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討伐隊
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そして翌日、
「夏休みの間、討伐隊が王都にいる限り、リナを討伐隊に預けることにします。
サムズ隊長。私の妹でアブリック家の宝だということを忘れずに面倒を見てください。
隊の皆さん。
差し戻された報告書の山をリナに見てもらってください。誤字脱字や相応しくない単語が混じっています。古いものから片付けましょう。
くれぐれも討伐される側にならないよう気を付けてくださいね。
リナ。
何かあったらこれを吹け。いいな」
「はい、お兄様」
ディオン兄様はチェーンを付けた笛を首にかけてくれた。
お兄様が退室すると隊のみんなが私の頭を撫でた。
「リナの顔を立てなくちゃな」
「机を真面目に使うよ」
「ちゃんと報告書を書くからね」
「お昼一緒に食べようね」
「お前達、最初から真面目に書けよ」
「何言ってるんすか。リナちゃん効果ですよ」
「良い香りがする」
「そうそう。妹のために奮起してるんですよ」
「俺は イテッ! 隊長、まだ何も言ってないじゃないですか」
「危険な予感がしたんだよ」
お昼休みは時間をずらして食堂にやってきた。
他の騎士達とずらしているらしい。
ウィリアム・シムズ隊長、ロジェさん、ケリーさん、ジャンさん、ペランさんと食事をしていた。
「おいおい。何で討伐が女連れなんだよ。連れ込んで良い場所じゃないぞ。宿に行けよ」
殺気立った4人を制して隊長が追い払おうとした。
「貴方には関係がないでしょう。
入っていいから連れてきているんです。絡むのは止めてください」
「男爵家の隊長ごときが私に口答えか」
「ネールソン卿、近衛の名に相応しい言動でお願いします」
「は?お前、何様、」
「え?このガラの悪い人が近衛ですか?」
「リナ、」
「お嬢さん。世間知らずだな。
小綺麗な坊ちゃん達じゃ物足りなくなったか?」
討伐の4人が立ち上がった。
私は手を挙げて待ってくれと合図を送った。
「あの。順にお尋ねしますが、私は仕事でここにいます。シムズ隊長が入っていい者だと説明しました。それ以上貴方が立ち入る権利はありますか?
男爵家ごときですか。では貴方はそれ以上ということですね? 王城の仕事場で身分を理由に絡んだり圧力を掛けようとするのは弱い者虐めです。
そうですよね?貴方より男爵家の隊長の方が身分が下なのを分かっていてあのような態度を取るんですから。
貴方のお家ではそのような躾をされたのかもしれませんが、私のお家ではそのような下賎な行いを激しく嫌います。
それとも近衛の方針ですか?」
「このっ!」
胸ぐらを掴まれたので笛を力強く鳴らした。
ピュー!!
「なっ!!」
手が離れた瞬間、男は床に押さえ込まれた。
「リナ、大丈夫か」
「大丈夫です。この笛、変な音ですね」
「それは……」
その後、食堂は物々しい雰囲気に包まれた。
食堂の外にいた護衛兵士達や音を聞いた兵士達、その音を聞いて、己の笛で遠くの者に知らせることを数人続けた結果……
父「ギルソン近衛騎士隊長。貴方の部下は何故私の可愛い娘の胸ぐらを掴む愚行をするんだ?
その前は聞かせたくないような卑猥なことを言ったらしいじゃないか」
パパ、卑猥とまではいかないけど、この世界では卑猥なのかな?
私「パパぁ。私のような世間知らずの女の子は食堂でご飯を食べちゃダメだって知らなくて。
サムズ隊長は一般人じゃないと説明してくださったのですが、止めてくださらなくて。
討伐隊員は私を守ろうとしてくれたんです。
働いていても二度とお昼ご飯を食べたりしませんから、討伐隊のみんなを叱らないでください。
それに、騎士団は身分が低いと罵られても絡まれても受け入れなくてはいけないなんて知らなくて。
この方はきっと侯爵家以上の方なのですね。
私が悪いんです。ごめんなさい」
父「リナ!お昼ご飯は何度でも食べていいんだよ。好きなだけ食べなさい」
私「だって…私がここでお昼ご飯を食べたから、討伐隊のみんなは辛い目に遭うのですよね?
優しくて親切な討伐隊のみんなが虐めを受けない為なら お昼ご飯くらい抜いたってかまいません。
…身分で虐めたりしてはダメだって小さな頃からパパやママに教わってきたから、どうしても我慢できなくて弱い者虐めは止めてと言ったんです」
男「お、おまえ…痛っ!」
兄「貴方が身分を持ち出すなら、貴方は子爵家。リナも私も伯爵家。騎士団長は伯爵家の当主です。
なのに“おまえ”?
