22 / 30
2人の娘、ルルーナ編
ルフレール国王の失脚
しおりを挟む
謁見の間に入ると、高貴そうな夫婦が立っていた。
「王女だ!間違いない!2人もいらしたなんて!」
?? ウィリアムは王子ですよ?
「ウィリアム殿下、ルルーナ、ご挨拶を」
「ルフレール王国第三王子、ウィリアムと申します。お初にお目にかかります」
よし、王子だと分かったわよね。
「デクスター公爵家 長女ルルーナと申します。ようこそお越しくださいました」
「アルシュ王国、王弟ダミアンと申します」
「妻のメイベルと申します」
!! ウィリアムの叔母にあたる人ね!
「貴方とは産まれたばかりの時に会っただけだから覚えていないでしょうけど、叔母なの。弟が、貴方と王妃様に酷い目に合わせていたようで、気が付かずにごめんなさい」
「…いえ」
「続きは応接間でゆっくり話そう」
応接間に移動すると、メイベル妃が説明を始めた。
「ルルーナ様とリリアーヌ様はアルシュ王国の王位継承権をお持ちです。
リリアーヌ様は2位、ルルーナ様は3位です。
高貴な瞳が証となります。
今回、リリアーヌ様が私を訪ねて来てくださいました。ルフレールの王族法を教えてほしいということでした。
理由を聞いて驚きました。弟が王妃様と王子を虐げていたとは。
細かく話を聞いて、私と夫は里帰りということにしてルフレールに行きました。公爵夫妻は私付きの者として潜入してもらいました。
昔懇意にしていた者達に王妃と第二妃の公務記録と、王妃と第二妃の帳簿や購入品の記録を見せてもらい、聖銀騎士団を連れて国王を拘束しました」
「「えっ!!」」
「王の元に生まれてきた子供の王位継承は王子の次は王女。弟が継承順位が上だっただけで、私の順位は弟の次だったのです。
つまり、ルフレール王は、女王は私になりました」
「女王様」
「聖銀騎士団とは、協会本部に仕える騎士団の事で、王族の不正など、交代や拘束が必要な場合に力を貸してくださるのです」
「父の罪状はなんですか」
「王族への虐待、横領、公務の虚偽。
第二妃も同罪です。
ルフレールは王族が王族を傷つけても罪に問われるのです。
横領は公務に対して王妃に支払われる給料があるの。それは私財にできるのに、それを渡さず2人で使い込んでいたのです。
また、王妃の予算も2人で使い込んでいたのです。
公務の虚偽について説明をします。
ルフレールでは王妃から側妃まで公務を行う義務があります。妾と愛人は義務はありません。
つまり、第二妃は公務をする義務がありました。しかし、まともな公務を行った形跡がなかったのです。なのにしたことにしてお金を受け取っていました。王が命じたから支払われました。
聞き取り調査をしてわかりました。第二妃の元子爵令嬢には能力が無かったのです。公務をしなかったと言うよりは、出来なかった。
何故、婚約時代に公爵令嬢と婚約を解消しなかったのかはこれでわかりました。子爵令嬢に王妃の公務ができないから王妃にせず、公爵令嬢を王妃に添えて働かせたのです。
約15年間の横領の金額は多額過ぎました。彼らの私財など大して残っていません。
弁償さえもできないのです。
大臣達も関わった者は更迭しました。横領に関わった者の財産も没収しました」
「母と僕はどうなりますか」
「公爵籍に戻ることになります。貴方は王子のままですけど」
「…公爵家に戻りたくなければ、王家所有の別荘に住めるようにします」
「…」
「母君の私財は15年分の公務の給料と慰謝料で、贅沢な暮らしはできないけど平凡な貴族の暮らし程度なら可能ですよ」
「本当ですか!」
「ええ」
「父と第二妃は…」
「2人とも処刑にしました。散々お金を使い込んで、弁償もできないのです。生かしておいたらその分費用がかかります。
何かしでかすかもしれませんからね」
「兄達は」
「まだひとり立ちできる状態ではないから、子爵家に預けることにしました」
「城には置かないのですね」
「両親が処刑された罪人だと難しいのです」
「貴方は城にいたい?」
「いえ。求められれば国を助けたいとは思いますが執着はありません」
「できれば、貴方が主人となった屋敷で母君と暮らす方がいいかもしれません。公爵家に戻れば私財を使われてしまうでしょう。
お金が無くなれば、また弱い立場に逆戻りになります。
今の公爵がどんな考えの方かわかりませんから」
「ありがとうございました。母も僕も生きて行けそうです」
「明後日、ルフレールに向けて出発します。貴方も一緒に連れて帰るつもりです」
「はい」
お別れなのね。
「ウィリアム、良かったわ」
「公爵様、公爵夫人、ルルーナ様、ありがとうございました。
アルシュに行ってくださったおかげで、父達から逃れることができました」
「また遊びにいらしてね」
「ウィリアム、友達でしょう。様付けなんてしないで」
「うん」
「また明日も遊ぼう。デレク様も一緒に。
私がこっちに来るから。朝から遊ぼう」
「……うん」
ギュウウウウ
「嬉し泣き?」
「違う」
「あんまり泣いてると涙やけするよ」
「僕はアルゴスじゃないよ」
「ふふっ」
「可愛い天使」
「えっ?」
「最初から可愛いなと思っていたよ。
中身は心優しい天使だ」
どうしたの急に煽てだして…まさか
「…うちの花瓶割った?」
「酷いな」
「ふふっ」
翌々日、ウィリアムは父と母に内緒話をして旅立っていった。まだまだ多難だと思うけど、女王様の後ろ盾があれば大丈夫ね。
「王女だ!間違いない!2人もいらしたなんて!」
?? ウィリアムは王子ですよ?
