【完結】ずっと好きだった

ユユ

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キャサリン・コーネル(特級罪人・R18)

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その後、何日も放置されてどのくらい経ったのかわからなかったが引き摺り出されて連れてこられたのは断罪の間という場所だった。

牢獄のように作った場所のようで寒々とした空気が漂っていた。

近衛騎士の服を着た数人の中にバトラーズ様もいて、お父様と弟がいた。

国王陛下が入室され王座に座ると合図を出された。

二人の男に引き摺られてきたのは顔が溶けた女だった。

『お前がやろうとしていた事はこういう事だ。よく見るがいい。お前の専属侍女だ。
今は痛みを麻痺させているから大人しいが、あれからずっと殺してくださいと喚いてる』

まさか、そんな!

『侯爵、決断はできたか』

『はい陛下。全財産を慰謝料として支払わせてください』

『子息は納得か?』

『当分貧しい暮らしになりますが私と父でまた国と領民のためになれるよう頑張ります。
ただ、支払いだけは先にさせてください。
侯爵家が未払いを起こす事で平民達を路頭に迷わせるわけには参りません。

調度品や宝石も売り払い、今のタウンハウスも売って小さな屋敷に移ります。
使用人達の給料もどうかご慈悲をお願いいたします』

『正しく行使できるよう人を送る。従え。
其方の言葉が本物なら、いつか再起も可能だろう』

『感謝いたします』

財産が全て無くなる!?私の宝石は!?


パチン

国王陛下が指を鳴らすと鉄の箱と瓶が運ばれた。

『キャサリン、お前は除籍済みで平民だ。
死刑が妥当だが、簡単に殺しては気が収まらぬ。娘は、ステファニーは寝込んでしまった。

特級罪人に認定し流刑に処す』

『特級罪人?』

『王族や国家に害を及ぼした罪人のことだ。
流刑はお前の場合は王都から領地とは逆方向にきっちり3日馬車を走らせ、流す。

1日分の食糧と水だけは持たせてやる。自力で生きていけ。

これから顔に特級罪人の証を刻む。
これでお前のことを手助けする者はほぼいなくなる。
殺す者もいなくなる。

声を出せなくするから嘘も言えない。“無実です”などとな』

騎士達が私を押さえ付けた。
鉄の箱の中身はオレンジ色に光る炭だった。
厚い手袋をはめ、騎士が火鉢に差し込まれていた棒を取った。先には丸い鉄板が付いていて文字が刻まれていた。

『アール。頬だ。押し付け過ぎると文字でなくなる』

よく見たらあの時、天井から落ちてきて私を捕らえた男だった。

『俺の腕にも痕が残ったよ』

『ひっ!!』

暴れもがき、石畳に押さえつけられ熱せられた鉄が頬に触れた。

『ギャアアアアア!!』

男は裾を捲り臀部にも押し付けた。

『ギャアアアアア!!痛い!!』

『確かに、押し付け過ぎると文字は無くなりますね』

そう言って去っていった。

身体を起こされて上を向かされ、目の前に立ったのはバトラーズ様だった。

『助けて』

そう言った瞬間に液体を流し込まれた。

『グハッ』

喉が焼けるように痛い!!

そのまま牢に戻されて治療を受けた。


流刑執行の日が来た。罪人用の馬車で過ごすこと3日。排泄と執行人の仮眠以外ずっと移動し続けた。

罪人用の馬車はクッションなどない。木の座席で痛いから休みたいと言っても許されず、代わりに帰ってきた言葉は“歩くか?”だった。

ニヤニヤと笑う執行人に頷くと、手と腰を紐で縛られて馬車に繋がれた。

10分ほど歩くと

『やっぱり馬車に』

『駄目だ。次の休憩まで止まらない。歩けなくなったら馬車に引き摺られるだけだぞ』

『そんな!』

『だいたい、なんでコイツ喋れるんだ?』

『かすれているだろう。喉焼きの刑で運良く助かったんだな。10年以上前にもいたよ』

私は布袋に穴をあけて手や頭を出しているような服に、足に合わない硬い靴だった。
足はすぐに悲鳴を上げた。

『もう歩かないわ!』

そう言って立ち止まったら本当に引き摺られた。

『お願いします!歩きますから靴を脱がせてください!』

叫ぶと馬車は止まった。靴を鉄格子窓から馬車に入れ、休憩まで裸足で歩いた。

やっと休憩のようだ。男が近寄って紐を解いた。

『本当は休憩じゃない。引き摺って死なれると刑にならないからな』

『懲りたら大人しく馬車にいろ。まだ1日も経ってないのにこれじゃ王都から離れられない。言うことを聞かせるために縛って馬車の中に転がしてもいいし、川に頭を沈めて拷問をしてもいいんだぞ』

『分かりました』

馬車のスピードが上がった。揺れが激しいが我慢するしかない。


やっと3日経ち、解放された。

『パンと干し肉と水だ。ここは他より治安が良さそうだがお前に対してはどうか分からないし男にとったら無料の体でしかない。気をつけるんだな』

袋を渡して引き返していった。



どこかの町外れのようだ。
これまでのことを振り返ると涙が出てきた。
木陰で横になっていると声をかけられた。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

