48 / 173
キャサリン・コーネル(特級罪人・R18)
しおりを挟む
その後、何日も放置されてどのくらい経ったのかわからなかったが引き摺り出されて連れてこられたのは断罪の間という場所だった。
牢獄のように作った場所のようで寒々とした空気が漂っていた。
近衛騎士の服を着た数人の中にバトラーズ様もいて、お父様と弟がいた。
国王陛下が入室され王座に座ると合図を出された。
二人の男に引き摺られてきたのは顔が溶けた女だった。
『お前がやろうとしていた事はこういう事だ。よく見るがいい。お前の専属侍女だ。
今は痛みを麻痺させているから大人しいが、あれからずっと殺してくださいと喚いてる』
まさか、そんな!
『侯爵、決断はできたか』
『はい陛下。全財産を慰謝料として支払わせてください』
『子息は納得か?』
『当分貧しい暮らしになりますが私と父でまた国と領民のためになれるよう頑張ります。
ただ、支払いだけは先にさせてください。
侯爵家が未払いを起こす事で平民達を路頭に迷わせるわけには参りません。
調度品や宝石も売り払い、今のタウンハウスも売って小さな屋敷に移ります。
使用人達の給料もどうかご慈悲をお願いいたします』
『正しく行使できるよう人を送る。従え。
其方の言葉が本物なら、いつか再起も可能だろう』
『感謝いたします』
財産が全て無くなる!?私の宝石は!?
パチン
国王陛下が指を鳴らすと鉄の箱と瓶が運ばれた。
『キャサリン、お前は除籍済みで平民だ。
死刑が妥当だが、簡単に殺しては気が収まらぬ。娘は、ステファニーは寝込んでしまった。
特級罪人に認定し流刑に処す』
『特級罪人?』
『王族や国家に害を及ぼした罪人のことだ。
流刑はお前の場合は王都から領地とは逆方向にきっちり3日馬車を走らせ、流す。
1日分の食糧と水だけは持たせてやる。自力で生きていけ。
これから顔に特級罪人の証を刻む。
これでお前のことを手助けする者はほぼいなくなる。
殺す者もいなくなる。
声を出せなくするから嘘も言えない。“無実です”などとな』
騎士達が私を押さえ付けた。
鉄の箱の中身はオレンジ色に光る炭だった。
厚い手袋をはめ、騎士が火鉢に差し込まれていた棒を取った。先には丸い鉄板が付いていて文字が刻まれていた。
『アール。頬だ。押し付け過ぎると文字でなくなる』
よく見たらあの時、天井から落ちてきて私を捕らえた男だった。
『俺の腕にも痕が残ったよ』
『ひっ!!』
暴れもがき、石畳に押さえつけられ熱せられた鉄が頬に触れた。
『ギャアアアアア!!』
男は裾を捲り臀部にも押し付けた。
『ギャアアアアア!!痛い!!』
『確かに、押し付け過ぎると文字は無くなりますね』
そう言って去っていった。
身体を起こされて上を向かされ、目の前に立ったのはバトラーズ様だった。
『助けて』
そう言った瞬間に液体を流し込まれた。
『グハッ』
喉が焼けるように痛い!!
