上 下
8 / 37

王太子の親はまとも

しおりを挟む
その後、国王陛下ともお会いした。


「おやおや、これは可愛らしいね。隠していたのだな?伯爵」

「ありがとうございます、国王陛下」

「17歳ということだけど婚約していないのだな?」

「はい、婚約者はおりません」

「理由を聞いても構わないか」

「領地の屋敷の側にシルビアの屋敷を建てて、のんびりと過ごさせようかと思いまして」

「シルビアちゃんは花嫁さんにはなりたくないのかな?」

きっと総理大臣よりずっと偉い人なんだよね?
まるで小学生相手の口調だわ。

「父のような素敵な方は現れそうにありませんし、アイザック現実を知ったら 私にはとても殿方とお付き合いは難しそうですわ」

「だいぶアイザックが迷惑をかけたようだ。
カルディーオも失礼をしたようだ。悪かった」

「私が武器を持っていなくて幸いでしたわ」

「もうアイザックの顔を覚えてくれただろう」

「陛下、実はシルビアは事故に遭って記憶が一部欠けまして」

「そうだったのか。俺のことを知らないなんておかしいと思った」

「シルビアちゃんには申し訳ないが警備上 アイザックの部屋を使ってくれないか」

「では、騎士と私用のベッドを入れてください」

「え? 一緒に寝ないのか?」

「私の部屋と違って広いですよね」

「入れさせよう。騎士は男女一人ずつ付けよう」

「ありがとうございます」

「シルビアちゃんの明日のパートナーは誰かな」

「一番上の兄 カインです」

「学生だっか」

「はい。植物研究で学んでおります」

つまり専門性の高い大学へ進んだようなものだ。

「跡継ぎはカイン殿であっているかな」

「はい、陛下」

「そうかそうか。ゆっくり部屋で休んでくれ」

「あの、私 失念しておりました。
王都に屋敷があるのですから、そちらに行きます」

「荷物はこちらに届いているから泊まるといい」

「荷物を移して、」

「ぜひ泊まってくれないかな」

「かしこまりました」

国王陛下の圧をもらっちゃったわ。
王太子がホイホイあちこち消えるのが嫌なのね。

「パパ、お仕事は?」

「もう休んじゃうよ」

「じゃあお城観光に連れて行って」

「シーちゃんとデートか。嬉しいなぁ」

優しいパパ大好き!

「パパ、結婚して」

「うっ、パパもシーちゃんが大好きだけど、ママと結婚しちゃってるから」

「パパの意地悪」

「シーちゃんの好きなものを買ってあげるから機嫌直してくれないか」

「短鞭が欲しいな」

「じゃあ、買いに行こうか」

「やった!」



シルビアとペッシュナー伯爵が去った部屋では、


陛「あれは手強いぞ」

側「あれ、本当に無慈悲と名高いペッシュナー伯爵ですか?」

陛「娘にメロメロだな」

ア「短鞭、俺に使う気じゃあ」

陛「使われてもおかしくないな」

ア「父上…」

側「美男子で有名な兄君も、寄ってくる令嬢と目も合わせない 氷の砦と言われるくらいの方ですよね」

ア「カイン・ペッシュナーが入学して来てしばらく騒がしかったが、彼がゴキブリでも見るかのように令嬢を見るから 3ヶ月もすれば静かになったな。新入生が入るまでは」

側「殿下と一つ違いですか」

陛「アイザック、子息とも仲良くなっておけ」

ア「やってみます」

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

あまり貞操観念ないけど別に良いよね?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,917pt お気に入り:2

【完結】私がいなくなれば、あなたにも わかるでしょう

nao
恋愛 / 完結 24h.ポイント:14,310pt お気に入り:933

だからあの時、忠告をしましたよね?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,060pt お気に入り:434

心象の月とか、揺らぎとか

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:6

幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:19,459pt お気に入り:3,529

処理中です...