【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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王太子とクリスの同期

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【 王太子の視点 】


私は陛下父上の頷きに後押しされて話を続けた。

『アイン。彼は騎士学校へ行く。つまり5年間、辺境の寄宿学校で学ぶから何かない限り彼とリリアナ嬢は会えない。
その間にリリアナ嬢と交流と見合いをしたらどうだ?

それでも駄目なら潔く諦めろ。どうする?』

『お願いします』

『よし。なら女の子が喜びそうな情報を仕入れてこい。リリアナ嬢は心を閉ざしているから口をきこうとしない。アインが話しかけ続けるしかないからな』

『はい、兄上。父上、失礼します!』


『よくやった、エリック』

『父上、交流や見合いの席の用意は私にはできません』

『それはこちらで何とかする』



どうやら副団長と何かの取引をしたようで、アインは複数でリリアナ嬢と交流をはかり、そのうち見合いも順番にしてもらったが、リリアナ嬢の心を変えることは叶わなかった。

最終的に、顔が好みじゃないと言われ引き下がった。

アインは可愛い顔をしている。伯爵家の三男は強面だ。この趣向はどうにもできない。


私は王太子になり政略結婚の相手と婚約した。

その後、アインも成人前に別の令嬢と婚約した。



騎士学校卒業後、彼は副団長補佐に就いた。これがリリアナからチャンスをもらう代わりにのんだ条件だった。

評判は二分。肯定派と批判派。
だが肯定派には彼の同期達がいた。

1位で卒業した新人を呼び出した。

『仕事中にすまないね。クリス・サモールについて教えて欲しい。城内で評価が二分しているんだ』

『副団長の補佐に相応しいか見定めたいのですね』

『聞かせてくれ』

『クリスは最初から優秀でした。
体格が生まれ持って秀でていましたから。
ですがそれだけではなく、俊敏な剣捌きも可能ですしセンスも良かったのです。

彼の剛腕では生徒は…教師でも受けきれません。
それを知っているからクリスは手加減をします。

教えて欲しいという仲間には教えますし、学力も優秀でした。学んだことを吸収する速度が早いのです。

そして品行方正。誘われても女を買いませんし、引っ掛けにも行きません。


時には噂を聞きつけた辺境伯が体格のいい兵士を連れてきて打ち合いをさせました。
全く引けを取りませんでした。


彼はいつも11位。
おかしいのです。座学も実技も1番のはずなのに。

一度聞いてみたのですが、面接が不得意で減点がついてしまうと言っていましたが、彼は嘘が苦手だとすぐに分かりました。

態と10位以内に入らないようにしているのだと仮定しました。10位以内に何があるのか。大きなことは奨学金です。奨学金が欲しくないのだろうと。

クリスは在学中、一度も帰りませんでしたし面会もありませんでした。
家族と何かがあるのでしょう』

『なるほど』

『王太子殿下。彼を守ってください』


そこに侍従が割り込んできた。

『すみません、王太子殿下。今からサモール卿が決闘をします』




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