【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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僕のファーストキス

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あれから1ヶ月。父であるサモール伯爵から手紙が届いた。

バンスは除籍。領地での労働。
義姉とは離縁させ、妹とポーツフル伯爵家に戻し、
ヘンドリックを跡継ぎとして据えると書いてあった。


団長と副団長に手紙を見せてお礼を言ったら、陛下と王太子殿下にもお礼を言っておけと言われて、団長が報告ついでに僕を連れて行き機会を与えてくれた。

王太子殿下から、ベルリック卿から頼まれたと聞いて驚いた。
そこまで親しくはなかったのに。

だからベルリック卿にお礼を言いに行った。

「ベルリック卿。ありがとうございました。
お陰で絡まれることはなくなりそうです」

「ロイでいいよ。大変だったなクリス」

「強制的に入学させられた学校だったけど、そのおかげで家から離れられて、学友と楽しく過ごせて、出会いもあった。

こうしていい人達に支えてもらいながら働けるし。
もう大丈夫だよ。本当にありがとう」

「私はもうすぐ王太子殿下の専属になるらしい。仲良くしてくれ」

「こちらこそ、是非。
そういえば、元副隊長の姿を見ないけど」

「胸の怪我がある程度治って庭師見習いになったけど、腰をやっちゃって来てないよ。あのまま辞めるかもね」

「庭師は大変な仕事だな」


この日以来、時々彼とは食事をするようになった。


「ロイは婚約者と上手くいってる?」

「妻がいる」

「え?もう結婚したの!?」

「普通だろう」

「そうか」

「コンラッド嬢は学生だからまだ先だな」

「やっと縁談が本当だって気にはなったけど、女の子の…令嬢の喜ぶことが分からない」

「あの感じなら一緒にいてやることで喜ぶと思うがな」

「本当に?そう思う?」

「クリス。本当にそう思うよ」




その言葉を鵜呑みにして、休みの日に学園に迎えに行く侯爵家の馬車に乗せてもらった。

馬車乗り場で僕を見たリリアナは大喜びだった。
制服姿も可愛いな。

僕のせいで狭くなった馬車の中でリリアナは膝の上に座ってひっついている。

「リリ。僕は他の令息達のように女の子を楽しませたり出来ない。分からないんだ。察するなんて技は使えない。

だから思ったことは口に出して欲しい。何が嬉しいのか、何が嫌なのか、何をしたいか、して欲しいか。

この可愛らしい口で伝えて欲しい」

「クリス。ギュッてして」

「折れないかな…」

「折れないわ」

リリアナに両腕をまわしてゆっくり力を入れた。

「まだ平気?」

「まだまだ平気。あとキスしたい」

「は!?」

「ダメ?」

「まだ早い」

「じゃあ唇以外にするのは?」

「……」

チュッ

「リリ!?」

リリアナに唇を奪われた。






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