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ムキになった結果
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夕食後に廊下でジュエルに呼び止められた。
「彼とは何処で会ったのですか」
「ガブリエル様? 湖よ」
「湖? 態々姉上に会いに王都まで?」
「ご家族はこちらのようだしタウンハウスもお持ちだから 王都に来てもおかしくないわ。寧ろ湖にいた方がたまたまで、いつもはこっちにいるかもしれないじゃない」
「この間会っただけなのに 随分と仲が良さそうだったね。本当に友人?」
「ジュエル。私の友人のことに口出ししないで」
「っ!」
「おやすみ」
部屋に戻り 寝支度をしてベッドに入ったけど、寝付けない。
傷付いたようなジュエルの顔が頭から離れない。
でも私にはもう、ジュエルが分からない。どの表情も仮面かもしれない。
仲良くなるのはオベール兄様よりも遅かった。
危ないと思う場所は手を繋いでくれた。苦手な食べ物もこっそり食べてくれた。風の強い日や雷の鳴る日は一緒に寝てくれた。寒い日は温めてくれた。
ずっとずっと一緒でいつも私を見てくれていた。
そのジュエルの仮面を見つけてしまった。
離れて暮らしたら、きっとこの胸の痛みは無くなる。本来の場所にいれば…。
「アイリーン様?寝付けませんか」
「そうなの」
ガウンを羽織り廊下に出るとセイビアンがいた。
「では少し散歩をしましょう」
「ありがとう」
城内を歩いているとセイビアンが話を切り出した。
「我々はクビですか」
「え?」
「ベロノワと縁を断つつもりなのですよね」
「……」
「我々も連れて行ってくれないのですか」
「セイビアンもロザリーナもエリスもベロノワ出身じゃない。
実家も家族も友人も知人も騎士仲間も馴染みの店もベロノワでしょう?」
「ウィンター公爵家にも連れて行ってくれたじゃないですか」
「隣国で領地がベロノワと近かったからよ。
次はそんな近い場所じゃないの。年に一度も帰れないわ。
それに婚約者をいつまでも待たせられないでしょう?」
「連れてくれば、」
「もし彼女が心を病んでも?」
「……」
「言葉が少し異なる知り合いのいない土地で、独りで家に居させるの?彼女もベロノワへは簡単に帰れないのよ?
今だって家族や友人達が支えてくれるから、貴方が不在でも待っていられるのよ。
それを全部奪ったら、適応できなくて心を病む人もいるの。
それに子を産むならもう考えないと。リナさんの友人はみんな子がいるんじゃない?」
「それはアイリーン様も同じじゃないですか。
ベロノワに戻れば、」
「オベール兄様とは離縁になっているはずよ。そこに戻れと?
兄様はまた妻を迎えなければならないわ。そこに私が居るのは良くないし、私自身が辛いの。ジュエルと距離を置かないといけない。彼も婚約しないとね」
「アイリーン様」
「帰ったらリナさんに結婚式はいつがいいか聞くのよ」
「分かりました」
翌日、ガブリエル様とティータイムに会っていた。
「普段は何しているの?」
「今? ペルランの歴史と、少し言語の違う部分と、淑女教育みたいなものです」
「着々と進めているんだな」
「はい」
「この国の貴族になったら、もっと自由に遊べるかな」
「はい?」
「劇を見たり演奏を聴きに行ったり 食事をしたり買い物をしたり 散策したり こうやってお茶を飲んだり。気分転換にもなるだろう?」
「楽しそうですね。
ガブリエル様の縁談が始まる前なら出来そうですね」
「当分ないよ」
「跡継ぎということもありますけど、嫌味なほどモテるらしいですからね」
「好きな子にモテなきゃ意味がないよ」
「次は上手くいくかもしれませんよ」
「さあ、どうだろうね。 また好きになった子には好きな男がいるかもしれないからね」
「不思議な感じですね。
こんなに穏やかな方なのに、グイグイ引っ張られる感じがあります」
「会える時間が少ないし、これから長旅だろう?
