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4.繋がり
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考えたいことがあると言って先伸ばしにしてもらったけれど、実際いくら考えたところで答えが浮かぶわけではなかった。
アパートの自分の部屋で、麻雀牌を積み木のように積み上げながら那智は物思いに耽っていた。
東藤は、最後にもう一度だけ一緒に打って欲しいと言っていた。でも彼は、やっぱり勝つ気はないのだろう。そんな気がした。
そして、それでもいいような気がした。
(最後、か…)
積み上げた牌を指で弾いて崩す。
昼間の仕事になるから、もう一緒に打ちに行くことは出来ないと言っていたけれど、本当に、全く無理になってしまうのだろうか。別に毎日じゃなくたっていいのだ。仕事が休みの日とか、早く終わった日とか、時間ならいくらでも作れると思うのに。
それとも、自分とはもう一緒にいたくないとか? まさか。告白してきておいてそれはないだろう。
東藤は那智の気持ちをどうだと考えているのだろう。普通、告白する前に考えると思うのだ。相手が自分に好意があるのかないのか。嫌われているとはっきりわかっていたら、普通は告白なんて出来ないと思う。その前に少しでも好きになってもらう方が先だろう。
しかし、厄介なことに自分達にはその普通が通用しない。
好きとか嫌いとか、そういう話より前に身体の関係を持ってしまった。きっと彼は、取引だから仕方なく抱かれたのだと思っている。
確かに最初はそうだった。でも、今はどうなのだろう。少なくとも、嫌だとは思わない気がする。
(っていうか、なんで俺がこんなこと真剣に悩まなきゃなんないんだよ…)
那智は溜息を吐きながら布団に寝転がった。
そもそも、人を好きになるってどういうことなのだろう。
中学の頃、周りの女の子達が誰が好きだの、誰と誰が付き合ってるだのという話でよく盛り上がっていたけれど、正直全く興味なんてなかった。あの頃は、卒業したらどうやって生きていけばいいのか、頭の中はそれでいっぱいだったのだ。
今まで出会った中で、那智がはっきり好きだと言えるのは美奈しかいない。唯一の血のつながりのある家族だし、あの子には幸せになってほしいと思っている。美奈のためなら多少無茶なことだって出来た。あの子がいたから那智は生きてこられたのだ。
しかし、だからといって、美奈に恋をしているわけではない。一緒に暮らしたいと思っているわけでもない。離れていることに寂しいと思ったこともない。この先、たとえ滅多に会えなくなったとしても、幸せでいてくれるならそれで充分だった。
愛情と、一緒にいたいと思う感情は別問題だ。
けれど、東藤への思いの中に、一つはっきりしているものがある。
この先、彼と会えなくなるのは寂しい。もっと一緒に麻雀を打ちたい。そして、コンビ打ちを始めた頃みたいに、いっぱい勝ちたい。
彼には地位や世間体もある。賭け事をしているのも本当はあまりよくないのかもしれない。だったら別に賭け麻雀でなくても良いのだ。場所を変えて、ノーレートでただのゲームとしてやっている所を探せば。
「話してみよう」
ちゃんと話を聞いてくれるだろうか。上手く話せる自身もないけれど。
那智の気持ちを誤解したまま、手の届かない所に行かれてしまうのが、今は一番怖かった。
✦✦✦
「お、今日は二人で来たのか」
いつもの雀荘へ着いた早々、陣内から声をかけられる。
最強コンビの復活か、とニヤリと笑いながら茶化してくる陣内に、那智は苦笑を浮かべた。
たった一回だけだ。復活とは言わないだろう。
那智の気持ちを察したのか、陣内は意外そうな顔をする。
「なんだよ。せっかくそんな大物捕まえといて。もう河に流しちまうのか」
「大物…?」
陣内は胸ポケットから煙草の箱を取り出す。しかし、中身は空だったのか、ちっと小さく舌打ちをした。
「ニイチャン、煙草持ってるか?」
「ありますよ」
東藤は銀色のシガーケースを陣内に差し出した。陣内が煙草を口に咥えると、今度は火を点けたライターを差し出す。当然のように火をもらった陣内は、ふうーっと大きく息を吐くと、満足そうに微笑んだ。
「大物だろ。東藤グループの御曹司なんて」
やはり、陣内は東藤のことを知っていたのだ。
「ご存知でしたか」
「当たり前だろ」
肩を竦める東藤の姿を見ながら、しかし那智は、そこまで言われても相変わらずピンと来ない。
