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第十五話 エーベルとマリラ
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エーベル王子は、東宮殿の大きな窓の前に立ち、外を見つめていた。彼の目は遠くの景色を追うように見えながら、実際には心ここにあらずといった様子だった。
彼の背後で扉が開き、スカートの擦れる音がした。彼の婚約者であるマリラが入ってきたのだった。
「エーベル殿下、少しお時間をいただけますか?」
マリラが慎ましやかに声をかける。
エーベルは振り返り、彼女に小さな微笑みを返した。
「もちろんです、マリラ。どうかしましたか?」
マリラは一歩近づき、微妙に張り詰めた表情で言った。
「婚約発表の件です。もうすぐ、建国祭の宴があります。これを機に、そろそろ正式に発表していただけないでしょうか?」
その言葉に、エーベルの顔から笑みが消え、とたんに硬い表情となった。
「それは、急ぐ必要があることなんでしょうか?」
彼は穏やかな、しかし冷たい口調で尋ねた。
マリラは怯ます、きっぱりと答える。
「必要です。いま、私たちの婚約を知っているのは、王室と公爵家の者だけです。早く婚約を世間に公表して頂かなくては、私どもの立場が不安定になります。公爵家は王室と共にあるということを示したいのです」
エーベル王子との政略結婚は、他の大貴族や外国勢力も虎視眈々と狙うところだった。マリラは王子の心変わりを恐れ、焦っていた。
「その気持ちは理解します。しかし、今は少し時期尚早かもしれません。」
「時期尚早?」
マリラは戸惑い、そして少し声を張り上げた。
「殿下、私はもう何ヶ月もお待ちしました。それに、これ以上延ばしていては、他の貴族たちも不安を抱くでしょう」
「マリラ、私はただ……」
エーベルはゆっくりと深呼吸をした後、窓の外に目を戻した。
「今は集中して、取り組みたいことがあるのです。」
「それは、何でしょうか?」
マリラは、苛立ちを隠せない様子で詰め寄った。エーベルは彼女をじっと見つめた。彼の目はどこか深い悩みを秘めているように見えた。
「知っての通り、私の妹が行方不明になっています。今、国中を捜索させているところです。妹が見つかるまでは、とても結婚などという気にはなれません」
「妹君。アストリア王女殿下のことですね」
マリラは眉をひそめる。
「でも、アストリア様は元々、ご病気で西宮殿からは一歩もお出にならなかったとか。そんなに仲が良かったのですか?」
「ええ。私にとって、彼女は特別な存在でした」
エーベルの声は、悲しみがにじんでいた。
「王室の風習として、親子は引き離され、子供は十六歳まで乳母と使用人たちが育てます。だから、国王・王妃両陛下とアストリアの絆は、それほど深くない。彼女にとって最も親しい家族は、私でした」
エーベルは言葉を続けた。
「病弱で、ずっと西宮殿に閉じこもる彼女のことが、私はいつも気になって、頻繁に会いに行ってました。あの子はとても繊細で、純粋な子なんです。私にとって彼女は、ただの妹ではない。親代わりとして娘を思うような感情があるし、音楽の趣味を分かち合う、唯一無二の親友でもあります。あるいは、それ以上の何か……」
マリラはエーベルの言葉を遮った。
「ですが、殿下。私たちの婚約はどうなるのですか。アストリア様のことが、婚約発表をためらう理由なのでしょうか?」
エーベルは短くため息をつき、言葉を慎重に選びながら答えた。
「彼女のことを、忘れることができない。それが今の私の、正直な気持ちです。」
「つまり今は、アストリア様のことで、殿下の頭の中はいっぱい、ということですか?」
マリラは動揺しながら、念を押すようにエーベルに聞いた。
「その通りです」
エーベルは静かに答えた。
「決して、君を軽んじているわけではない。ただ、私にはまだ整理しなければならない感情があるのです」
マリラはしばらく、黙り込んで考えた。西宮殿で起きたアストリア王女の失踪事件と、遠く離れた東宮殿で同じ夜に遭遇した寝間着姿のあの女性は、マリラの頭の中で、まだ完全には結びついてはいなかった。しかし――
「殿下……アストリア王女殿下の件について、私からも一つ、お伝えしたいことがあります」
――しかし、ひょっとしたら何か大きな陰謀の一環で、あの寝間着女も、事件に関係していたのかもしれない、王女発見の手がかりになるかもしれない。マリラはこの時はじめて、そう思い至り、エーベル王子に情報提供しようとした。
「何だ? ひょっとして君、何か知っているのか⁉」