少しでも友情を深めたいじゃないか。
旅の間に忘れ去られる存在だと、戻って来たときに“どなた様ですか” なんて言われちゃうからね」
「そんなこと言いませんよ」
「どうだか」
「ガブリエル様こそ、」
「まあ!ガブリエル様ではありませんか」
その声に反応した彼の目線の先を追うと、私より歳上の綺麗な女性が立っていた。
「エリザベス嬢……お父上に会いに?」
「ええ。今日は早く上がって一緒に食事に行くのよ。
ガブリエル様も一緒に行きましょう」
「遠慮しておきます」
「……そちらの方は?紹介してくださらない?」
「いずれ。ではどうぞ気を付けて」
「そんなこと仰らないで」
「……こちらの女性はエリザベス・ディボーン。
ディボーン侯爵家の長女だ。侯爵は輸出入を担当するトップの副官だ。
彼女はアイリーン…ベロノワ。
他国からの国賓だ」
「……初めまして、ベロノワ嬢。公爵家の方ですか」
「伯爵家です」
「……そう。ガブリエル様狙いなの?」
「エリザベス嬢、何をいうんだ」
「確かに若くてお綺麗ですけど それだけではガブリエル様は満足できませんもの。他国の伯爵家じゃペルランのワイアー家とは釣り合いませんし。
早めに教えて差し上げないと無駄な努力をさせてしまって可哀想ですわ」
「失礼だろう!国賓だと言ったのが分からないのか」
別にそんなつもりはないけど、ベロノワを下に見る発言は気に入らない。
「まあ、私に声を荒げるなんて。
早速ガブリエル様が毒されているようですわね」
「ディボーン侯爵令嬢。若くて綺麗でごめんなさいね。ガブリエル様はそんな私とお友達になりたいと、昨日も今日も通ってくださいましたの。
お屋敷にも誘われて、観劇やお買い物やお食事やお散歩も私と一緒がいいと言ってくださいますのよ。
湖では私を抱き上げて歩いてくださったり、私の素足に触れて微笑んでいらしたわ。
きっと年季を重ねた だいぶ歳上のディボーン侯爵令嬢ならもっと親しいのでしょう。
ガブリエル様とどのような思い出がありまして?
ぜひお伺いしたいですわ」
「なっ!!」
「俺は出会ってすぐアイリーンに魅了されて、友人になったんだ。今の目標は、デートを重ねてアイリーンをパートナーにしてダンスを踊ることかな」
「デュボーン侯爵令嬢……失礼しました。夫人ですよね」
「ククッ…彼女は離縁して実家に戻ったよ」
「っ!!」
「お辛い思いをなさったのですね。新しい出会いに早く恵まれるよう祈っておりますわ」
バシャッ
「何をするんだ!!」
令嬢が私のカップを持ってお茶を私に掛けた。
「キャア!」
ロザリーナが令嬢の腕を後ろに捻った。
「ロザリーナ。いいの。解放してあげて」
「ですが、」
「慈悲を与えてあげて。侯爵家に生まれても自制が効かなくて、婚家でも上手くいかないの。
これからは言いなりになりそうな格下の家門を探さなくちゃならない お可哀想な方なのよ」
ロザリーナが手を緩めると令嬢が飛び掛かってきた。
ガブリエル様が令嬢のドレスを掴んだので、テーブルクロスごとティーセットと令嬢は倒れてメチャクチャになった。
「ロザリーナ、退け」
振り向くと剣を抜いたジュエルが立っていた。
「ちょっと、ジュエル!駄目よ!」
「茶もかけられたのか」
「ジュエル!」
ジュエルの首に腕を回して必死にしがみ付いた。
ジュエルは剣を向けるのを止めると左腕で私を抱きしめた。
「おい、ブス。 俺のアイリーンにまた手を出したら鼻を削ぐか腕を切り落とすぞ」
「あんた達!!こんなこと許されないわよ!!」
「許されるか許されないかはリアム殿下に聞くといい。
ワイアー殿、失礼します」
ジュエルは私を抱き上げて客室に向かった。
「降ろして。傷が痛むでしょう」
「軽すぎて痛まないよ」
「あれくらい大丈夫よ」
「俺が大丈夫じゃない」
「もう」
