【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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王太子はヘンドリックとの約束を守る

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【 王太子の視点 】


そして、やっと伯爵が王都に到着し、団長、副団長、サモール卿立ち合いの元、父上の前で交流会であった出来事を説明した。

伯「あの馬鹿が…クリスに関わるなと言ったのに」

陛「伯爵。控え室に移動させたから然程話は聞かれていないが噂は立つだろう。
あのまま最後まで放っておけば伯爵家は醜聞塗れだった。

何故バンスを律しない」

伯「跡継ぎですし、クリスとは関わるなと言ったので、それで互いに距離を取ればと」

陛「バンスを跡継ぎにすることは反対だ。
誰を跡継ぎにするか決めるのは当主の権限たが、没落するぞ」

伯「いくらなんでもそこまでは」

陛「社交から弾かれ、今後、子孫達はどうなる。
恋愛をすれば相手の親が反対するだろう。
茶会でも夜会でも何にでも爪弾きに遭うか攻撃される。

情報は金をかけなければ入ってこないぞ。
取引を止める者もいるだろう。

また大きな借金を背負った貴族を探して支援するか?その力がサモール家にあると?」

伯「クリスは婚約しましたから無理です」

陛「ヘンドリックがいるだろう」

伯「ヘンドリックが?」

陛「バンスよりはマシだ。

姉妹を実家に返して、支援金を返さなくていいと言って離縁すればいい。
胎の子ごと絶縁の書類を書かせて縁を切れ。

ポーツフル伯爵家にも非がある。妹を寄越したのか監督できなかったのかは知らんが、兄弟が襲ったのではなく、令嬢に夜這いをかけられたのだからポーツフル家の有責だ。

改めてヘンドリックを指名して、バンスは除籍し追い出せ」

伯「バンスを除籍ですか」

陛「バンスも其方も元凶だろう。本当ならば全員除籍して、親戚筋に継がせるところだが、サモール卿がいるからチャンスをやろうと言っているのだ。

強制はしていないが、次に問題を起こせばこんな話し合いなど無しに兵を送り、別の者を据え置く。
その時は無一文で追放するから覚えておくがいい。

息子達を連れて領地へ帰れ。バンスには王宮主催の行事に招待状は送らない。バンスの妻にも子にもな」

伯爵は項垂れて部屋の外に出た。

バンスがあそこまでクズになったのは、父親が助長させたからなのは明白だった。



しかし、リリアナ嬢は予想を裏切ることなく成長し、サモール卿にベタ惚れだったな。

アインに靡かないはずだ。まるでタイプが違うのだから。





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