二度と剣を持てなくしてやろうか」
私「お兄様、きっと訳アリなのですわ。
もしかしたら貧しくて教師も付けてもらえず、ご両親も共働きで子供の教育どころじゃなかったのかもしれません。
寧ろ可哀想なお方なのでしょう。
ですが私の聞いていた近衛騎士のイメージとはかけ離れている気がします。
背伸びなどさせずに相応しい職をご紹介して差し上げてはいかがでしょうか」
父「私の天使!なんて慈悲深いんだ!」
兄「学園でリナに絡んだ学生と同じ場所に送ってやろう。あそこなら絡むと水が出なかった穴に落とされるだけだからな」
私「まあ!素敵! 大事なお仕事ですものね」
ギ「ハハハッ! エスラン家が気にいるはずだ。
団長。教育不足で申し訳ございません。
叩き直してから井戸掘りに行かせます。
リナ嬢。怪我はなかったかな?」
私「はい。服は一部破れましたが怪我はしておりません」
ギ「申し訳なかった。弁償しよう」
私「結構です。逆にアブリック家から彼にスコップを餞別品として差し上げますわ」
ギ「それは私から贈っておこう。
討伐隊の諸君。うちの元隊員が失礼した」
シ「我らはともかく、女の子には止めていただけるよう他の隊員にもご指導願います」
ギ「そうするよ。
すっかり冷めてしまったな。新しいものを運ばせよう」
私「大丈夫です。捨てるのは気が引けますから」
父「良い子だなぁ」
私「パパも一緒に食べましょう」
父「もう食べたんだよ」
悲しそうな顔をして見つめた。
父「だけどデザートが食べたかったんだ。一緒に食べようか」
兄「お茶とデザートを持ってきます」
ギ「私も食べようかな。
ゴーチエ。コイツに付き添って荷物を纏めさせておいてくれ」
兵「かしこまりました」
男が別の兵士に連れて行かれた後は、出世して団長になっていた父と、近衛騎士隊長と兄、私と討伐隊で楽しくおしゃべりをしながら食事の続きを再開した。
「夏休みの間、討伐隊が王都にいる限り、リナを討伐隊に預けることにします。
サムズ隊長。私の妹でアブリック家の宝だということを忘れずに面倒を見てください。
隊の皆さん。
差し戻された報告書の山をリナに見てもらってください。誤字脱字や相応しくない単語が混じっています。古いものから片付けましょう。
くれぐれも討伐される側にならないよう気を付けてくださいね。
リナ。
何かあったらこれを吹け。いいな」
「はい、お兄様」
ディオン兄様はチェーンを付けた笛を首にかけてくれた。
お兄様が退室すると隊のみんなが私の頭を撫でた。
「リナの顔を立てなくちゃな」
「机を真面目に使うよ」
「ちゃんと報告書を書くからね」
「お昼一緒に食べようね」
「お前達、最初から真面目に書けよ」
「何言ってるんすか。リナちゃん効果ですよ」
「良い香りがする」
「そうそう。妹のために奮起してるんですよ」
「俺は イテッ! 隊長、まだ何も言ってないじゃないですか」
「危険な予感がしたんだよ」
お昼休みは時間をずらして食堂にやってきた。
他の騎士達とずらしているらしい。
ウィリアム・シムズ隊長、ロジェさん、ケリーさん、ジャンさん、ペランさんと食事をしていた。
「おいおい。何で討伐が女連れなんだよ。連れ込んで良い場所じゃないぞ。宿に行けよ」
殺気立った4人を制して隊長が追い払おうとした。
「貴方には関係がないでしょう。
入っていいから連れてきているんです。絡むのは止めてください」
「男爵家の隊長ごときが私に口答えか」
「ネールソン卿、近衛の名に相応しい言動でお願いします」
「は?お前、何様、」
「え?このガラの悪い人が近衛ですか?」
「リナ、」
「お嬢さん。世間知らずだな。
小綺麗な坊ちゃん達じゃ物足りなくなったか?」
討伐の4人が立ち上がった。
私は手を挙げて待ってくれと合図を送った。
「あの。順にお尋ねしますが、私は仕事でここにいます。シムズ隊長が入っていい者だと説明しました。それ以上貴方が立ち入る権利はありますか?