「ウィリアム殿下、ルルーナ、ご挨拶を」
「ルフレール王国第三王子、ウィリアムと申します。お初にお目にかかります」
よし、王子だと分かったわよね。
「デクスター公爵家 長女ルルーナと申します。ようこそお越しくださいました」
「アルシュ王国、王弟ダミアンと申します」
「妻のメイベルと申します」
!! ウィリアムの叔母にあたる人ね!
「貴方とは産まれたばかりの時に会っただけだから覚えていないでしょうけど、叔母なの。弟が、貴方と王妃様に酷い目に合わせていたようで、気が付かずにごめんなさい」
「…いえ」
「続きは応接間でゆっくり話そう」
応接間に移動すると、メイベル妃が説明を始めた。
「ルルーナ様とリリアーヌ様はアルシュ王国の王位継承権をお持ちです。
リリアーヌ様は2位、ルルーナ様は3位です。
高貴な瞳が証となります。
今回、リリアーヌ様が私を訪ねて来てくださいました。ルフレールの王族法を教えてほしいということでした。
理由を聞いて驚きました。弟が王妃様と王子を虐げていたとは。
細かく話を聞いて、私と夫は里帰りということにしてルフレールに行きました。公爵夫妻は私付きの者として潜入してもらいました。
昔懇意にしていた者達に王妃と第二妃の公務記録と、王妃と第二妃の帳簿や購入品の記録を見せてもらい、聖銀騎士団を連れて国王を拘束しました」
「「えっ!!」」
「王の元に生まれてきた子供の王位継承は王子の次は王女。弟が継承順位が上だっただけで、私の順位は弟の次だったのです。
つまり、ルフレール王は、女王は私になりました」
「女王様」
「聖銀騎士団とは、協会本部に仕える騎士団の事で、王族の不正など、交代や拘束が必要な場合に力を貸してくださるのです」
「父の罪状はなんですか」
「王族への虐待、横領、公務の虚偽。
第二妃も同罪です。
ルフレールは王族が王族を傷つけても罪に問われるのです。
横領は公務に対して王妃に支払われる給料があるの。それは私財にできるのに、それを渡さず2人で使い込んでいたのです。
また、王妃の予算も2人で使い込んでいたのです。
公務の虚偽について説明をします。
ルフレールでは王妃から側妃まで公務を行う義務があります。妾と愛人は義務はありません。
つまり、第二妃は公務をする義務がありました。しかし、まともな公務を行った形跡がなかったのです。なのにしたことにしてお金を受け取っていました。王が命じたから支払われました。
聞き取り調査をしてわかりました。第二妃の元子爵令嬢には能力が無かったのです。公務をしなかったと言うよりは、出来なかった。
何故、婚約時代に公爵令嬢と婚約を解消しなかったのかはこれでわかりました。子爵令嬢に王妃の公務ができないから王妃にせず、公爵令嬢を王妃に添えて働かせたのです。
約15年間の横領の金額は多額過ぎました。彼らの私財など大して残っていません。
弁償さえもできないのです。
大臣達も関わった者は更迭しました。横領に関わった者の財産も没収しました」
「母と僕はどうなりますか」
「公爵籍に戻ることになります。貴方は王子のままですけど」
「…公爵家に戻りたくなければ、王家所有の別荘に住めるようにします」
「…」
「母君の私財は15年分の公務の給料と慰謝料で、贅沢な暮らしはできないけど平凡な貴族の暮らし程度なら可能ですよ」
「本当ですか!」
「ええ」
「父と第二妃は…」
「2人とも処刑にしました。散々お金を使い込んで、弁償もできないのです。生かしておいたらその分費用がかかります。
何かしでかすかもしれませんからね」
「兄達は」
「まだひとり立ちできる状態ではないから、子爵家に預けることにしました」
「城には置かないのですね」
「両親が処刑された罪人だと難しいのです」
「貴方は城にいたい?」
「いえ。求められれば国を助けたいとは思いますが執着はありません」
「できれば、貴方が主人となった屋敷で母君と暮らす方がいいかもしれません。公爵家に戻れば私財を使われてしまうでしょう。
お金が無くなれば、また弱い立場に逆戻りになります。
今の公爵がどんな考えの方かわかりませんから」
「ありがとうございました。母も僕も生きて行けそうです」
「明後日、ルフレールに向けて出発します。貴方も一緒に連れて帰るつもりです」
「はい」
お別れなのね。
「ウィリアム、良かったわ」
「公爵様、公爵夫人、ルルーナ様、ありがとうございました。
アルシュに行ってくださったおかげで、父達から逃れることができました」
「また遊びにいらしてね」
「ウィリアム、友達でしょう。様付けなんてしないで」
「うん」
「また明日も遊ぼう。デレク様も一緒に。
私がこっちに来るから。朝から遊ぼう」
「……うん」
ギュウウウウ
「嬉し泣き?」
「違う」
「あんまり泣いてると涙やけするよ」
「僕はアルゴスじゃないよ」
