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シールドとかそういうのいらないんです

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混乱の初日を終え、お昼ご飯を食べて帰宅した

衝撃展開が多すぎて
全てをもう1度思い返してみようとすればするほど
アフロの事しか思い出せずにいた

多分アフロの存在が1番の衝撃なんだと言う事だろう

それにゲームに迷い込んでしまったようなアレは
夢に出て来るおじいちゃんに聞けば何か分かる気がしていて
ベットに入って眠りにつくまで
それが今夜だと感じていた………のに



ピピピッピピピッピピピッ



目覚ましに起こされるまで
充分に睡眠が取れてしまった

おじいちゃん来ないんかいっ!


昨日の二の舞はごめんだ
急いで準備をして予定の時間に家を出る

だがずっと不安が付き纏っているのは
今日は“お昼を学食、もしくは学校付近の飲食店で食べる”
というミッションを抱えているからだ

ぼっちが決まってしまった今
お昼までに友達とまではいかないにしろ
一緒にご飯を食べる人を見つけておきたいと
強く願いつつ学校へと向かった

「おはよー」
「うぃーっす」
「一緒行こうぜ」
「あー授業だりー」

校門前から生徒たちがそれぞれに挨拶し合い
それぞれの友達同士で固まりを作る

この中にクラスメイトもいるのかもしれないが
残念な事にアフロとやりちん以外の人の顔が思い出せない

授業毎に指定された教室に移動するスタイル
その日の1時間目は私達の時間割で最も多用するであろうPCルームからの始まりだった

席は決まっておらず
来た人から好きな席に座っているようだ

キラキラ女子達はまだ来ていない

先生からは目立たなそうな席
でも端っこ過ぎると仲間に入り難くなりそうなので…

後ろから2列目の窓から3番目の席に荷物を置き腰を落ち着けた

少しずつ人が増えてきて

「ここ空いてる?」
「あ、昨日遅刻の子だよね?」

私の席の前に3人組の男子が荷物を置きかけた

「うん、空いてるよ。そうそう!遅刻だったけど何故か怒られなかったのw」

良かった距離を置かれてない!
更に、昨日の事も良い感じに話題になって、会話も弾みそうだ!

と思ったら、彼ら置きかけた荷物を持って

「あー…アッチが…良いか…」
「そうだな…」
「じゃ…また…」

「え?」

ちょっと待って!明らかに座ろうと思ったけどやーめたって感じ…

なんで?どして?

不~死子フ~ジコちゃ~ん…おっはぁ~」

「は?」

木の棒を咥えたアフロとやりちんが
当たり前のように空いてる隣の窓際2席に荷物を置き座った

因みに窓→アフロ→やりちん→私
つまり私は完全に日陰の女

「………」

キラキラ女子達が真ん中を起点とした私達と点対象の場所にキラキラと座り出しているのが見える

机より生徒の方が少ない箱でこの場所は
離島と呼ぶに相応しい
前にも後ろにももちろん横にも誰も座ろうとしない

こちらの考えなど全く気にしてないであろうアフロは

「は~い…アメちゃんあげるぅ~」

昨日同様ポッケから取り出したアメチャップスを
やりちんを越えて差し出した

「………」

いろいろ言いたいけど何も言えないままそれを眺めていたが
アフロの手も引っ込む様子がない

そして間にいるやりちんも
目の前で邪魔なやり取りが行われているというのに
それを受け取って私に渡そうという気配もない

「はーい。静かにー授業始めるぞー」

結局、先生の登場に日和った私が
やりちんの目の前に差し出されたアフロの手からアメチャップスを受け取ってしまっていた



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