家にテレビも新聞もない那智は、とにかく世間のことに疎かった。実際に東藤の会社を見ているけれど、なんだかすごそうだという感想しか抱いていない。
「那智、お前も今度は少し位余裕も出来んだろ。新聞くらいとれ」
そう言う陣内の方は、いったいどこまで知っているのだろう。彼の麻雀の力も情報力も、やはり底が知れない。
「いいか那智、金持ちの顔と名前は覚えとかなきゃなんねえんだよ」
「なんで?」
「んなもん、カモにするために決まってんだろ」
(…呆れた)
那智がぽかんとして何も言い返せないでいると、陣内はそのまま店を出ていってしまった。ドアが開いて締まるのを見届けてから、東藤がぽつりと呟く。
「あの人は、ずっと那智のこと見守ってたんだな」
「え…?」
「ああいう本当に強い打ち手は、いつまでも同じ所では打てないことが多いんだよ」
誰だって、負けるとわかっている勝負はしたくないし、負けるばかりでは嫌になる。カモにされるとわかれば、そこから逃げたくなるのは当然だろう。
この店の常連は皆陣内が強いことを知っているから、打ちたがらなかった。言われてみれば、陣内は誰もいない卓で一人で座っていることが多かった。那智のことを心配して、打つ相手もいないのにここに来ていたということか。
「じゃあ、最近陣さんがここに来てなかったのは…」
「俺が一緒にいたから、安心したんじゃないのか」
「……」
守られている自覚はあった。でもまさか、そんなに心配してくれていたなんて。
そして、そうやってまるで親のように見守ってきてくれた陣内が、相手が東藤なら心配はないと、太鼓判を押してくれたわけだ。
「打とうか」
「…うん」
✦✦✦
那智にとって、麻雀は生活の手段だった。
絶対に勝たなければならない、そんなプレッシャーが常にあって、勝った時に嬉しいと思ったことはあったけれど、打ちながらこんなに楽しいと思ったことは、東藤に会うまでなかったのだ。
南三局が終了し、いよいよ南四局。
東藤と一緒に打つ、最後の一局。
那智はそっと目を閉じる。
洗牌をする音が耳に届く。目を閉じてしまえば、牌の情報は一切入ってこない。
手牌を開いて、那智は思わず笑いそうになった。
配牌はバラバラ。牌山の内容もわからない。若干対子が多めだから、七対子か対々和狙いだろうか。
(面白い)
麻雀をこんなに面白いと思ったのは久しぶりだ。
那智は現在二位。トップとの点差は一万一千点。東藤は三位。点差は一万六千点。
この南四局で和了れなければ負けてしまうのに。
打ちながら、那智はまるで走馬灯のように今までのことを思い出していた。
東藤と初めて麻雀を打った時のこと。
コンビ打ちをしないかと誘われたこと。
毎日のように一緒に帰って、一緒に食事をしたこともあった。
東藤の麻雀は一言で言うと華麗で、牌山の内容がわかっていた那智だからこそ、そのすごさがわかった。
那智の力は、ツモる牌の内容を知っているということ。だから、自分が和了れるタイミングもわかるが、同様に相手が和了ってしまうタイミングもわかる。
東藤の力は、流れを変えて相手の和了りを阻止し、尚且つ自分の方に流れを持ってくる力だ。
本当に強かった。
二人でいれば無敵だった。
やっぱり、これで終わりになんてしたくない。
けれど東藤には、さっきから何か、重い覚悟のようなものが感じられた。
今まで、手牌が見えても東藤が考えていることはわからなかった。今は牌の情報がない代わりに、彼の思いが伝わってくる気がする。
この対局で勝てれば、きっとこれで終わってしまう。いつも通り一緒に帰っていつもの丁字路で別れる。そして、きっともう会わない。でももし負けたら? そうしたら那智の心が伝わるだろうか。
那智の和了り牌が出たのは、そんなことを考えていた時だった。
(出た。一筒…)
手が止まる。那智の手は対々和、三暗刻。ツモれば四暗刻だった。全てを刻子で揃える、比較的頻度の高い役だ。
これを和了ればトップをまくることが出来る。
ちらりと東藤の捨て牌に目をやる。
おそらく彼の手は国士無双、一筒待ちだろう。
残りはたった四巡。彼のことだから、とっくに聴牌しているに違いない。
国士無双は、字牌と一九牌を全種類一枚ずつ集めなければならない。その中でどれか一つを雀頭として二枚にして、合計十四枚だ。
一筒は、ドラの表示牌が一枚に、那智が二枚持っていて、これが最後の一枚だ。ここで和了らなければ、東藤は負けが確定する。那智の方も残り四巡でこの点差、今から手を変えることは不可能だ。ここで和了らなければ確実に負ける。
それなのに。
(東藤さん、なにも言わない)
東藤が和了る気配はない。