それまで自分からマリラに一歩も近づこうとしなかったエーベルが、いきなり態度も口調も豹変した。マリラの両肩に手を添え、揺さぶりながら激しく問いただした。
「いえ、あの……私がお伝えしたかったのは……殿下が妹君を思われる、そのお気持ちを理解するということですわ」
マリラは、エーベルのあまりの剣幕に、かえって馬鹿馬鹿しくなって、目をそらした。喉まで出かかった東宮殿での出来事を彼に伝えるのは、やはりやめることにした。
「私はただ、殿下のお傍に立ちたい。それだけなんです。ですから、もし時間が必要なのであれば、私はお待ちします」
東宮殿と西宮殿は数百メートル離れている。あの夜の二つの出来事に関係があるはずはないと、マリラは心の中で、強引に自分を納得させた。
「そ、そうですか……。マリラ、ありがとう。その寛大さに感謝します」
エーベルは、彼女の肩に置いた手を下ろすと、力なく言った。言葉は彼女への感謝を述べていたが、一瞬だけ期待したアストリア捜索の手がかりを結局得られなかったことで、彼の顔には落胆の色がありありとみえていた。
「いつまでも、お待ちするわけではありませんよ?」
マリラは微かに微笑みながらも、毅然とした態度を崩さず言った。
「どうか、殿下のお心が整い次第、正式に発表していただけると幸いです」
王女の安否は、いずれ明らかになるだろう。
無事ならば、それでよし。
最悪の結果が、判明した場合は――その時こそ、王位継承権者が一人減るという事態に鑑み、王室はエーベルに、マリラとの結婚を急ぐよう圧力をかけるだろう。
マリラはそのように、計算高く考えた。
「そうするつもりです」
エーベルはそっけなく答えた。マリラは一礼すると、険しい表情でその場を足早に去った。エーベルは、窓辺に再び目を移す。
窓辺には、アストリアが失踪した日の朝、王宮の中庭で発見されたペンダントの破片と、彼女が書いた楽譜が飾られていた。
ピアノとバイオリンのための協奏曲。ビリビリに引き裂かれた状態で発見された楽譜は、糊で貼り合わされ、復元されていた。
「アストリア……」
楽譜を愛しむように撫でるエーベルの心には、アストリアとの思い出が渦巻いていた。彼に見せてくれた、少し控えめな彼女の笑顔。そして芯の強い、凛々しい表情。
彼にとってアストリアはただの家族ではなく、心の支えであり、何よりも守るべき存在だった。
「アストリア、どこにいるんだ……」
エーベルは、そっとつぶやいた。彼の頬には、一筋の涙が伝っていた。長い間、蓋をしていた感情が、とめどなく溢れてくるのを彼は感じるのだった。
彼の背後で扉が開き、スカートの擦れる音がした。彼の婚約者であるマリラが入ってきたのだった。
「エーベル殿下、少しお時間をいただけますか?」
マリラが慎ましやかに声をかける。
エーベルは振り返り、彼女に小さな微笑みを返した。
「もちろんです、マリラ。どうかしましたか?」
マリラは一歩近づき、微妙に張り詰めた表情で言った。
「婚約発表の件です。もうすぐ、建国祭の宴があります。これを機に、そろそろ正式に発表していただけないでしょうか?」
その言葉に、エーベルの顔から笑みが消え、とたんに硬い表情となった。
「それは、急ぐ必要があることなんでしょうか?」
彼は穏やかな、しかし冷たい口調で尋ねた。
マリラは怯ます、きっぱりと答える。
「必要です。いま、私たちの婚約を知っているのは、王室と公爵家の者だけです。早く婚約を世間に公表して頂かなくては、私どもの立場が不安定になります。公爵家は王室と共にあるということを示したいのです」
エーベル王子との政略結婚は、他の大貴族や外国勢力も虎視眈々と狙うところだった。マリラは王子の心変わりを恐れ、焦っていた。
「その気持ちは理解します。しかし、今は少し時期尚早かもしれません。」
「時期尚早?」
マリラは戸惑い、そして少し声を張り上げた。
「殿下、私はもう何ヶ月もお待ちしました。それに、これ以上延ばしていては、他の貴族たちも不安を抱くでしょう」
「マリラ、私はただ……」
エーベルはゆっくりと深呼吸をした後、窓の外に目を戻した。
「今は集中して、取り組みたいことがあるのです。」
「それは、何でしょうか?」
マリラは、苛立ちを隠せない様子で詰め寄った。エーベルは彼女をじっと見つめた。彼の目はどこか深い悩みを秘めているように見えた。
「知っての通り、私の妹が行方不明になっています。今、国中を捜索させているところです。妹が見つかるまでは、とても結婚などという気にはなれません」
「妹君。アストリア王女殿下のことですね」
マリラは眉をひそめる。