距離を置こうとしてるのに……。
「彼とは何処で会ったのですか」
「ガブリエル様? 湖よ」
「湖? 態々姉上に会いに王都まで?」
「ご家族はこちらのようだしタウンハウスもお持ちだから 王都に来てもおかしくないわ。寧ろ湖にいた方がたまたまで、いつもはこっちにいるかもしれないじゃない」
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「ジュエル。私の友人のことに口出ししないで」
「っ!」
「おやすみ」
部屋に戻り 寝支度をしてベッドに入ったけど、寝付けない。
傷付いたようなジュエルの顔が頭から離れない。
でも私にはもう、ジュエルが分からない。どの表情も仮面かもしれない。
仲良くなるのはオベール兄様よりも遅かった。
危ないと思う場所は手を繋いでくれた。苦手な食べ物もこっそり食べてくれた。風の強い日や雷の鳴る日は一緒に寝てくれた。寒い日は温めてくれた。
ずっとずっと一緒でいつも私を見てくれていた。
そのジュエルの仮面を見つけてしまった。
離れて暮らしたら、きっとこの胸の痛みは無くなる。本来の場所にいれば…。
「アイリーン様?寝付けませんか」
「そうなの」
ガウンを羽織り廊下に出るとセイビアンがいた。
「では少し散歩をしましょう」
「ありがとう」
城内を歩いているとセイビアンが話を切り出した。
「我々はクビですか」
「え?」
「ベロノワと縁を断つつもりなのですよね」
「……」
「我々も連れて行ってくれないのですか」
「セイビアンもロザリーナもエリスもベロノワ出身じゃない。
実家も家族も友人も知人も騎士仲間も馴染みの店もベロノワでしょう?」
「ウィンター公爵家にも連れて行ってくれたじゃないですか」
「隣国で領地がベロノワと近かったからよ。
次はそんな近い場所じゃないの。年に一度も帰れないわ。
それに婚約者をいつまでも待たせられないでしょう?」
「連れてくれば、」
「もし彼女が心を病んでも?」
「……」
「言葉が少し異なる知り合いのいない土地で、独りで家に居させるの?彼女もベロノワへは簡単に帰れないのよ?
今だって家族や友人達が支えてくれるから、貴方が不在でも待っていられるのよ。
それを全部奪ったら、適応できなくて心を病む人もいるの。
それに子を産むならもう考えないと。リナさんの友人はみんな子がいるんじゃない?」
「それはアイリーン様も同じじゃないですか。
ベロノワに戻れば、」
「オベール兄様とは離縁になっているはずよ。そこに戻れと?
兄様はまた妻を迎えなければならないわ。そこに私が居るのは良くないし、私自身が辛いの。ジュエルと距離を置かないといけない。彼も婚約しないとね」
「アイリーン様」
「帰ったらリナさんに結婚式はいつがいいか聞くのよ」
「分かりました」
翌日、ガブリエル様とティータイムに会っていた。
「普段は何しているの?」
「今? ペルランの歴史と、少し言語の違う部分と、淑女教育みたいなものです」
「着々と進めているんだな」
「はい」
「この国の貴族になったら、もっと自由に遊べるかな」
「はい?」
「劇を見たり演奏を聴きに行ったり 食事をしたり買い物をしたり 散策したり こうやってお茶を飲んだり。気分転換にもなるだろう?」
「楽しそうですね。
ガブリエル様の縁談が始まる前なら出来そうですね」
「当分ないよ」
「跡継ぎということもありますけど、嫌味なほどモテるらしいですからね」
「好きな子にモテなきゃ意味がないよ」
「次は上手くいくかもしれませんよ」
「さあ、どうだろうね。 また好きになった子には好きな男がいるかもしれないからね」
「不思議な感じですね。
こんなに穏やかな方なのに、グイグイ引っ張られる感じがあります」
「会える時間が少ないし、これから長旅だろう?
