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僕と兄達
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僕はリリアナ様と再会して不思議に思った。
何故、彼女は城に会いに来なかったのか。
「リリアナの子守を頼んでいたとき、リリアナはショックで殻にこもっていると説明したのを覚えているか?」
「はい」
「人を受け付けないということは、教師も受け付けなかった。だから一方的に授業をしてもらっても、聞いている部分と聞いていない部分があって、遅れていたんだ。
君に心を開いたけど、別れが来てまた引きこもってしまった。
何とか、外に誘い出せるようになったのは1年後。2年後の12歳で見合いを始めたが、どの令息も拒否。第三王子はリリに一目惚れで猛アタックしていたけど、“顔が好みじゃないし体が小さいから嫌だ”と追い払った」
リリアナ様…不敬罪を知らなかったのかな?
「縁談は諦めかけたとき、“クリスと婚約した”と言ったんだ」
「してませんよ」
「口約束だと言っていた」
「してません」
「誤解を与える返事をしたのではないか?」
「……」
「とにかく、可能性を探る縁談でもあったが、やはり初心に戻りクリスと婚約させることにしたんだ」
「よく意味が分かりません」
「それで、このままではクリスが結婚してくれなくなるぞと脅したら勉強し出した。
遅れている分、今も頑張っているし、クリスは新人だからリリアナが会いに行けばクリスの評価が下がってしまうから、クリスが大事なら一人前になるまで駄目だと言ったんだ。
どう考えたって、抱っこしろだの、食べさせろだの言いそうだろう」
「エントランスで即言いましたね」
「新人が可愛い女の子を抱っこして歩いていたら袋叩きだよ」
「あ~」
「平日は学園に通っているしな」
「本当に僕はリリアナ様と婚姻するのですか?」
「破棄したいとか言ったら監禁するからな」
「……」
「リリアナが卒業したら婚姻だ。それまでには新人とは言われなくなるだろう」
「が、頑張ります」
「誕生日は5月1日だ。来年は贈り物かデートでもしてやってくれ」
「デートしたことないです」
「知っている」
何で知ってるんですか?
「婚約式はやらなくていいから指輪だけ欲しいらしい。買いに行けばいい」
「僕、薄給で石付きは買えません」
「知っている。選ぶだけでいい。ペアリングが欲しいそうだ。請求は侯爵家に来る」
「そんなの…」
「気にしなくていい。君は婿に入るのだから用意するのはこちらだ」
「分かりました」
そこで思い出した。
困ったら来いと言っていた人を。
翌日。
「君は私に随分と可愛い相談事を持ってきたね」
「申し訳ございません」
「怒っていないよ。意外だっただけだ。
ベンジャミン、エリザベスを呼んでくれ」
「かしこまりました」
「王太子殿下、まさか王太子妃殿下を?」
「その相談事は女性にするのが一番だ」
待つこと15分。
「お金がない場合の婚約の品?」
「はい。指輪は侯爵家が買うから選ぶだけでいいと言われました。私は下っ端の給金ですし、実家は頼りません。私の給金だけで買える物がいいのです」
「今まで贈り物は?」
「したことがありません。5年以上会っていませんでしたし」
「昔、何か喜ぶことはなかった?花とかモノとか」
「動物やフルーツの刺繍のハンカチを見て喜んでおりましたが、6年ほど前の話で…」
「……平民街には安価な物が沢山あるわ。可愛らしい小物なら喜ぶのではなくて?
小さくてもいいの。しっかしとしたものを選ぶか、可愛さで選ぶか。とにかく行って沢山お店を回ってみなさい」
「ありがとうございます」
王太子妃殿下は疲れた顔をなさった。王太子殿下は笑いを堪えていた。
何がおかしいんですか?殿下。
何故、彼女は城に会いに来なかったのか。
「リリアナの子守を頼んでいたとき、リリアナはショックで殻にこもっていると説明したのを覚えているか?」
「はい」
「人を受け付けないということは、教師も受け付けなかった。だから一方的に授業をしてもらっても、聞いている部分と聞いていない部分があって、遅れていたんだ。
君に心を開いたけど、別れが来てまた引きこもってしまった。
何とか、外に誘い出せるようになったのは1年後。2年後の12歳で見合いを始めたが、どの令息も拒否。第三王子はリリに一目惚れで猛アタックしていたけど、“顔が好みじゃないし体が小さいから嫌だ”と追い払った」
リリアナ様…不敬罪を知らなかったのかな?
「縁談は諦めかけたとき、“クリスと婚約した”と言ったんだ」
「してませんよ」
「口約束だと言っていた」
「してません」
「誤解を与える返事をしたのではないか?」
「……」
「とにかく、可能性を探る縁談でもあったが、やはり初心に戻りクリスと婚約させることにしたんだ」
「よく意味が分かりません」
「それで、このままではクリスが結婚してくれなくなるぞと脅したら勉強し出した。
遅れている分、今も頑張っているし、クリスは新人だからリリアナが会いに行けばクリスの評価が下がってしまうから、クリスが大事なら一人前になるまで駄目だと言ったんだ。
どう考えたって、抱っこしろだの、食べさせろだの言いそうだろう」
「エントランスで即言いましたね」
「新人が可愛い女の子を抱っこして歩いていたら袋叩きだよ」
「あ~」
「平日は学園に通っているしな」
「本当に僕はリリアナ様と婚姻するのですか?」
「破棄したいとか言ったら監禁するからな」
「……」
「リリアナが卒業したら婚姻だ。それまでには新人とは言われなくなるだろう」
「が、頑張ります」
「誕生日は5月1日だ。来年は贈り物かデートでもしてやってくれ」
「デートしたことないです」
「知っている」
何で知ってるんですか?
「婚約式はやらなくていいから指輪だけ欲しいらしい。買いに行けばいい」
「僕、薄給で石付きは買えません」
「知っている。選ぶだけでいい。ペアリングが欲しいそうだ。請求は侯爵家に来る」
「そんなの…」
「気にしなくていい。君は婿に入るのだから用意するのはこちらだ」
「分かりました」
そこで思い出した。
困ったら来いと言っていた人を。
翌日。
「君は私に随分と可愛い相談事を持ってきたね」
「申し訳ございません」
「怒っていないよ。意外だっただけだ。
ベンジャミン、エリザベスを呼んでくれ」
「かしこまりました」
「王太子殿下、まさか王太子妃殿下を?」
「その相談事は女性にするのが一番だ」
待つこと15分。
「お金がない場合の婚約の品?」
「はい。指輪は侯爵家が買うから選ぶだけでいいと言われました。私は下っ端の給金ですし、実家は頼りません。私の給金だけで買える物がいいのです」
「今まで贈り物は?」
「したことがありません。5年以上会っていませんでしたし」
「昔、何か喜ぶことはなかった?花とかモノとか」
「動物やフルーツの刺繍のハンカチを見て喜んでおりましたが、6年ほど前の話で…」
「……平民街には安価な物が沢山あるわ。可愛らしい小物なら喜ぶのではなくて?
小さくてもいいの。しっかしとしたものを選ぶか、可愛さで選ぶか。とにかく行って沢山お店を回ってみなさい」
「ありがとうございます」
王太子妃殿下は疲れた顔をなさった。王太子殿下は笑いを堪えていた。
何がおかしいんですか?殿下。
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