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仲間が強すぎる その1

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「だいじょぶそぉ~?」

生きてきた中で、最も知性を感じない「大丈夫?」に立ち上がるタイミングを逃された

だがこの状況で話しかけて来てくれたのなら、ありがたいと思って良いのだと思う

「うん。大丈…」

大丈夫ではなくてもそう言う流れに乗りかけたのだが、声の主を見上げると
実は今この瞬間は大丈夫ではないのかもしれないと
大丈夫の夫を言い切る事は出来なかった

日陰の理由はソイツのデカさだった
190cmはあるのではないだろうか
そして立派なアフロヘアー
口には何かを咥えていたが、陰になって良く見えない

「は~い…アメちゃんあげるぅ~」

徐にポッケからあの有名な棒付きアメチャップスを取り出して差し出して来たのだ

「あ…ぁ…あり…がと…」

拒むことは出来ず、受け取ってしまっていた
それをどうする事も出来ず握り締めていると

ソイツは隣の席のその隣の椅子に座った
それでもデカいのだが、今度は日陰に目が慣れたのと、近くなった事で見えた顔が意外にも童顔で

バカかもしれないが、デカいだけで悪いヤツではなさそうだ

それが彼の第一印象だ

何かを咥えていたのはアメチャップスだったのかと、ソイツの口元を見ると

「え゛?」

「あ~コレェ?コッチはあげな~い」

咥えていたのはその辺で拾ってきたのではないかと思うような木の棒で
口から出して私に自慢するように見せつけてきたが

「いや…いらない…」

木の棒には齧った痕まで付いていた

いろいろ追いつかない

血を流しに行く事を理由にこの場を離れようと思っていると

「どしたの~?ソレ~すげぇいたそ~」
「ちょっと…来る途中…車に…」
軽く接触と続けるつもりだったのだが

「すげぇ~不死身じゃ~ん」
「ハハ…そう…だね…じゃぁ私…」

面倒なのでそう言う事にしておこうと決めて、血を流してこようと言いかけた途中に
声のボリュームを間違えたかのようにアフロが

「ねぇ~!このこ~すげぇからちょっときて~!」

「!!!」

ちょっと待って…ソレを大声でってどゆこと?
そりゃみんなコッチ向くでしょ
あだ名?あだ名なの?

驚いた瞬間に、遅刻の時より強めのみんなからの視線に咄嗟に顔を下げた

「あー?うん」

驚く事にと呼ばれた男はあのキラキラ女子に囲まれていて、やる気の無い返事と共に立ち上がると、何事も無くこちらに堂々と向かって来たのだ

もう止めてくれ…コレ以上あのキラキラ女子との間に距離を作りたくはないのに

ずっと下を向いている事にした
何も考えずに傷口を眺めよう…

「このこねぇ~くるまにぃひかれてきたんだってぇ~すげぇくね~?」

んなわけないじゃん!轢かれてコレはありえないって!
ねぇ、バカなの?やっぱバカなの?ねぇ!

「……………なんで?」

って私が進んで轢かれて来たみたいになってんじゃん!のくせにすげぇ普通の疑問ぶつけてくんなよ

しかも完全にアフロに聞き返してるから

「そだねぇ~ねぇ~なんでぇ~?」

ほらまたアフロが余計な疑問を持ってしまったじゃないか
あぁ…もうこの場を離れたい…もう現実から逃避したい…









チャラララー…チャーラー…チャーラー…♪
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