勝ったら終わり。今ここで、一言「ロン」と言って手牌を倒せば、もう東藤と一緒にいることはなくなるのだろう。
那智はくすりと小さく笑って、何も言わずに次の牌をツモった。
アパートの自分の部屋で、麻雀牌を積み木のように積み上げながら那智は物思いに耽っていた。
東藤は、最後にもう一度だけ一緒に打って欲しいと言っていた。でも彼は、やっぱり勝つ気はないのだろう。そんな気がした。
そして、それでもいいような気がした。
(最後、か…)
積み上げた牌を指で弾いて崩す。
昼間の仕事になるから、もう一緒に打ちに行くことは出来ないと言っていたけれど、本当に、全く無理になってしまうのだろうか。別に毎日じゃなくたっていいのだ。仕事が休みの日とか、早く終わった日とか、時間ならいくらでも作れると思うのに。
それとも、自分とはもう一緒にいたくないとか? まさか。告白してきておいてそれはないだろう。
東藤は那智の気持ちをどうだと考えているのだろう。普通、告白する前に考えると思うのだ。相手が自分に好意があるのかないのか。嫌われているとはっきりわかっていたら、普通は告白なんて出来ないと思う。その前に少しでも好きになってもらう方が先だろう。
しかし、厄介なことに自分達にはその普通が通用しない。
好きとか嫌いとか、そういう話より前に身体の関係を持ってしまった。きっと彼は、取引だから仕方なく抱かれたのだと思っている。
確かに最初はそうだった。でも、今はどうなのだろう。少なくとも、嫌だとは思わない気がする。
(っていうか、なんで俺がこんなこと真剣に悩まなきゃなんないんだよ…)
那智は溜息を吐きながら布団に寝転がった。
そもそも、人を好きになるってどういうことなのだろう。
中学の頃、周りの女の子達が誰が好きだの、誰と誰が付き合ってるだのという話でよく盛り上がっていたけれど、正直全く興味なんてなかった。あの頃は、卒業したらどうやって生きていけばいいのか、頭の中はそれでいっぱいだったのだ。
今まで出会った中で、那智がはっきり好きだと言えるのは美奈しかいない。唯一の血のつながりのある家族だし、あの子には幸せになってほしいと思っている。美奈のためなら多少無茶なことだって出来た。あの子がいたから那智は生きてこられたのだ。
しかし、だからといって、美奈に恋をしているわけではない。一緒に暮らしたいと思っているわけでもない。離れていることに寂しいと思ったこともない。この先、たとえ滅多に会えなくなったとしても、幸せでいてくれるならそれで充分だった。
愛情と、一緒にいたいと思う感情は別問題だ。
けれど、東藤への思いの中に、一つはっきりしているものがある。
この先、彼と会えなくなるのは寂しい。もっと一緒に麻雀を打ちたい。そして、コンビ打ちを始めた頃みたいに、いっぱい勝ちたい。
彼には地位や世間体もある。賭け事をしているのも本当はあまりよくないのかもしれない。だったら別に賭け麻雀でなくても良いのだ。場所を変えて、ノーレートでただのゲームとしてやっている所を探せば。
「話してみよう」
ちゃんと話を聞いてくれるだろうか。上手く話せる自身もないけれど。
那智の気持ちを誤解したまま、手の届かない所に行かれてしまうのが、今は一番怖かった。
✦✦✦
「お、今日は二人で来たのか」
いつもの雀荘へ着いた早々、陣内から声をかけられる。
最強コンビの復活か、とニヤリと笑いながら茶化してくる陣内に、那智は苦笑を浮かべた。
たった一回だけだ。復活とは言わないだろう。
那智の気持ちを察したのか、陣内は意外そうな顔をする。
「なんだよ。せっかくそんな大物捕まえといて。もう河に流しちまうのか」
「大物…?」
陣内は胸ポケットから煙草の箱を取り出す。しかし、中身は空だったのか、ちっと小さく舌打ちをした。
「ニイチャン、煙草持ってるか?」
「ありますよ」
東藤は銀色のシガーケースを陣内に差し出した。陣内が煙草を口に咥えると、今度は火を点けたライターを差し出す。当然のように火をもらった陣内は、ふうーっと大きく息を吐くと、満足そうに微笑んだ。
「大物だろ。東藤グループの御曹司なんて」
やはり、陣内は東藤のことを知っていたのだ。
「ご存知でしたか」
「当たり前だろ」
肩を竦める東藤の姿を見ながら、しかし那智は、そこまで言われても相変わらずピンと来ない。
家にテレビも新聞もない那智は、とにかく世間のことに疎かった。実際に東藤の会社を見ているけれど、なんだかすごそうだという感想しか抱いていない。
「那智、お前も今度は少し位余裕も出来んだろ。新聞くらいとれ」
そう言う陣内の方は、いったいどこまで知っているのだろう。彼の麻雀の力も情報力も、やはり底が知れない。
