……ありがとうございました』
翌日、父が奉公先を決めてきてしまった。
『メイド!?』
『男爵家だが金はある。隠居した男の身の回りのことをすればいい。7年は辞められないからな』
『え?何故ですか?』
『金を都合してもらったからだ。その代わり若いお前を働かせるという条件だった。
もう行くしかない。精一杯尽くせ』
『っ!!』
メイドの仕事なんて嫌だ。そんな感情より昨夜の屈辱にまだムカムカしていた。
数日後、迎えの馬車で男爵家へ行った。
本邸は離れたところにあり、ここは別邸で隠居した元男爵が暮らしていた。
挨拶をすると舐め回すように頭から足先まで見られた。
『ご主人様と呼ぶように。夜10時に部屋に来るように』
『え?』
『“かしこまりました”だろう!!』
『っ! かしこまりました』
部屋に案内されるとそこは使用人部屋。小さな机と小さなベッド。服を入れる掃除用具入れのような小さな収納。
本当にメイドなんだと落胆した。
食事は実家より良かった。
迎えのメイドが来て、夜10時にご主人様の部屋を訪れた。メイドは去ってしまった。
部屋に入るとご主人様が立ち上がった。ガウンを羽織っていたけど腰紐を使っていなかったから、太っただらしない体と性器が丸見えだった。
『こっちに来い』
『はい、ご主人様』
目の前に立った。
『服を全部脱げ』
『え?』
『早くしろ!』
『い、嫌です!』
『なら金を返せ』
『お金?それはメイドとして働いて、』
『あの額は娼婦を引き取って7年使う計算で払ったものだ。メイドの給金なんかじゃ払いきれない』
『そんな!』
『耳を揃えて即日返せば無かった事にしてやる』
部屋に駆け戻り手紙を書いた。返事を待つ間、滞在費がわりに掃除や洗濯をした。
“持参金としては少な過ぎたが、次女の持参金に使ったからもう無い”
信じられない。姉様は持参金付きで嫁げたの!?
父からの返信をビリビリに破いた。
そして、専属娼婦になった。
だけど、日中は体の維持と肌を磨く事を義務付けられたので、少しずつ綺麗になっていた。
暇な時間に図書室に通った。外出は許されなかったから。
ある日、奥の本棚の一番下の本を取ると音がした。
何冊か本を退けると板が外れかかっていた。
外すと中から布に包まれたものが出てきて、布を外すとタイトルの無い薄い本だった。
ページを捲ると急いで閉じて服の中に隠し、板も退かした本も元に戻した。
部屋に持ち帰り、隠した。
夜の奉仕を終えてから、部屋であの本を読み始めた。
“呪い方を教える前に、次のことを守ること。
この本の存在を誰にも教えず隠せ。
呪いの話題を口にするな。
呪いに興味を持っていると悟られるな。
掛けるときは対象に近付くな”
禁忌の本を所持していただけでも火炙りにされると聞いたことがある。
“強い怨念がないと呪いは発動しない。
呪われた者と呪いを掛けた者には同じ模様の痣が現れる。何処かは不明。
どんな呪いも解く方法はある。
解かれた場合、呪いをかけた者が代償を負う”
代償?
目次には何種類かの呪いのタイトルが記されていた。
“愛する人を殺されたとき
愛する人を奪われたとき
侮辱を受けたとき
危害を加えられたとき”
え?たった4つだけ?
だけどよくよく考えたら、危害といっても範囲は広い。財産を奪うのも危害に入るだろうし、精神的な虐めも入るだろう。
私の頭の中には、私を娼婦扱いして侮辱した令息と、私を娼婦として奉仕させるご主人様が浮かんだ。
対象の血か精液があるといいらしい。他にも揃えなくてはならなかったけど、ご主人様に精一杯尽くしてご褒美に材料を取り寄せてもらった。
材料が揃い、指定の日に指定の時間に、書いてある通りの絵のようなものを描いて、書いてある通りに唱えて、望みを言う。
ご主人様の精液を使って、ご主人様が早死にするよう願った。
そして、あの令息。彼の血も精液も持っていない。
だけど怨念が強ければ呪える可能性があると書いてあった。だから、屈辱のページを開き、あのときのことを思い返した。今でもあの悔しさが溢れてくる。絵を描き言葉を唱えて呪った。
冷たい言葉は初めてではない。
学園にも通えていない、お金もない私にはこの方法しかなかった。
好きでやったんじゃない!
