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叱責
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私の言い分を聞いた学園長はベリーさんの方を向いた。
「で?君は?」
「わ、私は侯爵家の娘で、殿下の婚約者なのです!不届者に忠告しただけですわ!あの女は私を無知だと侮辱行したのです!
なのにカルデック公子が入ってきて、私を平手打ちしたのです!」
「ふむ。モヴィーくん。ベリーくんが無知と言ったのかい?」
「はい」
風邪をうつしたと殿下が謝りに来たこと、だけど隣にさえ座ったことがないこと。飛沫が遠くまで飛ぶという常識を説明した。
「そんなに飛ぶものなのか?」
「はい。会話でもけっこう飛んでいます。興奮して話せばもっと飛びます。くしゃみや咳はかなり広範囲に飛びます」
「聞いたことがないな」
「小さな部屋の天井や床や壁を白い布で覆い、咳をしている者に色の付いた水を少し口に含ませてください。そのまま咳をすれば分かります。たとえ手で口を覆ってもどれだけ飛沫を防ぎきれていないか分かりますよ。
くしゃみは鼻の穴をこちょこちょすれば出ます」
「なるほど。それは面白そうだ。すぐに実験してみよう。
カルデックくん…君は…」
「アレンです、学園長」
「君は何故 ベリーくんを叩いたのかね?」
「躾けです」
「躾け?」
「人は叩かれたら痛いのだと教えなければと思いました。
そもそも、言いがかりです。
本気でメイが悪いと思っているのなら、その場で注意すればいいことです。なのにトイレまで追いかけて行き、密室で詰め寄りました。メイ1人に3人の必要はありませんよね。これは虐めではありませんか?
陰湿で卑怯です。
メイは暴力を振るわれたので、私が渡した警笛を吹きました。
メイはカルデック公爵邸に住み、カルデック公爵が認め庇護下におく者です。彼女を傷付けることはカルデック公爵家への敵意と同等です」
「……だが、ベリーくんは女性なのだぞ?」
「だから何です?学園長はご自分の娘が2回も叩かれたら相手が女だからと笑顔で諭すのですか?
一応女だから一発で済ませました。力加減もしています。男だったら叩いた腕を折りますよ。
あと、この女は言葉が通じません。メイに注意をしようとしたのではなく、苛立ちの矛先を殿下にではなく弱者に向け憂さ晴らしをしたまで。
そうだよな?カレン・ベリー。
お前は単にメイを跪かせたかっただけ。反論されて殴りたくなったから殴った。そうだろう?」
「分かった」
「学園長。メイは熱で数日休んでおりました。
復帰したばかりなのは同じクラスのカレン・ベリーは知っています。
はぁ…王子妃選考って目隠しでするものなんですかね」
「カルデックくん」
「失礼しました」
「モヴィーくんは学園の馬車で公爵家へ送ろう」
「私が連れて帰ります」
「過保護だな」
「唯一無二ですから」
「……ベリーくん。保護者を呼び出すのでそのまま医務室にいなさい」
「っ!!」
ということで、アレン様が連れて帰ってくれたのだけど、馬車の中では膝の上。部屋までお姫様抱っこ。最後にオデコこっつんで熱を測られて そのままデコチューされた。
「!!!!!」
その後はメイドさんが頬を冷やしてくれて、ソランさんが様子を見に来てクッキーを置いていって、着替えたアレン様が付き添い始めた。
「あの、大丈夫ですから」
「昼食まで寝なさい」
「でも」
「メイはこれが好きだったな」
そう言っておなかをトントンし始めた。
トントン トントン
グゥ…。
【 カレン・ベリーの視点 】
30分後くらいに白い布で包まれた用具入れのような小さな部屋に連れてこられた。
「ゴホッ ゴホッ」
咳をした職員も到着した。手には小さな瓶を持っていた。
「君、ここに立って、その瓶の中身を少し口にふくんでくれ」
「咳が…」
「構わんよ。咳をしたくなったら手やハンカチで抑えずに咳をしてくれ。汚れて構わない」
「はい…」
職員の男は瓶の中身を少し口に含んだ。
1分もしないうちに咳き込んだ。
「ゲホッ!ゴホッ!ゴホッ!」
「ありがとう。口を濯いで今日は帰りなさい」
「失礼します」
学園長は少し待つとゆっくり部屋の中へ足を踏み入れた。
「これはすごい。ベリーくん、見てみなさい」
壁、床、天井にまで広範囲に黒っぽい点状の染みが無数に広がっていた。
「これだけ遠くに飛ぶんだ。触れ合わなくとも感染するわけだな」
「っ!」
「モヴィーくんはコレを知っていて当然だと思っているのだな」
な、なんなのよ!こんなこた知ってどうするのよ!