「でも、アストリア様は元々、ご病気で西宮殿からは一歩もお出にならなかったとか。そんなに仲が良かったのですか?」
「ええ。私にとって、彼女は特別な存在でした」
エーベルの声は、悲しみがにじんでいた。
「王室の風習として、親子は引き離され、子供は十六歳まで乳母と使用人たちが育てます。だから、国王・王妃両陛下とアストリアの絆は、それほど深くない。彼女にとって最も親しい家族は、私でした」
エーベルは言葉を続けた。
「病弱で、ずっと西宮殿に閉じこもる彼女のことが、私はいつも気になって、頻繁に会いに行ってました。あの子はとても繊細で、純粋な子なんです。私にとって彼女は、ただの妹ではない。親代わりとして娘を思うような感情があるし、音楽の趣味を分かち合う、唯一無二の親友でもあります。あるいは、それ以上の何か……」
マリラはエーベルの言葉を遮った。
「ですが、殿下。私たちの婚約はどうなるのですか。アストリア様のことが、婚約発表をためらう理由なのでしょうか?」
エーベルは短くため息をつき、言葉を慎重に選びながら答えた。
「彼女のことを、忘れることができない。それが今の私の、正直な気持ちです。」
「つまり今は、アストリア様のことで、殿下の頭の中はいっぱい、ということですか?」
マリラは動揺しながら、念を押すようにエーベルに聞いた。
「その通りです」
エーベルは静かに答えた。
「決して、君を軽んじているわけではない。ただ、私にはまだ整理しなければならない感情があるのです」
マリラはしばらく、黙り込んで考えた。西宮殿で起きたアストリア王女の失踪事件と、遠く離れた東宮殿で同じ夜に遭遇した寝間着姿のあの女性は、マリラの頭の中で、まだ完全には結びついてはいなかった。しかし――
「殿下……アストリア王女殿下の件について、私からも一つ、お伝えしたいことがあります」
――しかし、ひょっとしたら何か大きな陰謀の一環で、あの寝間着女も、事件に関係していたのかもしれない、王女発見の手がかりになるかもしれない。マリラはこの時はじめて、そう思い至り、エーベル王子に情報提供しようとした。
「何だ? ひょっとして君、何か知っているのか⁉」
それまで自分からマリラに一歩も近づこうとしなかったエーベルが、いきなり態度も口調も豹変した。マリラの両肩に手を添え、揺さぶりながら激しく問いただした。
「いえ、あの……私がお伝えしたかったのは……殿下が妹君を思われる、そのお気持ちを理解するということですわ」
マリラは、エーベルのあまりの剣幕に、かえって馬鹿馬鹿しくなって、目をそらした。喉まで出かかった東宮殿での出来事を彼に伝えるのは、やはりやめることにした。
「私はただ、殿下のお傍に立ちたい。それだけなんです。ですから、もし時間が必要なのであれば、私はお待ちします」
東宮殿と西宮殿は数百メートル離れている。あの夜の二つの出来事に関係があるはずはないと、マリラは心の中で、強引に自分を納得させた。
「そ、そうですか……。マリラ、ありがとう。その寛大さに感謝します」
エーベルは、彼女の肩に置いた手を下ろすと、力なく言った。言葉は彼女への感謝を述べていたが、一瞬だけ期待したアストリア捜索の手がかりを結局得られなかったことで、彼の顔には落胆の色がありありとみえていた。
「いつまでも、お待ちするわけではありませんよ?」
マリラは微かに微笑みながらも、毅然とした態度を崩さず言った。
「どうか、殿下のお心が整い次第、正式に発表していただけると幸いです」
王女の安否は、いずれ明らかになるだろう。
無事ならば、それでよし。
最悪の結果が、判明した場合は――その時こそ、王位継承権者が一人減るという事態に鑑み、王室はエーベルに、マリラとの結婚を急ぐよう圧力をかけるだろう。
マリラはそのように、計算高く考えた。
「そうするつもりです」
エーベルはそっけなく答えた。マリラは一礼すると、険しい表情でその場を足早に去った。エーベルは、窓辺に再び目を移す。
窓辺には、アストリアが失踪した日の朝、王宮の中庭で発見されたペンダントの破片と、彼女が書いた楽譜が飾られていた。
ピアノとバイオリンのための協奏曲。ビリビリに引き裂かれた状態で発見された楽譜は、糊で貼り合わされ、復元されていた。
「アストリア……」
楽譜を愛しむように撫でるエーベルの心には、アストリアとの思い出が渦巻いていた。彼に見せてくれた、少し控えめな彼女の笑顔。そして芯の強い、凛々しい表情。
彼にとってアストリアはただの家族ではなく、心の支えであり、何よりも守るべき存在だった。
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