屈辱過ぎて怒りがおさまらない。
メイドを呼んでメイクと髪をなおしてもらい会場に戻った。
『あの、あそこのワインレッドの髪をした令息の名前をご存知ですか』
『近衞騎士のイアン・バルド侯爵令息だよ。
君には高望みだね』
『……ありがとうございました』
翌日、父が奉公先を決めてきてしまった。
『メイド!?』
『男爵家だが金はある。隠居した男の身の回りのことをすればいい。7年は辞められないからな』
『え?何故ですか?』
『金を都合してもらったからだ。その代わり若いお前を働かせるという条件だった。
もう行くしかない。精一杯尽くせ』
『っ!!』
メイドの仕事なんて嫌だ。そんな感情より昨夜の屈辱にまだムカムカしていた。
数日後、迎えの馬車で男爵家へ行った。
本邸は離れたところにあり、ここは別邸で隠居した元男爵が暮らしていた。
挨拶をすると舐め回すように頭から足先まで見られた。
『ご主人様と呼ぶように。夜10時に部屋に来るように』
『え?』
『“かしこまりました”だろう!!』
『っ! かしこまりました』
部屋に案内されるとそこは使用人部屋。小さな机と小さなベッド。服を入れる掃除用具入れのような小さな収納。
本当にメイドなんだと落胆した。
食事は実家より良かった。
迎えのメイドが来て、夜10時にご主人様の部屋を訪れた。メイドは去ってしまった。
部屋に入るとご主人様が立ち上がった。ガウンを羽織っていたけど腰紐を使っていなかったから、太っただらしない体と性器が丸見えだった。
『こっちに来い』
『はい、ご主人様』
目の前に立った。
『服を全部脱げ』
『え?』
『早くしろ!』
『い、嫌です!』
『なら金を返せ』
『お金?それはメイドとして働いて、』
『あの額は娼婦を引き取って7年使う計算で払ったものだ。メイドの給金なんかじゃ払いきれない』
『そんな!』
『耳を揃えて即日返せば無かった事にしてやる』
部屋に駆け戻り手紙を書いた。返事を待つ間、滞在費がわりに掃除や洗濯をした。
“持参金としては少な過ぎたが、次女の持参金に使ったからもう無い”
信じられない。姉様は持参金付きで嫁げたの!?
父からの返信をビリビリに破いた。
そして、専属娼婦になった。
だけど、日中は体の維持と肌を磨く事を義務付けられたので、少しずつ綺麗になっていた。
暇な時間に図書室に通った。外出は許されなかったから。
ある日、奥の本棚の一番下の本を取ると音がした。
何冊か本を退けると板が外れかかっていた。
外すと中から布に包まれたものが出てきて、布を外すとタイトルの無い薄い本だった。
ページを捲ると急いで閉じて服の中に隠し、板も退かした本も元に戻した。
部屋に持ち帰り、隠した。
夜の奉仕を終えてから、部屋であの本を読み始めた。
“呪い方を教える前に、次のことを守ること。
この本の存在を誰にも教えず隠せ。
呪いの話題を口にするな。
呪いに興味を持っていると悟られるな。
掛けるときは対象に近付くな”
禁忌の本を所持していただけでも火炙りにされると聞いたことがある。
“強い怨念がないと呪いは発動しない。
呪われた者と呪いを掛けた者には同じ模様の痣が現れる。何処かは不明。
どんな呪いも解く方法はある。
解かれた場合、呪いをかけた者が代償を負う”
代償?
目次には何種類かの呪いのタイトルが記されていた。
“愛する人を殺されたとき
愛する人を奪われたとき
侮辱を受けたとき
危害を加えられたとき”
え?たった4つだけ?
だけどよくよく考えたら、危害といっても範囲は広い。財産を奪うのも危害に入るだろうし、精神的な虐めも入るだろう。
私の頭の中には、私を娼婦扱いして侮辱した令息と、私を娼婦として奉仕させるご主人様が浮かんだ。
対象の血か精液があるといいらしい。他にも揃えなくてはならなかったけど、ご主人様に精一杯尽くしてご褒美に材料を取り寄せてもらった。
材料が揃い、指定の日に指定の時間に、書いてある通りの絵のようなものを描いて、書いてある通りに唱えて、望みを言う。
ご主人様の精液を使って、ご主人様が早死にするよう願った。
そして、あの令息。彼の血も精液も持っていない。
だけど怨念が強ければ呪える可能性があると書いてあった。だから、屈辱のページを開き、あのときのことを思い返した。今でもあの悔しさが溢れてくる。絵を描き言葉を唱えて呪った。
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