「ベリーくん。今の立場を失いたくないのであればカルデック家とは対立しない方が身のためだぞ」
「私はっ、」
「忠告をどうするかは好きにするといい。
後は学園長として対処するだけだ」
「っ!」
会議室で待っているとドアが乱暴に開いた。
「で、殿下」
「メイを殴ったと聞いた」
「それは、」
「私が近付いたから?」
「で、殿下っ」
「そうか…。こうなることが分かっていたから、メイは私と友人になろうとしてくれず、冷たくあしらっていたのだな」
「あんまりです!私は殿下の婚約者ではありませんか!」
「何でお前なんかが私の婚約者なのだろうな。お前を妻に迎えたら私は不幸になる」
「っ!」
どうして!どうして私の味方をしてくださらないの!
そこにお父様と学園長が来て、殿下の前で 事の顛末を話してしまった。
「何でカルデック家と揉めるのだ!」
「私はただ…」
「カレン。殿下が誰を寵愛しようと殿下の自由だ。おまえが王子妃になりたいと言ったときに心得を伝えたはずだ。おまえと殿下は恋人ではなく契約上の関係だ。殿下をお支えするのが妃の務め。嫉妬することではない。
殿下は複数妻を迎えられる身分だと念を押しただろう。それでもいいと言ったのはおまえだ。
殿下がモヴィー嬢を寵愛するのなら、環境を整えて差し上げるべきだろう。殿下が学業や公務を疎かにしない限り口を出すな。
しかもまだ婚約者なだけで王子妃ではない。おまえにあるのは己を磨く義務だけで権利など無いのだ。
いいか、婚姻後、殿下が別の女性を妻に迎えたいと言ったら従え。その女性がすごしやすいように努めろ。分かったな」
「っ!……はい」
「殿下、ご無礼をお許しください。
もしお気に召す令嬢がいるのであればどうぞカレンとの婚姻後にお迎えください。ですが子は カレンが男児を産むか7年が経過するまでお控えください。これは契約ではなく法律です」
「分かっている」
「では、今日は愚女を連れて帰ります。学園長、よろしいでしょうか」
「はい」
「では、失礼します」
屋敷に連れ戻され、お叱りを受けた後、来週の登校日まで謹慎せよと告げられた。
殿下は明らかにあの女を気に入っている。
それに殿下と同じクラスにいる別の男爵家令嬢が殿下に馴れ馴れしく付き纏っていると聞いた。
どうして下位貴族なんかに私が!!
「で?君は?」
「わ、私は侯爵家の娘で、殿下の婚約者なのです!不届者に忠告しただけですわ!あの女は私を無知だと侮辱行したのです!
なのにカルデック公子が入ってきて、私を平手打ちしたのです!」
「ふむ。モヴィーくん。ベリーくんが無知と言ったのかい?」
「はい」
風邪をうつしたと殿下が謝りに来たこと、だけど隣にさえ座ったことがないこと。飛沫が遠くまで飛ぶという常識を説明した。
「そんなに飛ぶものなのか?」
「はい。会話でもけっこう飛んでいます。興奮して話せばもっと飛びます。くしゃみや咳はかなり広範囲に飛びます」
「聞いたことがないな」
「小さな部屋の天井や床や壁を白い布で覆い、咳をしている者に色の付いた水を少し口に含ませてください。そのまま咳をすれば分かります。たとえ手で口を覆ってもどれだけ飛沫を防ぎきれていないか分かりますよ。
くしゃみは鼻の穴をこちょこちょすれば出ます」
「なるほど。それは面白そうだ。すぐに実験してみよう。
カルデックくん…君は…」
「アレンです、学園長」
「君は何故 ベリーくんを叩いたのかね?」
「躾けです」
「躾け?」
「人は叩かれたら痛いのだと教えなければと思いました。
そもそも、言いがかりです。
本気でメイが悪いと思っているのなら、その場で注意すればいいことです。なのにトイレまで追いかけて行き、密室で詰め寄りました。メイ1人に3人の必要はありませんよね。これは虐めではありませんか?
陰湿で卑怯です。
メイは暴力を振るわれたので、私が渡した警笛を吹きました。
メイはカルデック公爵邸に住み、カルデック公爵が認め庇護下におく者です。彼女を傷付けることはカルデック公爵家への敵意と同等です」
「……だが、ベリーくんは女性なのだぞ?」
「だから何です?学園長はご自分の娘が2回も叩かれたら相手が女だからと笑顔で諭すのですか?