そのまま牢に戻されて治療を受けた。
流刑執行の日が来た。罪人用の馬車で過ごすこと3日。排泄と執行人の仮眠以外ずっと移動し続けた。
罪人用の馬車はクッションなどない。木の座席で痛いから休みたいと言っても許されず、代わりに帰ってきた言葉は“歩くか?”だった。
ニヤニヤと笑う執行人に頷くと、手と腰を紐で縛られて馬車に繋がれた。
10分ほど歩くと
『やっぱり馬車に』
『駄目だ。次の休憩まで止まらない。歩けなくなったら馬車に引き摺られるだけだぞ』
『そんな!』
『だいたい、なんでコイツ喋れるんだ?』
『かすれているだろう。喉焼きの刑で運良く助かったんだな。10年以上前にもいたよ』
私は布袋に穴をあけて手や頭を出しているような服に、足に合わない硬い靴だった。
足はすぐに悲鳴を上げた。
『もう歩かないわ!』
そう言って立ち止まったら本当に引き摺られた。
『お願いします!歩きますから靴を脱がせてください!』
叫ぶと馬車は止まった。靴を鉄格子窓から馬車に入れ、休憩まで裸足で歩いた。
やっと休憩のようだ。男が近寄って紐を解いた。
『本当は休憩じゃない。引き摺って死なれると刑にならないからな』
『懲りたら大人しく馬車にいろ。まだ1日も経ってないのにこれじゃ王都から離れられない。言うことを聞かせるために縛って馬車の中に転がしてもいいし、川に頭を沈めて拷問をしてもいいんだぞ』
『分かりました』
馬車のスピードが上がった。揺れが激しいが我慢するしかない。
やっと3日経ち、解放された。
『パンと干し肉と水だ。ここは他より治安が良さそうだがお前に対してはどうか分からないし男にとったら無料の体でしかない。気をつけるんだな』
袋を渡して引き返していった。
どこかの町外れのようだ。
これまでのことを振り返ると涙が出てきた。
木陰で横になっていると声をかけられた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
子供だった。
「助けて」
「お母さん!お姉ちゃんが困ってる!」
子供に呼ばれて近寄った母親は私の顔を見て引き攣った。
「メリー!近寄っては駄目!」
「どうして?」
「あの頬の証は極悪人の印なの。関わればお父さんもお母さんもメリーもダンも死んでしまうのよ!」
そう言って子供の手を引いて去って行った。
何もする気が起きない。
夜になると寒くなった。少しでも暖かい場所はないかと歩いてたどり着いた崖下にできた穴に近寄ると先客がいた。
「ここは俺の場所だ」
「夜だけでも」
火に近寄ると男がじっと見つめてきた。
「その若さで極悪人か」
「助けたと思わないで、お願いです」
「助けなきゃいいからな」
「ありがとう」
暖がとれて疲れていたので急激に眠気が襲った。
「痛い……」
「湿りが足りないか」
ペッ
「痛い!痛い!何!?」
秘部に裂けるような痛みを感じて目を開けると男が覆い被さっていた。
首を掴まれ圧迫された。
「大人しくしていればすぐに済む」
「どうして」
「助けていない。交換だ。
暖と場所、お前からは穴だ」
「グゥッ」
「やっと全部入った。生娘だったんだな。
慣れれば今までに感じたこともない快楽を拾えるようになる」
痛みに耐えていると男はすぐに果てた。
だがまた動き出した。
二度目の吐精を終えると男は離れて横になった。
「出て右に15分程歩くと川がある。指を入れて膣を洗ってこい。月明かりで見えるだろう」
一歩も歩きたくなかったけど、秘部がヌルヌルして気持ち悪かったので川に行った。
丁寧に濯いで綺麗にした。
翌朝、男が起きる前に歩き始めた。
2日ほど歩いたところで馬車が通りかかった。
男が降りてきて私を見つめた。
「仮面を付けるか」
歩き出そうとすると止められた。
「うちで働くか。だが仮面を絶対外さないでくれ」
「私は何をしたらいいのでしょう」
「夜に私の相手をしてくれたらいい」
「お願いします」
もう私は処女ではない。あんな洞穴であんな男に抱かれるくらいなら彼の方が何万倍もマシだ。
小さな屋敷に連れてこられて、奥の部屋に入れられた。久しぶりの湯浴みとベッド、まともな食事に涙が出た。
仮面を渡されてつける。服というよりは衣装と思った方がいいだろう。キャミソールに絹のガウンで過ごすことになった。
夜になるとガウン姿の男が現れた。
「歳をとると勃ちが悪くてね。頼むよ」
ガウンを脱ぎ全裸で私の前に立った。
「あの、」
「知らないのか。
跪いて口を開けて、陰茎を咥えるんだ。
舐めたり吸ったり口全体で扱きあげる。
歯は絶対に当てるな」
コレを口に!?