「ふふっ」
「可愛い天使」
「えっ?」
「最初から可愛いなと思っていたよ。
中身は心優しい天使だ」
どうしたの急に煽てだして…まさか
「…うちの花瓶割った?」
「酷いな」
「ふふっ」
翌々日、ウィリアムは父と母に内緒話をして旅立っていった。まだまだ多難だと思うけど、女王様の後ろ盾があれば大丈夫ね。
705
あなたにおすすめの小説
【完結】六歳下の幼馴染に溺れた夫。白い結婚を理由に離縁を申し立てたら、義弟(溺愛)に全力で求婚されました
恋せよ恋
恋愛
夫が愛でるのは、守ってあげたくなるような「可憐な少女」。
夫が疎むのは、正論で自分を追い詰める「完璧な妻」。
「シンシア、君はしっかりしているから、大丈夫だろう?」
六歳年下の幼馴染ジェニファー子爵令嬢を気遣う貴方。
私たちは、新婚初夜さえ済ませていないのよ?
完璧な家政、完璧な社交。私が支えてきたこの家から、
ニコラス、貴方って私がいなくなったらどうなるか……。
考えたこともないのかしら?
義弟シモンは、学生時代の先輩でもあるシンシアを慕い
兄ニコラスの態度と、幼馴染ジェニファーを嫌悪する。
泣いて縋るあざとい少女と、救世主気取りの愚かな夫。
そして、義姉であるシンシアを慕うシモン。
これは、誇り高き伯爵夫人、シンシアの物語である。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです
鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。
理由は――
「王太子妃には華が必要だから」。
新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。
誰もが思った。
傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。
けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。
「戻りません」
彼女は怒らない。
争わない。
復讐もしない。
ただ――王家を支えるのをやめただけ。
流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。
さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。
強いざまあとは、叫ぶことではない。
自らの選択で、自らの立場を削らせること。
そして彼女は最後まで戻らない。
支えない。
奪わない。
――選ばれなかったのではない。
彼女が、選ばなかったのだ。
これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました
鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」
そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。
王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。
私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。
けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。
華やかな王宮。
厳しい王妃許育。
揺らぐ王家の威信。
そして――王子の重大な過ち。
王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。
離縁を望んでも叶わない義妹。
肩書きを失ってなお歩き直す王子。
そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。
ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。
婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。
妹の方が好きらしい旦那様の前からは、家出してあげることにしました
睡蓮
恋愛
クレアとの婚約関係を結んでいたリビドー男爵は、あるきっかけからクレアの妹であるレイアの方に気持ちを切り替えてしまう。その過程で、男爵は「クレアがいなくなってくれればいいのに」とつぶやいてしまう。その言葉はクレア本人の耳に入っており、彼女はその言葉のままに家出をしてしまう。これで自分の思い通りになると喜んでいた男爵だったのだが…。
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる