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第1章 サイドストーリー 恐怖の怪談七不思議
最終話 君にも届け
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4人を追いかけた結果、たどり着いた場所は何故か屋上だった。
「ちょ……足速すぎ…」
「も~う、屋上に来たって帰れないよ~?」
「わ、分かってるけど怖くなったら屋上来たくなるじゃーん!」
「だろ? 開放感とかもあるしなぁ?」
「でも屋上じゃ逃げ場ないですよね」
そりゃそうだよ屋上だし。にしても、ホラー映画とかだと屋上ってクライマックスだよね。
お化けがキャラ達を追い込むのに丁度いい場所だし。
「あれ~? 屋上の扉、開けっ放しだったっけ~?」
「え、僕閉めましたけど……本当だ、開いてる」
「ね、ねぇ。誰か来てない?」
美由が指差す先。それは屋上と3階を繋ぐ階段だが、誰かの影が見えている。
「「うわぁぁぁぁぁ!」」
「ちょっと~、落ち着かないと何もできないよ~。でも~、多分あの子だよね~、例の生徒」
「だとしたらさ。なんか放っとけないよね」
今実際、そうなりそうなやつが1番近くにいるわけだから。
「えっと……あのさ~! 明日、学校の前でライブやるけど、良かったら見に来てよ!」
「ソウくん……絶対見に来てね~、あと音楽室行ってもいい~? あたしと~、ソウくんで行くから4人のことは見逃してあげて~?」
2人の声が届いたのか、階段に見えていた影はゆっくりと消えていった。
「マ、マジもんの幽霊だよなあれ」
「で、でもさ。壮亮の言う通り、他人事ってわけじゃないよね。颯太のこと考えると、ね」
「まあぼくは、非現実的とは思ってるけど。何かするって言うなら手伝うよ」
「もう、正直に認めたほうが良いですよ、相手は幽霊だから呪われるかも」
「えっ、呪い……」
あ、そこ認めるんだ。怖いもんね、呪いとか。でも、ショウニイのこと考えると、怖いとか思うよりも可哀想とか思えるんだよね。
「……美琴。私も音楽室行くよ」
「ぼ、ぼぼ、ぼくも行くよ!」
「なら私も行きます!」
「それなら俺だって!」
「アハハ~、流石はポシャンだね~」
音楽室-
「そうだ~、ジャズ研の楽器借りてもいいかな~?」
「いいとは思うけど、あまりいじらないほうがいいと思う。一応は私物だから」
「分かってるよ~。まあチューニングはするかもだけど~」
「もしかして美琴……やる気?」
「そうだよ~? 真夜中の学校でライブやれば、ちょっとは気も楽になるでしょ~?」
その美琴の顔は本気だった。強がりでなく、偽善を思ってるような顔でもなく。ただただ本気の顔だった。
「よっしゃ、やってやろうじゃねぇか! 幽霊だろうがなんだろうが、なんだって盛り上げてやるぜ!」
「はい! やりましょ!」
「ポシャンの意地、見せつけよう!」
「なんか急に意気込んじゃってるけど……まあいっか。やりましょう!」
「ぼくはいつでも。月光の中で演奏するのも悪くない」
「じゃあやりましょうか。えっと……うわ、寒っ⁉︎」
え、なんでこんなに音楽準備室だけ冷えてるの⁈ 氷点下いってるのかな、息白いんだけど。
「と、とりあえず楽器!」
冷え冷えの楽器をなんとか運んで、6人はそれぞれの定位置についた。
「それじゃあ……何でいくよ?」
「higher higherで」
「オッケ~、じゃあやりますか~!」
「いくぜ、1、2、1・2・3・4!」
今までよりも高く、もっと高く。極楽へと届くくらいまで精一杯歌う。
1人で学校に残されたための孤独も悲しさも忘れるくらいの歌を、絶対届けるんだ!
高みを目指す理由、もしかしたらショウニイと僕で違うかもしれない。だけど、僕なりに思う高みを、声に変えて!