「女は皆やることだ。出来ないなら拾った場所に捨てに行く」
仕方なく口に咥え言われるがまま従った。
顎が疲れてくると陰茎が口から離れた。
そして数日前と同じように男が私を抱いた。
だけど最初の男のようには痛くなかった。
段々と気持ち良くなり、強烈な快感を得られた。
男は何かをたっぷり秘部に付けて指で解してから挿入したからだ。
口に咥えるのは嫌だけど、これならやっていけると安堵した。
次の日はゆっくり昼に起きて昼食を取った。本を読み夕食を済ませて待っていたが男は現れなかった。
翌朝、誰も来ないので部屋から出て一階へ降りると静まり返っていた。一部屋一部屋覗いていくが誰もいない。
居間らしき大きな扉を開けた瞬間、血の匂いが鼻を襲った。
私を拾った男と使用人らしき六人か殺されていた。
壁には“特級罪人を助けた者達”と血で書かれていた。
見張られている………
いくつか部屋を物色し着替えた。
背負い鞄には着替え、タオル、ナイフ、石鹸、蝋燭、薬、食べ物、金などを詰め込み、毛布を一枚丸めて紐縛り肩からかけた。
フードと髪で焼き印は隠れ、時々安宿に泊まったりした。
また何処かでお金を手に入れなければ。
夜に体を売ってお金を稼いだ。
また囲われることがあったが、体を差し出した翌朝、また殺されていた。
急いで食べ物や服はやお金を鞄に詰めた。
その内、具合が悪くなった。
吐き気や眩暈がする。動ける時間が僅かだった日もあった。
次第に太ってきた。
数ヶ月後に現実を受け入れた。
妊娠して腹が膨れていたのだ。
もし産んだとして、産後の身体で今の生活に戻れない。
途方に暮れていると教会に辿り着いた。
これまでのことを話すと子は孤児院に引き取ってくれるという。
建物には入れられないが納屋を勝手に使ってもいいから出ていける時に出て行って欲しいと言われた。
5日目の夜、激しい腹痛に襲われて意識を失った。
起きたら診療所だった。
「死産だったよ。1週間立ったら去ってくれ」
「………はい」
診療所を出て歩き出したが腹痛と吐き気と眩暈が付き纏う。
もうお金も無く食糧も僅か。
稼ぐしかなかった。
日暮に通りかかった少し裕福そうな馬に乗った平民に声をかけると少しのお金と食糧を差し出された。
どうやら支払いの帰りで手持ちがあまり無いらしい。
それでも了承するしかなかった。
茂みに案内して土の上に毛布を敷いて体を売った。
痛い!痛い!
どうしてこんなに痛むの!
出産前はあれだけ気持ち良かったのに。
破瓜の時より痛い!
「ふう~」
男が満足した頃には日が暮れていた。
月が少し出ていて完全な闇ではない。
「この先を一時間も歩けば小さな町だ。その金で食べ物を買い足すといい」
そう言って去っていった。
痛い! 終わったのにまだ痛い。
拭いても秘部から蜜が溢れる。
川を探して洗いたい。町に行きたい。
だけど痛くて、怠くて動きたくない。
いつの間にか意識を失った。
「アール、どうだ」
「死んでいます」
「死産後に体を売るには早かったようだな」
女の下半身を中心に大きな血溜まりが出来ていた。
「エス、どうしますか」
「放置しておけばいい。報告に戻ろう」
牢獄のように作った場所のようで寒々とした空気が漂っていた。
近衛騎士の服を着た数人の中にバトラーズ様もいて、お父様と弟がいた。
国王陛下が入室され王座に座ると合図を出された。
二人の男に引き摺られてきたのは顔が溶けた女だった。
『お前がやろうとしていた事はこういう事だ。よく見るがいい。お前の専属侍女だ。
今は痛みを麻痺させているから大人しいが、あれからずっと殺してくださいと喚いてる』
まさか、そんな!