男爵家ごときですか。では貴方はそれ以上ということですね? 王城の仕事場で身分を理由に絡んだり圧力を掛けようとするのは弱い者虐めです。
そうですよね?貴方より男爵家の隊長の方が身分が下なのを分かっていてあのような態度を取るんですから。
貴方のお家ではそのような躾をされたのかもしれませんが、私のお家ではそのような下賎な行いを激しく嫌います。
それとも近衛の方針ですか?」
「このっ!」
胸ぐらを掴まれたので笛を力強く鳴らした。
ピュー!!
「なっ!!」
手が離れた瞬間、男は床に押さえ込まれた。
「リナ、大丈夫か」
「大丈夫です。この笛、変な音ですね」
「それは……」
その後、食堂は物々しい雰囲気に包まれた。
食堂の外にいた護衛兵士達や音を聞いた兵士達、その音を聞いて、己の笛で遠くの者に知らせることを数人続けた結果……
父「ギルソン近衛騎士隊長。貴方の部下は何故私の可愛い娘の胸ぐらを掴む愚行をするんだ?
その前は聞かせたくないような卑猥なことを言ったらしいじゃないか」
パパ、卑猥とまではいかないけど、この世界では卑猥なのかな?
私「パパぁ。私のような世間知らずの女の子は食堂でご飯を食べちゃダメだって知らなくて。
サムズ隊長は一般人じゃないと説明してくださったのですが、止めてくださらなくて。
討伐隊員は私を守ろうとしてくれたんです。
働いていても二度とお昼ご飯を食べたりしませんから、討伐隊のみんなを叱らないでください。
それに、騎士団は身分が低いと罵られても絡まれても受け入れなくてはいけないなんて知らなくて。
この方はきっと侯爵家以上の方なのですね。
私が悪いんです。ごめんなさい」
父「リナ!お昼ご飯は何度でも食べていいんだよ。好きなだけ食べなさい」
私「だって…私がここでお昼ご飯を食べたから、討伐隊のみんなは辛い目に遭うのですよね?
優しくて親切な討伐隊のみんなが虐めを受けない為なら お昼ご飯くらい抜いたってかまいません。
…身分で虐めたりしてはダメだって小さな頃からパパやママに教わってきたから、どうしても我慢できなくて弱い者虐めは止めてと言ったんです」
男「お、おまえ…痛っ!」
兄「貴方が身分を持ち出すなら、貴方は子爵家。リナも私も伯爵家。騎士団長は伯爵家の当主です。
なのに“おまえ”?
二度と剣を持てなくしてやろうか」
私「お兄様、きっと訳アリなのですわ。
もしかしたら貧しくて教師も付けてもらえず、ご両親も共働きで子供の教育どころじゃなかったのかもしれません。
寧ろ可哀想なお方なのでしょう。
ですが私の聞いていた近衛騎士のイメージとはかけ離れている気がします。
背伸びなどさせずに相応しい職をご紹介して差し上げてはいかがでしょうか」
父「私の天使!なんて慈悲深いんだ!」
兄「学園でリナに絡んだ学生と同じ場所に送ってやろう。あそこなら絡むと水が出なかった穴に落とされるだけだからな」
私「まあ!素敵! 大事なお仕事ですものね」
ギ「ハハハッ! エスラン家が気にいるはずだ。
団長。教育不足で申し訳ございません。
叩き直してから井戸掘りに行かせます。
リナ嬢。怪我はなかったかな?」
私「はい。服は一部破れましたが怪我はしておりません」
ギ「申し訳なかった。弁償しよう」
私「結構です。逆にアブリック家から彼にスコップを餞別品として差し上げますわ」
ギ「それは私から贈っておこう。
討伐隊の諸君。うちの元隊員が失礼した」
シ「我らはともかく、女の子には止めていただけるよう他の隊員にもご指導願います」
ギ「そうするよ。
すっかり冷めてしまったな。新しいものを運ばせよう」
私「大丈夫です。捨てるのは気が引けますから」
父「良い子だなぁ」
私「パパも一緒に食べましょう」
父「もう食べたんだよ」
悲しそうな顔をして見つめた。
父「だけどデザートが食べたかったんだ。一緒に食べようか」
兄「お茶とデザートを持ってきます」
ギ「私も食べようかな。
ゴーチエ。コイツに付き添って荷物を纏めさせておいてくれ」
兵「かしこまりました」
男が別の兵士に連れて行かれた後は、出世して団長になっていた父と、近衛騎士隊長と兄、私と討伐隊で楽しくおしゃべりをしながら食事の続きを再開した。
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