推しのAV俳優が隣に引っ越してきました

さくら優

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番外編

AVを見るのは浮気ですか?

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「ねー樹、これ何?」

シャワーを浴びて自分の部屋に戻って来ると、待っていた涼也さんに開口一番そう言われた。

「? 何って⋯ちょっ、なんでそれ!」

涼也さんが手に持っていたのは、俺がクローゼットの奥にしまっていた一宮嵐のAVだった。

「勝手に人んちのクローゼット開けんな!」
「⋯なんでまだそんなの持ってんだよ」

慌てて取り上げると、じとっとした目で睨まれる。

「なんでって⋯、別に捨てろとか言われた覚えないし」
「じゃあ今言う。捨てろ。今すぐ」
「な⋯!」

正直特段思い入れが、まあ全くないわけでもないが、そのうち捨てようかなくらいの感覚だった。なくても全く困らない。
ただ、こんな風に上から目線で言われるといい気はしない。

「⋯いくら恋人だからって、そんな風に言われる筋合いないと思う」
「⋯まさかまだ見てんの?」
「見ないけど!」
「じゃあ捨てていいだろ」
「そういう問題じゃない」

こういう感覚がわからない人ではないはずなのに、どうして今回に限って伝わらないのか。

「俺に隠すようにしまってあるし」
「普通隠すから。こういうのは」

以前、見つからないようにと思って隠したのは事実だが、何の理由がなくても堂々と置いておくものではないだろう。

「兄貴は普通に本棚に並べてた」
「あの人と一緒にしないでください」

溜息混じりに吐き捨てると、突然腕を掴まれて、ベッドに押し倒された。

「っ! ちょっ、やめ⋯」
「捨てるって約束するならやめてやるよ」
「はあ? あ、待っ、」

慣れた手つきであっさりと両腕を頭上に固定されてしまう。なす術もなく睨みつけると、ニヤッと意地の悪い笑みを向けられた。

着ていた部屋着のボタンを外され、下は全て脱がされた。軽く足を開かされて、羞恥に顔を背けると、足の間を濡れた感触が襲った。

「あっ、っ⋯、ふ⋯」

まだ萎えていた自身にいきなり舌を這わせられ、強い快感に一気に張り詰める。そのまま熱い口内に包みこまれ、先端をチロチロと舐められて、あっけなく達かされそうになり、ギュッと両手を握り締めた。

けれど、その瞬間にスッと舌が離れていき、一切の刺激が止む。

「あぁ! っ――」

あと一歩のところで快感を取り上げられて、腰を浮かせて悶えた。ゾクゾクと背筋を寒気に似た何かが駆け上がる。

「やらし。いつも焦らしてたけど、寸止めはあんましたことなかったもんな」
「イっ――、あああっ!」

性器の付け根ギリギリ触れない辺りを指先で擽るように刺激されて、身体がビクビクと震えた。感覚を散らそうにも、ガッチリと腰を掴まれているため、首を振るくらいしか出来ない。

「はぁ、ぁ⋯」
「まだ我慢してろよ。俺がいいって言うまで」
「あっ、ん――っ!」

震える自身の表面をゆっくりと人差し指が辿る。慣れた刺激にもいつも以上に感じてしまい、目尻から涙が溢れた。

少しずつ刺激が強くなっていき、達きそうになると手が離れる。そうしてはぐらかされた後にまたそっと触れられて、その繰り返し。

ひとしきり啼かされた後、今度は乳首に触れられる。突起の周りを撫でられ、軽く爪で引っ掻かれて。

「やああぁ! あっ、も、やめ⋯」

すでに限界まで高められている身体は、弱いところをそっと撫でられるだけでも我慢出来ない。

意地悪な愛撫は二の腕や腋下、腰の方にまで及び、内腿から足の付け根を撫でられとうとう悲鳴を上げた。

「いやあああ! やっ、ゆるして⋯ぇ」

ぽろぽろと涙を流すと、それを拭うように頰に口付けられる。

「樹、俺の言うこときけるな?」
「んっ、きく、きくから⋯」
「じゃあ、あれは全部捨てて」
「ん⋯っ」

こくこくと頷くと、涼也さんは優しく微笑んだ。

「樹がして欲しいことは、全部俺がしてやるから」
「んあぁっ!」

再び指が乳首をとらえ、それだけで全身が震えた。

「あっ、やあぁ⋯それイっちゃ⋯」
「気持ちいい? こうやって周り撫でられたり、爪でカリカリされんの好きだもんな。あと、この前みたいに筆でいじめられんのも」
「やっ⋯」
「想像した?」
「いやあっ、もっ、意地悪しない、で⋯」

ひたすら焦らされて頭がおかしくなりそうだった。いくら好きでも限界がある。

泣きながら顔を見つめると、耳許や首筋に唇が触れる。

「かわい。樹、俺のこと好き?」
「ん、すき⋯」

言い終わらないうちに唇を塞がれ、放置されていた自身を強く扱かれた。

声は全て吸い取られて、長い絶頂の後、俺は意識を手放した。


   ✦✦✦

「だる⋯」

ようやく解放された後、俺は指1本動かすのもきついほどで、後始末を全てやってもらった後ベッドに突っ伏していた。

憔悴しきった俺とは反対に、涼也さんはすっかりご機嫌だ。

「ごめんな。樹があんまり可愛いから、ちょっと調子のった」
「ちょっと?」
「かなり?」

梳くように髪を撫でられて、心地良さに目を閉じる。

「あれ⋯」
「うん?」
「中古で売ります。捨てるのはちょっと⋯。あれがなかったら涼也さんと、こうやって一緒にいなかったかもしれないし」
「ん、そうだな」

髪に触れた唇が額や瞼に降りてきて、そっと溜息を吐いた。

「全部売らなくてもいいよ」
「⋯は?」
「アレのおかげで樹と付き合えたのは本当だしな」
「譲歩出来るなら最初からしてください」
「それは無理。嫉妬で頭に血がのぼってた」
「嫉妬って⋯」

ニ次元みたいなものなのに。

「嵐は三次元だから。この前会っただろ」
「そうだけど」
「まあいいや。じゃあ1本だけ残して売るってことで。1円にもならないと思うけどな」
「なんでそんな扱いなんですか。仲いいのに」
「別によくない」

頑なに否定するのがおかしくて、くすっと笑うと強く抱き締められた。ゆっくりと髪を撫でられると急激に睡魔が襲ってきて、俺はそっと目を閉じた。

END.
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