数分後-
「以上でライブは終わりです!」
や、やれるだけのことはやった。もう限界だけど、それでも快感。それに-
「空気変わったな」
「うん、なんか柔らかくなったと言うか…」
「あれ、窓開きますよ⁉︎」
「じゃあ……解放されたの⁈」
「や、やったぁぁぁぁぁ……」
「ちょっとケンケン、目を輝かせながら気絶しないでよ~」
終わった、このライブが。目標は達成できたし、楽しい演奏できたし一石二鳥だね。
それじゃあ、帰りますか。僕達はまだ未練だらけだから。
「ちょ……足速すぎ…」
「も~う、屋上に来たって帰れないよ~?」
「わ、分かってるけど怖くなったら屋上来たくなるじゃーん!」
「だろ? 開放感とかもあるしなぁ?」
「でも屋上じゃ逃げ場ないですよね」
そりゃそうだよ屋上だし。にしても、ホラー映画とかだと屋上ってクライマックスだよね。
お化けがキャラ達を追い込むのに丁度いい場所だし。
「あれ~? 屋上の扉、開けっ放しだったっけ~?」
「え、僕閉めましたけど……本当だ、開いてる」
「ね、ねぇ。誰か来てない?」
美由が指差す先。それは屋上と3階を繋ぐ階段だが、誰かの影が見えている。
「「うわぁぁぁぁぁ!」」
「ちょっと~、落ち着かないと何もできないよ~。でも~、多分あの子だよね~、例の生徒」
「だとしたらさ。なんか放っとけないよね」
今実際、そうなりそうなやつが1番近くにいるわけだから。
「えっと……あのさ~! 明日、学校の前でライブやるけど、良かったら見に来てよ!」
「ソウくん……絶対見に来てね~、あと音楽室行ってもいい~? あたしと~、ソウくんで行くから4人のことは見逃してあげて~?」
2人の声が届いたのか、階段に見えていた影はゆっくりと消えていった。
「マ、マジもんの幽霊だよなあれ」
「で、でもさ。壮亮の言う通り、他人事ってわけじゃないよね。颯太のこと考えると、ね」
「まあぼくは、非現実的とは思ってるけど。何かするって言うなら手伝うよ」
「もう、正直に認めたほうが良いですよ、相手は幽霊だから呪われるかも」
「えっ、呪い……」
あ、そこ認めるんだ。怖いもんね、呪いとか。でも、ショウニイのこと考えると、怖いとか思うよりも可哀想とか思えるんだよね。
「……美琴。私も音楽室行くよ」
「ぼ、ぼぼ、ぼくも行くよ!」
「なら私も行きます!」
「それなら俺だって!」
「アハハ~、流石はポシャンだね~」
音楽室-
「そうだ~、ジャズ研の楽器借りてもいいかな~?」
「いいとは思うけど、あまりいじらないほうがいいと思う。一応は私物だから」
「分かってるよ~。まあチューニングはするかもだけど~」
「もしかして美琴……やる気?」
「そうだよ~? 真夜中の学校でライブやれば、ちょっとは気も楽になるでしょ~?」
その美琴の顔は本気だった。強がりでなく、偽善を思ってるような顔でもなく。ただただ本気の顔だった。
「よっしゃ、やってやろうじゃねぇか! 幽霊だろうがなんだろうが、なんだって盛り上げてやるぜ!」
「はい! やりましょ!」
「ポシャンの意地、見せつけよう!」
「なんか急に意気込んじゃってるけど……まあいっか。やりましょう!」
「ぼくはいつでも。月光の中で演奏するのも悪くない」
「じゃあやりましょうか。えっと……うわ、寒っ⁉︎」
え、なんでこんなに音楽準備室だけ冷えてるの⁈ 氷点下いってるのかな、息白いんだけど。
「と、とりあえず楽器!」
冷え冷えの楽器をなんとか運んで、6人はそれぞれの定位置についた。
「それじゃあ……何でいくよ?」
「higher higherで」
「オッケ~、じゃあやりますか~!」
「いくぜ、1、2、1・2・3・4!」
今までよりも高く、もっと高く。極楽へと届くくらいまで精一杯歌う。
1人で学校に残されたための孤独も悲しさも忘れるくらいの歌を、絶対届けるんだ!
高みを目指す理由、もしかしたらショウニイと僕で違うかもしれない。だけど、僕なりに思う高みを、声に変えて!
数分後-
「以上でライブは終わりです!」
や、やれるだけのことはやった。もう限界だけど、それでも快感。それに-
「空気変わったな」
「うん、なんか柔らかくなったと言うか…」
「あれ、窓開きますよ⁉︎」
「じゃあ……解放されたの⁈」
「や、やったぁぁぁぁぁ……」
「ちょっとケンケン、目を輝かせながら気絶しないでよ~」
終わった、このライブが。目標は達成できたし、楽しい演奏できたし一石二鳥だね。
それじゃあ、帰りますか。僕達はまだ未練だらけだから。
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