少しでも友情を深めたいじゃないか。
旅の間に忘れ去られる存在だと、戻って来たときに“どなた様ですか” なんて言われちゃうからね」
「そんなこと言いませんよ」
「どうだか」
「ガブリエル様こそ、」
「まあ!ガブリエル様ではありませんか」
その声に反応した彼の目線の先を追うと、私より歳上の綺麗な女性が立っていた。
「エリザベス嬢……お父上に会いに?」
「ええ。今日は早く上がって一緒に食事に行くのよ。
ガブリエル様も一緒に行きましょう」
「遠慮しておきます」
「……そちらの方は?紹介してくださらない?」
「いずれ。ではどうぞ気を付けて」
「そんなこと仰らないで」
「……こちらの女性はエリザベス・ディボーン。
ディボーン侯爵家の長女だ。侯爵は輸出入を担当するトップの副官だ。
彼女はアイリーン…ベロノワ。
他国からの国賓だ」
「……初めまして、ベロノワ嬢。公爵家の方ですか」
「伯爵家です」
「……そう。ガブリエル様狙いなの?」
「エリザベス嬢、何をいうんだ」
「確かに若くてお綺麗ですけど それだけではガブリエル様は満足できませんもの。他国の伯爵家じゃペルランのワイアー家とは釣り合いませんし。
早めに教えて差し上げないと無駄な努力をさせてしまって可哀想ですわ」
「失礼だろう!国賓だと言ったのが分からないのか」
別にそんなつもりはないけど、ベロノワを下に見る発言は気に入らない。
「まあ、私に声を荒げるなんて。
早速ガブリエル様が毒されているようですわね」
「ディボーン侯爵令嬢。若くて綺麗でごめんなさいね。ガブリエル様はそんな私とお友達になりたいと、昨日も今日も通ってくださいましたの。
お屋敷にも誘われて、観劇やお買い物やお食事やお散歩も私と一緒がいいと言ってくださいますのよ。
湖では私を抱き上げて歩いてくださったり、私の素足に触れて微笑んでいらしたわ。
きっと年季を重ねた だいぶ歳上のディボーン侯爵令嬢ならもっと親しいのでしょう。
ガブリエル様とどのような思い出がありまして?
ぜひお伺いしたいですわ」
「なっ!!」
「俺は出会ってすぐアイリーンに魅了されて、友人になったんだ。今の目標は、デートを重ねてアイリーンをパートナーにしてダンスを踊ることかな」
「デュボーン侯爵令嬢……失礼しました。夫人ですよね」
「ククッ…彼女は離縁して実家に戻ったよ」
「っ!!」
「お辛い思いをなさったのですね。新しい出会いに早く恵まれるよう祈っておりますわ」
バシャッ
「何をするんだ!!」
令嬢が私のカップを持ってお茶を私に掛けた。
「キャア!」
ロザリーナが令嬢の腕を後ろに捻った。
「ロザリーナ。いいの。解放してあげて」
「ですが、」
「慈悲を与えてあげて。侯爵家に生まれても自制が効かなくて、婚家でも上手くいかないの。
これからは言いなりになりそうな格下の家門を探さなくちゃならない お可哀想な方なのよ」
ロザリーナが手を緩めると令嬢が飛び掛かってきた。
ガブリエル様が令嬢のドレスを掴んだので、テーブルクロスごとティーセットと令嬢は倒れてメチャクチャになった。
「ロザリーナ、退け」
振り向くと剣を抜いたジュエルが立っていた。
「ちょっと、ジュエル!駄目よ!」
「茶もかけられたのか」
「ジュエル!」
ジュエルの首に腕を回して必死にしがみ付いた。
ジュエルは剣を向けるのを止めると左腕で私を抱きしめた。
「おい、ブス。 俺のアイリーンにまた手を出したら鼻を削ぐか腕を切り落とすぞ」
「あんた達!!こんなこと許されないわよ!!」
「許されるか許されないかはリアム殿下に聞くといい。
ワイアー殿、失礼します」
ジュエルは私を抱き上げて客室に向かった。
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