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しおりを挟む「待たせてごめん!」
そう言って現れた新たな男性は、腕を掴もうとした男性に
「彼女がお世話になったみたいで…何かご迷惑をおかけしましたか?」
その言葉で
「い…いえ…迷ってたみたいだったので…」
そう言うと、そそくさとその場を去っていってしまいました。
その姿を見ながら
「遅くなってごめん、あっちは出会い系のなりすましだから、気をつけて」
「は…はい…ありがとうございます」
スーツを着たその人は、想像よりも立ち振る舞いも身なりもスマートな人でした。
「良かった。服、似合ってる」
「ありがとうございます」
服の事を知っている事で、彼本人だと理解しお礼と一緒に頭を下げると
彼はスマホを取り出し何かを打ち込みました。
直後に私のスマホが震え、先程私が送った
[◇◇◇に到着しました]
の後に
[僕で大丈夫ですか?]
それを見て確信に変わり、頷きながら
「はいっ」
と言いつつ
[はい]
と送信した私をフッと笑った彼に対して、新たな不安が湧き上がり、言葉にしようと思いつつも照れくさくなって
[私の方こそ大丈夫ですか?]
文字にしたそれを見て直ぐに
「もちろん。想像以上に綺麗な人で、正直驚いてる…」
その言葉に、嬉しさと、本人に逢えてようやく肩の力が抜けました。
緊張感が薄れた私をまるで戒めるように、彼は表情を変え
「安心した所だろうけど、まだ確認し終わった訳じゃないから」
そう言って壁に寄りかかった彼の視線に、少しだけ冷ややかさを感じ、再び緊張して、ゾクリとさせられました。
そしてそれは私の官能のスイッチを刺激する者である証明でもあったのだと思います。
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