一応女だから一発で済ませました。力加減もしています。男だったら叩いた腕を折りますよ。
あと、この女は言葉が通じません。メイに注意をしようとしたのではなく、苛立ちの矛先を殿下にではなく弱者に向け憂さ晴らしをしたまで。
そうだよな?カレン・ベリー。
お前は単にメイを跪かせたかっただけ。反論されて殴りたくなったから殴った。そうだろう?」
「分かった」
「学園長。メイは熱で数日休んでおりました。
復帰したばかりなのは同じクラスのカレン・ベリーは知っています。
はぁ…王子妃選考って目隠しでするものなんですかね」
「カルデックくん」
「失礼しました」
「モヴィーくんは学園の馬車で公爵家へ送ろう」
「私が連れて帰ります」
「過保護だな」
「唯一無二ですから」
「……ベリーくん。保護者を呼び出すのでそのまま医務室にいなさい」
「っ!!」
ということで、アレン様が連れて帰ってくれたのだけど、馬車の中では膝の上。部屋までお姫様抱っこ。最後にオデコこっつんで熱を測られて そのままデコチューされた。
「!!!!!」
その後はメイドさんが頬を冷やしてくれて、ソランさんが様子を見に来てクッキーを置いていって、着替えたアレン様が付き添い始めた。
「あの、大丈夫ですから」
「昼食まで寝なさい」
「でも」
「メイはこれが好きだったな」
そう言っておなかをトントンし始めた。
トントン トントン
グゥ…。
【 カレン・ベリーの視点 】
30分後くらいに白い布で包まれた用具入れのような小さな部屋に連れてこられた。
「ゴホッ ゴホッ」
咳をした職員も到着した。手には小さな瓶を持っていた。
「君、ここに立って、その瓶の中身を少し口にふくんでくれ」
「咳が…」
「構わんよ。咳をしたくなったら手やハンカチで抑えずに咳をしてくれ。汚れて構わない」
「はい…」
職員の男は瓶の中身を少し口に含んだ。
1分もしないうちに咳き込んだ。
「ゲホッ!ゴホッ!ゴホッ!」
「ありがとう。口を濯いで今日は帰りなさい」
「失礼します」
学園長は少し待つとゆっくり部屋の中へ足を踏み入れた。
「これはすごい。ベリーくん、見てみなさい」
壁、床、天井にまで広範囲に黒っぽい点状の染みが無数に広がっていた。
「これだけ遠くに飛ぶんだ。触れ合わなくとも感染するわけだな」
「っ!」
「モヴィーくんはコレを知っていて当然だと思っているのだな」
な、なんなのよ!こんなこた知ってどうするのよ!
「ベリーくん。今の立場を失いたくないのであればカルデック家とは対立しない方が身のためだぞ」
「私はっ、」
「忠告をどうするかは好きにするといい。
後は学園長として対処するだけだ」
「っ!」
会議室で待っているとドアが乱暴に開いた。
「で、殿下」
「メイを殴ったと聞いた」
「それは、」
「私が近付いたから?」
「で、殿下っ」
「そうか…。こうなることが分かっていたから、メイは私と友人になろうとしてくれず、冷たくあしらっていたのだな」
「あんまりです!私は殿下の婚約者ではありませんか!」
「何でお前なんかが私の婚約者なのだろうな。お前を妻に迎えたら私は不幸になる」
「っ!」
どうして!どうして私の味方をしてくださらないの!
そこにお父様と学園長が来て、殿下の前で 事の顛末を話してしまった。
「何でカルデック家と揉めるのだ!」
「私はただ…」
「カレン。殿下が誰を寵愛しようと殿下の自由だ。おまえが王子妃になりたいと言ったときに心得を伝えたはずだ。おまえと殿下は恋人ではなく契約上の関係だ。殿下をお支えするのが妃の務め。嫉妬することではない。
殿下は複数妻を迎えられる身分だと念を押しただろう。それでもいいと言ったのはおまえだ。
殿下がモヴィー嬢を寵愛するのなら、環境を整えて差し上げるべきだろう。殿下が学業や公務を疎かにしない限り口を出すな。
しかもまだ婚約者なだけで王子妃ではない。おまえにあるのは己を磨く義務だけで権利など無いのだ。
いいか、婚姻後、殿下が別の女性を妻に迎えたいと言ったら従え。その女性がすごしやすいように努めろ。分かったな」
「っ!……はい」
「殿下、ご無礼をお許しください。
もしお気に召す令嬢がいるのであればどうぞカレンとの婚姻後にお迎えください。ですが子は カレンが男児を産むか7年が経過するまでお控えください。これは契約ではなく法律です」
「分かっている」
「では、今日は愚女を連れて帰ります。学園長、よろしいでしょうか」
「はい」
「では、失礼します」
屋敷に連れ戻され、お叱りを受けた後、来週の登校日まで謹慎せよと告げられた。
殿下は明らかにあの女を気に入っている。
それに殿下と同じクラスにいる別の男爵家令嬢が殿下に馴れ馴れしく付き纏っていると聞いた。
どうして下位貴族なんかに私が!!
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