【完結】愛する女がいるから、妻になってもお前は何もするなと言われました

ユユ

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【 トリシアの視点 】


「私の分は?」

ディナーの後に私の分のデザートが出てこない。
ティータイムにも出てこなかった。

「言っただろう。テーブルマナーに問題があるのにデザートは出せない」

「買い物も駄目、デザートも駄目ってどういうこと!ティータイムでさえお茶だけだなんて!」

ハロルドは合図を送り人払いをした。

「敬語は?」

「ハロルド!」

バシッ!

「痛っ!」

初めて頬を打たれた。

「殴ったわね!」

「平手で軽くだ。言って分からないから手が出た。
“公爵様”と呼び、敬語を使うことがそんなに難しいのか?スラムの子供でも多少使えるぞ」

「そんなこと、今まで言わなかったのに!」

「この屋敷に住まわすなら当然だ。公爵邸だぞ?」

「愛してるって言ったじゃない!」

「だから礼儀や作法は無くていいと?
仮にも元子爵令嬢だろう」

「あの女と婚姻してから変わったわ!
あの女は疫病神よ!
屋敷にもいないのにこんなにも影響するなんて 魔女に違いないわ!

ギャッ!!」

髪を掴まれ、強い力で頭を押されて跪かされた。

「何!?」

「早くしろ」

「え?」

「お前に出来ることはコレだけだろう」

「ハロ、」

バチン

「っ!」

「なんだって?」

「こ、公爵様…」

「早くしろ」

トラウザーズのボタンを外して何の反応もしていないモノを取り出した。

涙を流しながら咥えた。

徐々に硬く勃ち上がったモノを半分咥えて刺激した。

ハロルドを見上げても視線が冷たい。
一体どうしてしまったの?
あんなに愛を囁いて優しくしてくれていたのに。


正直、私はハロルドを愛していない。
お金を持った公爵令息だから笑顔を振りまいた。
負債が大き過ぎて助けてはもらえなかったけど。

妻にしたいと思ってくれたようだけど公爵夫妻の猛反対に遭った。
愛人として弁えろと公爵様に言われた。

ハロルドは馬鹿正直に婚約者に私のことを話したために破談になり、夫人から毛嫌いされた。
そして新たな婚約者。

それでもハロルドは愛人としてだけど屋敷に住まわせてくれると言って同棲を始めた。

夫人に、隣国の伯爵令嬢と結婚して大事にしないと公爵にしないと言われたらしい。

ハロルドが廃嫡されて追い出されたら私は路頭に迷う。だから大人しくしていた。

なのに祭壇の前でベールを上げた新妻はとても愛らしい美少女で、ハロルドが驚いているのが分かった。

私と違って小柄でありながら胸もある。
ハロルドの寵愛を渡しては駄目だと思った。

屋敷の前で馬車とすれ違った。

メイド長が追い返した!?
よくやったと言いたかったのに、メイド長はすぐ解雇された。

ほとんど構ってくれず、教会から帰ってきた夜は乱暴な口淫が待っていた。
そして口だけ使って抱かないと言う。

さらに翌日には買い物禁止を言い渡され、デザートも出てこない。
挙句は初めての平手打ち。


「全部入るだろう」

「んー!(イヤ!)」

抵抗しても頭を鷲掴みにされて無理矢理口の中に押し込まれる。

ハロルドは腰を振り、口や喉で刺激を得ると私の顔を自身の腹に押し付けながら吐精した。

苦しくてもがいてハロルドの腿を叩くがびくともしない。

ブルッと身を震わせて 最後の一滴を絞り出すとズルズルと抜き去った。

「オエッ! ゲホッ!ゲホッ!」

ハロルドは身なりを整えて食堂のドアを開けると、廊下にいたメイドに“デザートを部屋に運んでくれ” と言って立ち去ってしまった。

「ううっ」

どうしてこんな目に!

没落だって私のせいじゃない!

確かに幼い頃、領地の工場を燃やしてしまった。
それが元で領地収入が激減し、工場の再建に大金を注ぎ込んだけど、期日に納品ができなくて客が離れたと知った。

あんなところにランプを置いておくから悪いのよ!

少しくらい納期を延期したくらいで!

何とか学費と寮費を一括で払って貰えたけど、私が帰らない間にどんどん負債が膨らんで没落した。

ハロルドの両親が私を受け入れて、あの女と結婚なんてことにならなければ、今頃私は公爵夫人で何不自由ない生活を送れていた。

茶会やパーティで皆が羨むはずだった。

これじゃ、専属娼婦と変わらないじゃない!!

ハロルドの母親とあの魔女をどうにかしなくては。

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