『侯爵、決断はできたか』
『はい陛下。全財産を慰謝料として支払わせてください』
『子息は納得か?』
『当分貧しい暮らしになりますが私と父でまた国と領民のためになれるよう頑張ります。
ただ、支払いだけは先にさせてください。
侯爵家が未払いを起こす事で平民達を路頭に迷わせるわけには参りません。
調度品や宝石も売り払い、今のタウンハウスも売って小さな屋敷に移ります。
使用人達の給料もどうかご慈悲をお願いいたします』
『正しく行使できるよう人を送る。従え。
其方の言葉が本物なら、いつか再起も可能だろう』
『感謝いたします』
財産が全て無くなる!?私の宝石は!?
パチン
国王陛下が指を鳴らすと鉄の箱と瓶が運ばれた。
『キャサリン、お前は除籍済みで平民だ。
死刑が妥当だが、簡単に殺しては気が収まらぬ。娘は、ステファニーは寝込んでしまった。
特級罪人に認定し流刑に処す』
『特級罪人?』
『王族や国家に害を及ぼした罪人のことだ。
流刑はお前の場合は王都から領地とは逆方向にきっちり3日馬車を走らせ、流す。
1日分の食糧と水だけは持たせてやる。自力で生きていけ。
これから顔に特級罪人の証を刻む。
これでお前のことを手助けする者はほぼいなくなる。
殺す者もいなくなる。
声を出せなくするから嘘も言えない。“無実です”などとな』
騎士達が私を押さえ付けた。
鉄の箱の中身はオレンジ色に光る炭だった。
厚い手袋をはめ、騎士が火鉢に差し込まれていた棒を取った。先には丸い鉄板が付いていて文字が刻まれていた。
『アール。頬だ。押し付け過ぎると文字でなくなる』
よく見たらあの時、天井から落ちてきて私を捕らえた男だった。
『俺の腕にも痕が残ったよ』
『ひっ!!』
暴れもがき、石畳に押さえつけられ熱せられた鉄が頬に触れた。
『ギャアアアアア!!』
男は裾を捲り臀部にも押し付けた。
『ギャアアアアア!!痛い!!』
『確かに、押し付け過ぎると文字は無くなりますね』
そう言って去っていった。
身体を起こされて上を向かされ、目の前に立ったのはバトラーズ様だった。
『助けて』
そう言った瞬間に液体を流し込まれた。
『グハッ』
喉が焼けるように痛い!!
そのまま牢に戻されて治療を受けた。
流刑執行の日が来た。罪人用の馬車で過ごすこと3日。排泄と執行人の仮眠以外ずっと移動し続けた。
罪人用の馬車はクッションなどない。木の座席で痛いから休みたいと言っても許されず、代わりに帰ってきた言葉は“歩くか?”だった。
ニヤニヤと笑う執行人に頷くと、手と腰を紐で縛られて馬車に繋がれた。
10分ほど歩くと
『やっぱり馬車に』
『駄目だ。次の休憩まで止まらない。歩けなくなったら馬車に引き摺られるだけだぞ』
『そんな!』
『だいたい、なんでコイツ喋れるんだ?』
『かすれているだろう。喉焼きの刑で運良く助かったんだな。10年以上前にもいたよ』
私は布袋に穴をあけて手や頭を出しているような服に、足に合わない硬い靴だった。
足はすぐに悲鳴を上げた。
『もう歩かないわ!』
そう言って立ち止まったら本当に引き摺られた。
『お願いします!歩きますから靴を脱がせてください!』
叫ぶと馬車は止まった。靴を鉄格子窓から馬車に入れ、休憩まで裸足で歩いた。
やっと休憩のようだ。男が近寄って紐を解いた。
『本当は休憩じゃない。引き摺って死なれると刑にならないからな』
