【完結】私が見つめていたのは貴方ではありません

ユユ

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2人の娘、ルルーナ編

ルフレール国王の失脚

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謁見の間に入ると、高貴そうな夫婦が立っていた。

「王女だ!間違いない!2人もいらしたなんて!」

?? ウィリアムは王子ですよ?

「ウィリアム殿下、ルルーナ、ご挨拶を」

「ルフレール王国第三王子、ウィリアムと申します。お初にお目にかかります」

よし、王子だと分かったわよね。

「デクスター公爵家 長女ルルーナと申します。ようこそお越しくださいました」


「アルシュ王国、王弟ダミアンと申します」

「妻のメイベルと申します」

!! ウィリアムの叔母にあたる人ね!

「貴方とは産まれたばかりの時に会っただけだから覚えていないでしょうけど、叔母なの。弟が、貴方と王妃様に酷い目に合わせていたようで、気が付かずにごめんなさい」

「…いえ」


「続きは応接間でゆっくり話そう」




応接間に移動すると、メイベル妃が説明を始めた。

「ルルーナ様とリリアーヌ様はアルシュ王国の王位継承権をお持ちです。
リリアーヌ様は2位、ルルーナ様は3位です。
高貴な瞳が証となります。

今回、リリアーヌ様が私を訪ねて来てくださいました。ルフレールの王族法を教えてほしいということでした。

理由を聞いて驚きました。弟が王妃様と王子を虐げていたとは。
細かく話を聞いて、私と夫は里帰りということにしてルフレールに行きました。公爵夫妻は私付きの者として潜入してもらいました。

昔懇意にしていた者達に王妃と第二妃の公務記録と、王妃と第二妃の帳簿や購入品の記録を見せてもらい、聖銀騎士団を連れて国王おとうとを拘束しました」

「「えっ!!」」

「王の元に生まれてきた子供の王位継承は王子の次は王女。弟が継承順位が上だっただけで、私の順位は弟の次だったのです。

つまり、ルフレール王は、女王は私になりました」

「女王様」

「聖銀騎士団とは、協会本部に仕える騎士団の事で、王族の不正など、交代や拘束が必要な場合に力を貸してくださるのです」

「父の罪状はなんですか」

「王族への虐待、横領、公務の虚偽。
第二妃も同罪です。
ルフレールは王族が王族を傷つけても罪に問われるのです。

横領は公務に対して王妃に支払われる給料があるの。それは私財にできるのに、それを渡さず2人で使い込んでいたのです。

また、王妃の予算も2人で使い込んでいたのです。

公務の虚偽について説明をします。
ルフレールでは王妃から側妃まで公務を行う義務があります。妾と愛人は義務はありません。

つまり、第二妃は公務をする義務がありました。しかし、まともな公務を行った形跡がなかったのです。なのにしたことにしてお金を受け取っていました。王が命じたから支払われました。

聞き取り調査をしてわかりました。第二妃の元子爵令嬢には能力が無かったのです。公務をしなかったと言うよりは、出来なかった。

何故、婚約時代に公爵令嬢と婚約を解消しなかったのかはこれでわかりました。子爵令嬢に王妃の公務ができないから王妃にせず、公爵令嬢を王妃に添えて働かせたのです。

約15年間の横領の金額は多額過ぎました。彼らの私財など大して残っていません。
弁償さえもできないのです。

大臣達も関わった者は更迭しました。横領に関わった者の財産も没収しました」

「母と僕はどうなりますか」

「公爵籍に戻ることになります。貴方は王子のままですけど」

「…公爵家に戻りたくなければ、王家所有の別荘に住めるようにします」

「…」

「母君の私財は15年分の公務の給料と慰謝料で、贅沢な暮らしはできないけど平凡な貴族の暮らし程度なら可能ですよ」

「本当ですか!」

「ええ」

「父と第二妃は…」

「2人とも処刑にしました。散々お金を使い込んで、弁償もできないのです。生かしておいたらその分費用がかかります。
何かしでかすかもしれませんからね」

「兄達は」

「まだひとり立ちできる状態ではないから、子爵家に預けることにしました」

「城には置かないのですね」

「両親が処刑された罪人だと難しいのです」

「貴方は城にいたい?」

「いえ。求められれば国を助けたいとは思いますが執着はありません」

「できれば、貴方が主人となった屋敷で母君と暮らす方がいいかもしれません。公爵家に戻れば私財を使われてしまうでしょう。

お金が無くなれば、また弱い立場に逆戻りになります。
今の公爵がどんな考えの方かわかりませんから」

「ありがとうございました。母も僕も生きて行けそうです」

「明後日、ルフレールに向けて出発します。貴方も一緒に連れて帰るつもりです」

「はい」

お別れなのね。

「ウィリアム、良かったわ」

「公爵様、公爵夫人、ルルーナ様、ありがとうございました。
アルシュに行ってくださったおかげで、父達から逃れることができました」

「また遊びにいらしてね」

「ウィリアム、友達でしょう。様付けなんてしないで」

「うん」

「また明日も遊ぼう。デレク様も一緒に。
私がこっちに来るから。朝から遊ぼう」

「……うん」

ギュウウウウ

「嬉し泣き?」

「違う」

「あんまり泣いてると涙やけするよ」

「僕はアルゴスじゃないよ」

「ふふっ」

「可愛い天使」

「えっ?」

「最初から可愛いなと思っていたよ。
中身は心優しい天使だ」

どうしたの急に煽てだして…まさか


「…うちの花瓶割った?」

「酷いな」

「ふふっ」






翌々日、ウィリアムは父と母に内緒話をして旅立っていった。まだまだ多難だと思うけど、女王様の後ろ盾があれば大丈夫ね。


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