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新たな道
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襲撃から三週間が過ぎた。
実父のレナード王太子殿下…パパのおかげで ジュエルとの距離を取れている。
私には王女教育が始まった。
どちらかと言うと高位貴族令嬢寄りの教育らしい。
ジュエルに会うのは朝食と夕食の時だけ。夜に訪ねて来ても理由を付けてメイドが取り継がず伝言だけ預かる。
ジュエルの傷は塞がってはいるが完治ではないので簡単にペルランの歴史を説明したり異母弟達が押し掛けていると聞いた。
長距離移動に耐えられるようになれば、彼をベロノワに帰すために帰国すると伝えてある。
今日は陛下からの呼び出しがあった。
隣にはジュエルが座っている。
王太子殿下とリアム殿下が同席している。
陛下と宰相が入室し、事件の顛末を教えてくれた。
陛「ジュエル殿、アイリーン。此度は誠に申し訳ないことをした。特にジュエル殿、其方には傷まで負わせてしまった。
同時にリアムの命を救ってくれた。アイリーンも守ってくれた。心より感謝する。
主犯はイリスと実家であるバリテナ侯爵家によるものだった。
リアムを亡き者にすれば自分の産んだ子しか国王になれないだろうと画策したようだ。
イリスはシリルが成人するまで幽閉し、時がくれば毒杯を与える。
侯爵家は全てを剥奪し労働刑に処すことにした。
もう危険はないと判断し、ベロノワ行きの船が駐停泊する港まで送ろう。出発は1週間後。レナードとリアムが送り届けよう。
それまでしっかりと静養してもらいたい」
ア「ロベール達は」
レ「ロベールとブノアには説明をした。
バリテナが消えても別の後ろ盾がつくから心配ない。出来ればこれまで通り 仲良くしてやって欲しい」
「「かしこまりました」」
陛「アイリーン。其方の実母について話がある。
ジュエル殿、申し訳ないが席を外してもらいたい」
ジュ「失礼いたします」
ジュエルが退室するとパパが私の隣に座って手を握った。
陛「アイリーンの母であるイレーネ王妃はカスカードに戻った。
夫の国王が崩御なさったために実子の長男である王太子が国王となった。そして新国王に自由をもらったそうだ。務めは果たしたのだから解放すると。
それが二ヶ月前の話だ。
さすがに他国の元王妃を王太子レナードに嫁がせることはできない。
だが此度 イリスが退いた。レナードと話し合った結果、レナードを臣下に据え リアムを王太子に指名する」
私「ええ!?」
陛「バリテナの領地をレナードに与える。レナードは公爵となり想い人に求婚する。この条件でなら受けるとカスカードから返事をもらった。
そこでアイリーン。新たな公爵家の実子として生活をしないか」
私「……」
リ「父上はアイリーンに無理強いはしない。
それに盾にもなってくれる。
過去から距離を置けるよ。
バリテナは王都から半日で豊かな土地だし、王都にも屋敷がある。どうかな」
レ「カトリス家とベロノワ家にはきちんと礼をする」
私「先方も望んでおられるのですか」
レ「もちろんだ。イレーネもずっとアイリーンと一緒にいたかったんだ。嫁ぎ先に知られたら危険と知りながらギリギリまで娘と暮らした。
娘と引き離された後は痩せ細ってしまい、事情を知っていたカスカードからついてきた侍女が励まして気力を取り戻したそうだ。
“アイリーン様にお会いするときに、その様なお姿で後悔しませんか”
その一言で食事を飲み込み王族の務めを果たした。
そんな彼女が望んでいないと思うのか?」
私「よろしくお願い致します」
レ「良かった!」
リ「断られたらどうしようかと思ったよ。
また抜け殻の父上を相手にするのは嫌だからね。
ありがとう アイリーン」
陛「ということで、レナードとリアムを一緒に渡航させる。今回は北の討伐隊を加えて護衛させるから安心してくれ。彼らは泳げるし機転もきくから より安心だ」
私「ですが危機管理としては、お二人が一緒では」
リ「アイリーンの実父は父上だから行かなければいけない。だけど父上だけでは不安だから私も行くことにしたんだ。父上はアイリーンのことだけしか興味がない。気持ちが濃過ぎて冷静になれないときがあるから私がフォローしないと駄目なんだ。
すぐ落ち込んでしまうからね」
レ「……すまん」
私「ご迷惑をお掛けします」
リ「愛する妹のためなら何ともないさ」
レ「この際、手持ちの物件を売ってしまいなさい。
投資目的で出資だけしたものは代理人をたてて任せればいい。金には困らないし、どうしても個人で稼ぎたいならペルランでやればいい」
私「そうします」
陛「よし。我らは準備をしておこう。