『懲りたら大人しく馬車にいろ。まだ1日も経ってないのにこれじゃ王都から離れられない。言うことを聞かせるために縛って馬車の中に転がしてもいいし、川に頭を沈めて拷問をしてもいいんだぞ』
『分かりました』
馬車のスピードが上がった。揺れが激しいが我慢するしかない。
やっと3日経ち、解放された。
『パンと干し肉と水だ。ここは他より治安が良さそうだがお前に対してはどうか分からないし男にとったら無料の体でしかない。気をつけるんだな』
袋を渡して引き返していった。
どこかの町外れのようだ。
これまでのことを振り返ると涙が出てきた。
木陰で横になっていると声をかけられた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
子供だった。
「助けて」
「お母さん!お姉ちゃんが困ってる!」
子供に呼ばれて近寄った母親は私の顔を見て引き攣った。
「メリー!近寄っては駄目!」
「どうして?」
「あの頬の証は極悪人の印なの。関わればお父さんもお母さんもメリーもダンも死んでしまうのよ!」
そう言って子供の手を引いて去って行った。
何もする気が起きない。
夜になると寒くなった。少しでも暖かい場所はないかと歩いてたどり着いた崖下にできた穴に近寄ると先客がいた。
「ここは俺の場所だ」
「夜だけでも」
火に近寄ると男がじっと見つめてきた。
「その若さで極悪人か」
「助けたと思わないで、お願いです」
「助けなきゃいいからな」
「ありがとう」
暖がとれて疲れていたので急激に眠気が襲った。
「痛い……」
「湿りが足りないか」
ペッ
「痛い!痛い!何!?」
秘部に裂けるような痛みを感じて目を開けると男が覆い被さっていた。
首を掴まれ圧迫された。
「大人しくしていればすぐに済む」
「どうして」
「助けていない。交換だ。
暖と場所、お前からは穴だ」
「グゥッ」
「やっと全部入った。生娘だったんだな。
慣れれば今までに感じたこともない快楽を拾えるようになる」
痛みに耐えていると男はすぐに果てた。
だがまた動き出した。
二度目の吐精を終えると男は離れて横になった。
「出て右に15分程歩くと川がある。指を入れて膣を洗ってこい。月明かりで見えるだろう」
一歩も歩きたくなかったけど、秘部がヌルヌルして気持ち悪かったので川に行った。
丁寧に濯いで綺麗にした。
翌朝、男が起きる前に歩き始めた。
2日ほど歩いたところで馬車が通りかかった。
男が降りてきて私を見つめた。
「仮面を付けるか」
歩き出そうとすると止められた。
「うちで働くか。だが仮面を絶対外さないでくれ」
「私は何をしたらいいのでしょう」
「夜に私の相手をしてくれたらいい」
「お願いします」
もう私は処女ではない。あんな洞穴であんな男に抱かれるくらいなら彼の方が何万倍もマシだ。
小さな屋敷に連れてこられて、奥の部屋に入れられた。久しぶりの湯浴みとベッド、まともな食事に涙が出た。
仮面を渡されてつける。服というよりは衣装と思った方がいいだろう。キャミソールに絹のガウンで過ごすことになった。
夜になるとガウン姿の男が現れた。
「歳をとると勃ちが悪くてね。頼むよ」
ガウンを脱ぎ全裸で私の前に立った。
「あの、」
「知らないのか。
跪いて口を開けて、陰茎を咥えるんだ。
舐めたり吸ったり口全体で扱きあげる。
歯は絶対に当てるな」
コレを口に!?
