【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

文字の大きさ
12 / 52

僕が婚約?

しおりを挟む
副団長が話を続けた。

副「彼が13歳の時に娘に会いまして、子供同士ではありますが、口約束をしまして。

しかし娘の伴侶は誰でもいいわけではありません。

彼に騎士学校への志望動機を聞いたら、伯爵家で2人の兄から侮辱を受けたり暴力を振るわれ続け、遂に我慢しきれなくて、手加減して反撃したら、兄達は怪我をして、伯爵は理由を信じることなく厄介払いをするように寄宿学校行きを決められてしまったと答えたのです」

父「クリス…副団長で侯爵でもある方に何て嘘を言うのだ」

副「伯爵。調査はなさいましたか」

父「調査ですか?子供の喧嘩に?」

副「五年間の寄宿学校、しかも騎士学校ですよ?
学校とはいえ安全ではありません。訓練中に失目したり、骨折したり、落馬で死ぬ生徒もいるのです。

そんなところに入れる前に事実を確認なさらないのですか?」

父「兄2人が実際に怪我をしたんです」

副「娘との縁談と騎士にするにあたり、伯爵家を調査しました。伯爵家の兵士、使用人、辞めた者も雇用中の者にも聞き取り調査を行いました。

最初は長男がご子息を虐めていましたが、次男も加わるようになりました。

“悪魔の顔だ” “デクの棒” “嫌われ者” “お前とは血の繋がりが無い” “出ていけ”。様々な言葉で日常的に攻撃していたようです。

足を引っ掛ける。押す。叩く。蹴る。

時には次男が階段の上から押すこともあったようですが、幸運にも次男の力では転落まではしませんでした。普通の体格なら落ちたのでしょう。

目撃したメイドのうちの1人は新人で、さすがに見過ごせないと、その場で注意をしたようですが、翌日、解雇されたと別のメイドが証言しました。

ベッドや引き出しや食事に虫を忍ばせることも、大事な物を隠したり捨てたり壊したりすることも度々あったと証言しています。

馬車から降りる際に、先に降りた長男がドアを閉めてご子息が指を挟んだこともあったと護衛騎士が話してくれました。

川に落とそうとしたり、外でかくれんぼと言って隠れさせて、屋敷の中に早々に戻り放っておくこともあったそうです。

冬は冷え切って、夏は体調を崩したこともあるようです。隠れるのを止めてしまうと兄2人から、罰が下されるから仕方なく夕暮れまで隠れていると言っていました。

伯爵に進言したら、子供の遊びのことまで報告するなと言われてしまったと、いつも可哀想に思っていたようです」

父「そんなまさか」

副「縁談としては問題有りで、破談としたいところです。

きっと今まで断られた縁談の中にはソレが理由の方もおられたでしょう。

普通はですね、四つも歳下の弟に暴力など振るわないものです。それまで無事だったのはご子息が体格に恵まれていたからです。ですが心は四つも歳下の子供なのですよ?伯爵」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました

黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。 古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。 一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。 追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。 愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄されるはずでしたが、王太子の目の前で皇帝に攫われました』

鷹 綾
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。 --

処理中です...