或る日 【R18】

RiTa

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電車を降りてホームに立つと、肌に外気の温度を感じ、いつもよりも無防備な場所をより意識させられ、ストールをギュッと引き締めました。

ほとんど覆われていない秘部が気になり、大きく開く事の出来ない歩幅に、歯痒さを覚えつつ、スマホを見ながら約束の場所を探し歩きます。

大きな駅は迷路のようで、何度か迷いつつ、行き交う人に戸惑いながら、駅の中央部に広がるその場所に辿り着くと、待ち合わせの人々、通過する人々…

何処に居ていいのか分からず、キョロキョロ見回しながら、とりあえず壁際に身を落ち着かせ

[◇◇◇に到着しました]

と送ると、無意識にフゥッと一息ついていました。

緊張で普段どおりの呼吸が出来ていなかった事に気づくと、また緊張が込み上げて来ます。

それらしい人を見つけたいのですが、状況と恥ずかしさで、堂々と見渡すことが出来ずに、周りの人をチラ見するのが精一杯でした。

スマホを見ても、既読にはなっておらず、不安が表情にまで出てしまっていたのかもしれません。

「待ち合わせ?」

声をかけてきてくれたその人は、待ち合わせの相手なのか、どうなのか…

「は…はい…」

想像とは違っていたけど、スーツと私服で印象が違ってもおかしくはありません

こういう時は、何と言うのが正解なのか…

「誰と?もしかして、約束した人?とりあえず、ゆっくり話せる場所に移動しようか」

緊張で頭が回らなくなっていた私は、早口で言われたその会話を完全に理解出来ないまま〈約束した人〉と言う言葉だけで、そうなのかもしれないと判断しかけたのですが

私の腕を掴もうとしたその人の、急ぐ感じに違和感を感じてもいたのです。
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