子供だった。

「助けて」

「お母さん!お姉ちゃんが困ってる!」

子供に呼ばれて近寄った母親は私の顔を見て引き攣った。

「メリー!近寄っては駄目!」

「どうして?」

「あの頬の証は極悪人の印なの。関わればお父さんもお母さんもメリーもダンも死んでしまうのよ!」

そう言って子供の手を引いて去って行った。

何もする気が起きない。


夜になると寒くなった。少しでも暖かい場所はないかと歩いてたどり着いた崖下にできた穴に近寄ると先客がいた。

「ここは俺の場所だ」

「夜だけでも」

火に近寄ると男がじっと見つめてきた。

「その若さで極悪人か」

「助けたと思わないで、お願いです」

「助けなきゃいいからな」

「ありがとう」

暖がとれて疲れていたので急激に眠気が襲った。




「痛い……」

「湿りが足りないか」

ペッ

「痛い!痛い!何!?」

秘部に裂けるような痛みを感じて目を開けると男が覆い被さっていた。

首を掴まれ圧迫された。

「大人しくしていればすぐに済む」

「どうして」

「助けていない。交換だ。
暖と場所、お前からはだ」

「グゥッ」

「やっと全部入った。生娘だったんだな。
慣れれば今までに感じたこともない快楽を拾えるようになる」

痛みに耐えていると男はすぐに果てた。
だがまた動き出した。

二度目の吐精を終えると男は離れて横になった。

「出て右に15分程歩くと川がある。指を入れて膣を洗ってこい。月明かりで見えるだろう」

一歩も歩きたくなかったけど、秘部がヌルヌルして気持ち悪かったので川に行った。
丁寧に濯いで綺麗にした。


翌朝、男が起きる前に歩き始めた。

2日ほど歩いたところで馬車が通りかかった。

男が降りてきて私を見つめた。

「仮面を付けるか」

歩き出そうとすると止められた。

「うちで働くか。だが仮面を絶対外さないでくれ」

「私は何をしたらいいのでしょう」

「夜に私の相手をしてくれたらいい」

「お願いします」

もう私は処女ではない。あんな洞穴であんな男に抱かれるくらいなら彼の方が何万倍もマシだ。


小さな屋敷に連れてこられて、奥の部屋に入れられた。久しぶりの湯浴みとベッド、まともな食事に涙が出た。

仮面を渡されてつける。服というよりは衣装と思った方がいいだろう。キャミソールに絹のガウンで過ごすことになった。

夜になるとガウン姿の男が現れた。

「歳をとると勃ちが悪くてね。頼むよ」

ガウンを脱ぎ全裸で私の前に立った。

「あの、」

「知らないのか。
跪いて口を開けて、陰茎を咥えるんだ。
舐めたり吸ったり口全体で扱きあげる。
歯は絶対に当てるな」

コレを口に!?

「女は皆やることだ。出来ないなら拾った場所に捨てに行く」

仕方なく口に咥え言われるがまま従った。
顎が疲れてくると陰茎が口から離れた。

そして数日前と同じように男が私を抱いた。
だけど最初の男のようには痛くなかった。
段々と気持ち良くなり、強烈な快感を得られた。
男は何かをたっぷり秘部に付けて指で解してから挿入したからだ。

口に咥えるのは嫌だけど、これならやっていけると安堵した。

次の日はゆっくり昼に起きて昼食を取った。本を読み夕食を済ませて待っていたが男は現れなかった。

翌朝、誰も来ないので部屋から出て一階へ降りると静まり返っていた。一部屋一部屋覗いていくが誰もいない。
居間らしき大きな扉を開けた瞬間、血の匂いが鼻を襲った。

私を拾った男と使用人らしき六人か殺されていた。

壁には“特級罪人を助けた者達”と血で書かれていた。

見張られている………


いくつか部屋を物色し着替えた。
背負い鞄には着替え、タオル、ナイフ、石鹸、蝋燭、薬、食べ物、金などを詰め込み、毛布を一枚丸めて紐縛り肩からかけた。

フードと髪で焼き印は隠れ、時々安宿に泊まったりした。
また何処かでお金を手に入れなければ。

夜に体を売ってお金を稼いだ。

また囲われることがあったが、体を差し出した翌朝、また殺されていた。
急いで食べ物や服はやお金を鞄に詰めた。

その内、具合が悪くなった。
吐き気や眩暈がする。動ける時間が僅かだった日もあった。

次第に太ってきた。

数ヶ月後に現実を受け入れた。
妊娠して腹が膨れていたのだ。

もし産んだとして、産後の身体で今の生活に戻れない。
途方に暮れていると教会に辿り着いた。
これまでのことを話すと子は孤児院に引き取ってくれるという。

建物には入れられないが納屋を勝手に使ってもいいから出ていける時に出て行って欲しいと言われた。

5日目の夜、激しい腹痛に襲われて意識を失った。

起きたら診療所だった。

「死産だったよ。1週間立ったら去ってくれ」

「………はい」



診療所を出て歩き出したが腹痛と吐き気と眩暈が付き纏う。

もうお金も無く食糧も僅か。
しかなかった。

日暮に通りかかった少し裕福そうな馬に乗った平民に声をかけると少しのお金と食糧を差し出された。
どうやら支払いの帰りで手持ちがあまり無いらしい。
それでも了承するしかなかった。

茂みに案内して土の上に毛布を敷いて体を売った。

痛い!痛い!
どうしてこんなに痛むの!
出産前はあれだけ気持ち良かったのに。
破瓜の時より痛い!

「ふう~」

男が満足した頃には日が暮れていた。
月が少し出ていて完全な闇ではない。

「この先を一時間も歩けば小さな町だ。その金で食べ物を買い足すといい」

そう言って去っていった。

痛い! 終わったのにまだ痛い。
拭いても秘部から蜜が溢れる。

川を探して洗いたい。町に行きたい。
だけど痛くて、怠くて動きたくない。

いつの間にか意識を失った。





「アール、どうだ」

「死んでいます」

「死産後に体を売るには早かったようだな」

女の下半身を中心に大きな血溜まりが出来ていた。

「エス、どうしますか」

「放置しておけばいい。報告に戻ろう」








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