「いいか那智、金持ちの顔と名前は覚えとかなきゃなんねえんだよ」
「なんで?」
「んなもん、カモにするために決まってんだろ」
(…呆れた)
那智がぽかんとして何も言い返せないでいると、陣内はそのまま店を出ていってしまった。ドアが開いて締まるのを見届けてから、東藤がぽつりと呟く。
「あの人は、ずっと那智のこと見守ってたんだな」
「え…?」
「ああいう本当に強い打ち手は、いつまでも同じ所では打てないことが多いんだよ」
誰だって、負けるとわかっている勝負はしたくないし、負けるばかりでは嫌になる。カモにされるとわかれば、そこから逃げたくなるのは当然だろう。
この店の常連は皆陣内が強いことを知っているから、打ちたがらなかった。言われてみれば、陣内は誰もいない卓で一人で座っていることが多かった。那智のことを心配して、打つ相手もいないのにここに来ていたということか。
「じゃあ、最近陣さんがここに来てなかったのは…」
「俺が一緒にいたから、安心したんじゃないのか」
「……」
守られている自覚はあった。でもまさか、そんなに心配してくれていたなんて。
そして、そうやってまるで親のように見守ってきてくれた陣内が、相手が東藤なら心配はないと、太鼓判を押してくれたわけだ。
「打とうか」
「…うん」
✦✦✦
那智にとって、麻雀は生活の手段だった。
絶対に勝たなければならない、そんなプレッシャーが常にあって、勝った時に嬉しいと思ったことはあったけれど、打ちながらこんなに楽しいと思ったことは、東藤に会うまでなかったのだ。
南三局が終了し、いよいよ南四局。
東藤と一緒に打つ、最後の一局。
那智はそっと目を閉じる。
洗牌をする音が耳に届く。目を閉じてしまえば、牌の情報は一切入ってこない。
手牌を開いて、那智は思わず笑いそうになった。
配牌はバラバラ。牌山の内容もわからない。若干対子が多めだから、七対子か対々和狙いだろうか。
(面白い)
麻雀をこんなに面白いと思ったのは久しぶりだ。
那智は現在二位。トップとの点差は一万一千点。東藤は三位。点差は一万六千点。
この南四局で和了れなければ負けてしまうのに。
打ちながら、那智はまるで走馬灯のように今までのことを思い出していた。
東藤と初めて麻雀を打った時のこと。
コンビ打ちをしないかと誘われたこと。
毎日のように一緒に帰って、一緒に食事をしたこともあった。
東藤の麻雀は一言で言うと華麗で、牌山の内容がわかっていた那智だからこそ、そのすごさがわかった。
那智の力は、ツモる牌の内容を知っているということ。だから、自分が和了れるタイミングもわかるが、同様に相手が和了ってしまうタイミングもわかる。
東藤の力は、流れを変えて相手の和了りを阻止し、尚且つ自分の方に流れを持ってくる力だ。
本当に強かった。
二人でいれば無敵だった。
やっぱり、これで終わりになんてしたくない。
けれど東藤には、さっきから何か、重い覚悟のようなものが感じられた。
今まで、手牌が見えても東藤が考えていることはわからなかった。今は牌の情報がない代わりに、彼の思いが伝わってくる気がする。
この対局で勝てれば、きっとこれで終わってしまう。いつも通り一緒に帰っていつもの丁字路で別れる。そして、きっともう会わない。でももし負けたら? そうしたら那智の心が伝わるだろうか。
那智の和了り牌が出たのは、そんなことを考えていた時だった。
(出た。一筒…)
手が止まる。那智の手は対々和、三暗刻。ツモれば四暗刻だった。全てを刻子で揃える、比較的頻度の高い役だ。
これを和了ればトップをまくることが出来る。
ちらりと東藤の捨て牌に目をやる。
おそらく彼の手は国士無双、一筒待ちだろう。
残りはたった四巡。彼のことだから、とっくに聴牌しているに違いない。
国士無双は、字牌と一九牌を全種類一枚ずつ集めなければならない。その中でどれか一つを雀頭として二枚にして、合計十四枚だ。
一筒は、ドラの表示牌が一枚に、那智が二枚持っていて、これが最後の一枚だ。ここで和了らなければ、東藤は負けが確定する。那智の方も残り四巡でこの点差、今から手を変えることは不可能だ。ここで和了らなければ確実に負ける。
それなのに。
(東藤さん、なにも言わない)
東藤が和了る気配はない。
勝ったら終わり。今ここで、一言「ロン」と言って手牌を倒せば、もう東藤と一緒にいることはなくなるのだろう。
那智はくすりと小さく笑って、何も言わずに次の牌をツモった。
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