それとアイリーン。面会希望がある。
ガブリエル・ワイアーだ。どうする?」
私「お会いします」
陛「騎士団で待機しているから案内させよう」
実父のレナード王太子殿下…パパのおかげで ジュエルとの距離を取れている。
私には王女教育が始まった。
どちらかと言うと高位貴族令嬢寄りの教育らしい。
ジュエルに会うのは朝食と夕食の時だけ。夜に訪ねて来ても理由を付けてメイドが取り継がず伝言だけ預かる。
ジュエルの傷は塞がってはいるが完治ではないので簡単にペルランの歴史を説明したり異母弟達が押し掛けていると聞いた。
長距離移動に耐えられるようになれば、彼をベロノワに帰すために帰国すると伝えてある。
今日は陛下からの呼び出しがあった。
隣にはジュエルが座っている。
王太子殿下とリアム殿下が同席している。
陛下と宰相が入室し、事件の顛末を教えてくれた。
陛「ジュエル殿、アイリーン。此度は誠に申し訳ないことをした。特にジュエル殿、其方には傷まで負わせてしまった。
同時にリアムの命を救ってくれた。アイリーンも守ってくれた。心より感謝する。
主犯はイリスと実家であるバリテナ侯爵家によるものだった。
リアムを亡き者にすれば自分の産んだ子しか国王になれないだろうと画策したようだ。
イリスはシリルが成人するまで幽閉し、時がくれば毒杯を与える。
侯爵家は全てを剥奪し労働刑に処すことにした。
もう危険はないと判断し、ベロノワ行きの船が駐停泊する港まで送ろう。出発は1週間後。レナードとリアムが送り届けよう。
それまでしっかりと静養してもらいたい」
ア「ロベール達は」
レ「ロベールとブノアには説明をした。
バリテナが消えても別の後ろ盾がつくから心配ない。出来ればこれまで通り 仲良くしてやって欲しい」
「「かしこまりました」」
陛「アイリーン。其方の実母について話がある。
ジュエル殿、申し訳ないが席を外してもらいたい」
ジュ「失礼いたします」
ジュエルが退室するとパパが私の隣に座って手を握った。
陛「アイリーンの母であるイレーネ王妃はカスカードに戻った。
夫の国王が崩御なさったために実子の長男である王太子が国王となった。そして新国王に自由をもらったそうだ。務めは果たしたのだから解放すると。
それが二ヶ月前の話だ。
さすがに他国の元王妃を王太子レナードに嫁がせることはできない。
だが此度 イリスが退いた。レナードと話し合った結果、レナードを臣下に据え リアムを王太子に指名する」
私「ええ!?」
陛「バリテナの領地をレナードに与える。レナードは公爵となり想い人に求婚する。この条件でなら受けるとカスカードから返事をもらった。
そこでアイリーン。新たな公爵家の実子として生活をしないか」
私「……」
リ「父上はアイリーンに無理強いはしない。
それに盾にもなってくれる。
過去から距離を置けるよ。
バリテナは王都から半日で豊かな土地だし、王都にも屋敷がある。どうかな」
レ「カトリス家とベロノワ家にはきちんと礼をする」
私「先方も望んでおられるのですか」
レ「もちろんだ。イレーネもずっとアイリーンと一緒にいたかったんだ。嫁ぎ先に知られたら危険と知りながらギリギリまで娘と暮らした。
娘と引き離された後は痩せ細ってしまい、事情を知っていたカスカードからついてきた侍女が励まして気力を取り戻したそうだ。
“アイリーン様にお会いするときに、その様なお姿で後悔しませんか”
その一言で食事を飲み込み王族の務めを果たした。
そんな彼女が望んでいないと思うのか?」
私「よろしくお願い致します」
レ「良かった!」
リ「断られたらどうしようかと思ったよ。
また抜け殻の父上を相手にするのは嫌だからね。
ありがとう アイリーン」
陛「ということで、レナードとリアムを一緒に渡航させる。今回は北の討伐隊を加えて護衛させるから安心してくれ。彼らは泳げるし機転もきくから より安心だ」
私「ですが危機管理としては、お二人が一緒では」
リ「アイリーンの実父は父上だから行かなければいけない。だけど父上だけでは不安だから私も行くことにしたんだ。父上はアイリーンのことだけしか興味がない。気持ちが濃過ぎて冷静になれないときがあるから私がフォローしないと駄目なんだ。
すぐ落ち込んでしまうからね」
レ「……すまん」
私「ご迷惑をお掛けします」
リ「愛する妹のためなら何ともないさ」
レ「この際、手持ちの物件を売ってしまいなさい。
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私「そうします」
陛「よし。我らは準備をしておこう。
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