「女は皆やることだ。出来ないなら拾った場所に捨てに行く」
仕方なく口に咥え言われるがまま従った。
顎が疲れてくると陰茎が口から離れた。
そして数日前と同じように男が私を抱いた。
だけど最初の男のようには痛くなかった。
段々と気持ち良くなり、強烈な快感を得られた。
男は何かをたっぷり秘部に付けて指で解してから挿入したからだ。
口に咥えるのは嫌だけど、これならやっていけると安堵した。
次の日はゆっくり昼に起きて昼食を取った。本を読み夕食を済ませて待っていたが男は現れなかった。
翌朝、誰も来ないので部屋から出て一階へ降りると静まり返っていた。一部屋一部屋覗いていくが誰もいない。
居間らしき大きな扉を開けた瞬間、血の匂いが鼻を襲った。
私を拾った男と使用人らしき六人か殺されていた。
壁には“特級罪人を助けた者達”と血で書かれていた。
見張られている………
いくつか部屋を物色し着替えた。
背負い鞄には着替え、タオル、ナイフ、石鹸、蝋燭、薬、食べ物、金などを詰め込み、毛布を一枚丸めて紐縛り肩からかけた。
フードと髪で焼き印は隠れ、時々安宿に泊まったりした。
また何処かでお金を手に入れなければ。
夜に体を売ってお金を稼いだ。
また囲われることがあったが、体を差し出した翌朝、また殺されていた。
急いで食べ物や服はやお金を鞄に詰めた。
その内、具合が悪くなった。
吐き気や眩暈がする。動ける時間が僅かだった日もあった。
次第に太ってきた。
数ヶ月後に現実を受け入れた。
妊娠して腹が膨れていたのだ。
もし産んだとして、産後の身体で今の生活に戻れない。
途方に暮れていると教会に辿り着いた。
これまでのことを話すと子は孤児院に引き取ってくれるという。
建物には入れられないが納屋を勝手に使ってもいいから出ていける時に出て行って欲しいと言われた。
5日目の夜、激しい腹痛に襲われて意識を失った。
起きたら診療所だった。
「死産だったよ。1週間立ったら去ってくれ」
「………はい」
診療所を出て歩き出したが腹痛と吐き気と眩暈が付き纏う。
もうお金も無く食糧も僅か。
稼ぐしかなかった。
日暮に通りかかった少し裕福そうな馬に乗った平民に声をかけると少しのお金と食糧を差し出された。
どうやら支払いの帰りで手持ちがあまり無いらしい。
それでも了承するしかなかった。
茂みに案内して土の上に毛布を敷いて体を売った。
痛い!痛い!
どうしてこんなに痛むの!
出産前はあれだけ気持ち良かったのに。
破瓜の時より痛い!
「ふう~」
男が満足した頃には日が暮れていた。
月が少し出ていて完全な闇ではない。
「この先を一時間も歩けば小さな町だ。その金で食べ物を買い足すといい」
そう言って去っていった。
痛い! 終わったのにまだ痛い。
拭いても秘部から蜜が溢れる。
川を探して洗いたい。町に行きたい。
だけど痛くて、怠くて動きたくない。
いつの間にか意識を失った。
「アール、どうだ」
「死んでいます」
「死産後に体を売るには早かったようだな」
女の下半身を中心に大きな血溜まりが出来ていた。
「エス、どうしますか」
「放置しておけばいい。報告に戻ろう」
209
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは、聖女。
――それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王によって侯爵領を奪われ、没落した姉妹。
誰からも愛される姉は聖女となり、私は“支援しかできない白魔導士”のまま。
王命により結成された勇者パーティ。
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い。
そして――“おまけ”の私。
前線に立つことも、敵を倒すこともできない。
けれど、戦場では支援が止まれば人が死ぬ。
魔王討伐の旅路の中で知る、
百年前の英雄譚に隠された真実。
勇者と騎士、弓使い、そして姉妹に絡みつく過去。
突きつけられる現実と、過酷な選択。
輝く姉と英雄たちのすぐ隣で、
「支えるだけ」が役割と思っていた少女は、何を選ぶのか。
これは、聖女の妹として生きてきた“おまけ”の白魔導士が、
やがて世界を支える“要”になるまでの物語。
――どうやら、私がいないと世界が詰むようです。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー編 32話
第二章:討伐軍編 32話
第三章:魔王決戦編 36話
※「カクヨム」、「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる