【完結】私が見つめていたのは貴方ではありません

ユユ

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2人の娘、ルルーナ編

結末

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殺人未遂の調査結果が確定した。

主犯はトリス公爵令嬢だった。

証言をした令嬢は何も見ていなかった。
彼女はトリス公爵令嬢から高価な宝石をもらい、換金していた。

学園は退学になり、ギュゼール侯爵家からは訴えられた。


もうひとり、偽証していた者がいた。
現場を目撃していたにも関わらず、見ていないと証言していた。
別棟で授業があったにも関わらず、なかなか現れなかったことから尋問し、口を割った。

生徒なら注意で済ませたが、教師だった。
犯人不明ならまだしも、侯爵令息が拘束されても証言を訂正せず、冤罪を放置した。
学園側は重く見て、懲戒解雇にした。

教師は犯人が公爵令嬢だったことから関わりたくなかっただけだった。


トリス公爵令嬢は最後まで認めなかったが、偽証の依頼と目撃者がいた上に、被害者の目撃証言で有罪となった。

ルルーナはただの公爵令嬢ではない。
アルシュ王国の継承権第3位の令嬢だ。

王族の血縁だからといって必ず受け継がれるわけではない貴重な瞳の持ち主を殺害しようとした罪は大きい。

早々に処刑を言い渡された。



トリス公爵令嬢は、唯一執着しているルルーナが居なくなればチャンスはあると思っていた。

両親から毎日煽りを受けていた。
挨拶はしたか、話はできたか、触れることができたか。
パーティでは必ず踊ってこいと念をおされた。

幼い頃から縁談の打診を毎年出し続けては断られていた。
挨拶さえほとんど出来ず、ダンスなど断られていた。具合の悪い振りをしても無視された。
手紙を出して呼び出そうとしても、代わりに現れたのは校長だった。

長女はチャンスを待ち過ぎて失敗した。
チャンスを自ら作らないとと思い立ったトリス公爵令嬢は笛のしまい場所を変えて、ルルーナが探す為に移動が遅れるようにした。

別棟の階段は外階段の方が近い。三階で待ち伏せをして、突き落とした。
下を覗き込み身動きしないルルーナを見て心が踊った。

しかし人が集まって来るとルルーナの息があると言う。
生き残るかもしれない。だけど顔が血だらけだった為、顔に大きな傷を負ったと思った。

醜くなった令嬢にもう興味を示さないだろうと彼女はほっとした。
しかし、慌てて駆けつけたエリアス殿下は血塗れのルルーナを抱き上げると馬車乗り場の方へ走っていった。

あとを付けて行くと王宮の馬車に乗せ、自身も乗り込んだ。

同じクラスの貧乏令嬢に家宝並みのブローチを渡し偽証を頼んだ。

しかし、すぐに拘束され、王宮牢に入れられた。

証拠はなくブローチをあげた令嬢は見ていない。そう思っていたのに目撃者がいた。

否定し続けていたが無駄だった。

トリス公爵令嬢は、面会に来たエリアス殿下に泣いて冤罪だと主張した。

酷く疲れた顔をしたエリアス殿下は令嬢に告げた。

「毎年断られてるのに嫌われていると何故気が付かなかった。

私は子供の頃からルルーナ一筋だ。彼女以外娶るつもりはない」

「私は関わっておりませんわ!私はただ、殿下をお慕いしているだけです!

…お気の毒だとは思いますが、でも、もうあの傷では」

「頭部の傷だったから出血が多かったが、洗い流せば顔への傷は僅かなものだ。

例え大きな傷だったとしても、かまわない。
私のルルーナへの愛は変わらない。
確かに誰よりも美しい女だが、美しいから愛したわけではない。

お前は処刑は確定だ。私の手で葬ってやる。来世も無くなるようにしっかりととどめを刺してやる」




そうは言っても温和な王子だ。土壇場で泣いて縋るか弱い令嬢に温情を施すだろう。
そう思って、処刑台の上で泣いて殿下の足に縋りついた。

だがエリアス殿下は彼女の頭を勢いよく踏み付けた。
本来の処刑人が押さえ付けると殿下は髪を掴み切り落とした。

「私の愛する者に手を出せばどうなるかよくみておけ!!」

そう言って、エリアス殿下は鼻が折れて痛みに苦しむ令嬢の首を切り落とした。
胴体から離れた頭を掴み高く掲げると、観衆に見せた。

首を投げ捨て、胴体も処刑台から蹴り落とすと、地に降り心臓をめがけて剣を突き刺した。

足で胴を踏み、剣を引き抜いた後、油をかけて燃やした。

例え令嬢でも首を切り落としてもなお、執拗にとどめを刺す姿から殿下の怒りの大きさが伝わった。

温和だと思われていたエリアス殿下の別の一面を皆の記憶に植え付けた。

これには国王夫妻も兄王子も驚いた。

国王は己の弟がリリアーヌを酷い目に合わせた事もあり、あの茶会の前にエリアスに強く忠告をしていた。

「デクスター公爵家の令嬢が参加するが、彼女を好きになったとしても、ルルーナ嬢がエリアスを好きにならなければ絶対に婚約などさせることはない。
決して強要してはならない」


誕生日パーティのドレスも宝石もエリアスの瞳の色とルルーナの瞳の色を使っていた。
白地のドレスはまるで婚約発表のようだった。

そして処刑の場でルルーナへの愛を認めた。

ルルーナがエリアスを好きにならなければどうなるのか…。
目眩を覚える陛下の手に王妃が手を添えた。

兄王子も弟の容赦の無さに驚いていた。
もしこの弟が王位を望んだら…。
不安を抱えたままその場を後にした。


エリアス殿下は黒焦げになるまで、何度も油を足した。
満足すると剣を騎士に渡し、湯浴みをするとルルーナの元に戻った。




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