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私の才能
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混乱する中
その場を立ち去るのに相応しいのは「すみません」なのか「間違えました」なのか
もしくは他の方法があるのか
開いたドアの下方部を見て視界に彼の気配も感じつつ
正しい方法を巡らせていると
「とりあえず入って」
「あ…はい…」
この場面を誰かに見られるのも確かに問題があるのだと気付きそれに従いました
進められた椅子に座り
そこで会話が済めばお互い「忘れましょう」と無かった事になるでしょう
椅子に座る自分と窓際に寄りかかる彼
視界には膝とその上にある自分の手の甲だけのはずなのに
視線はガッチリ感じながら
彼からの「無かった事にしましょう」の言葉をただひたすら待っていましたが
時が流れるだけで一向に彼の声は発せられませんでした
顔を上げる事も声を出す事もしないその無言の気まずい空間で
向こうからの「解散」を待ち続けてる間
無言の我慢比べの時間をやり過ごそうと
脳内で僅かな彼の情報を検索する作業と自問自答が始まりました
年齢はもしかしたら少し上なのかもしれません
仕事は出来るのに役職が付かないのは結婚しないからじゃないかと同じ部署の男性社員が言っていたような気がします
女性の気配が無い事にゲイじゃないのかと女性トイレで話してる声を聞いた事がありました
人付き合いはあまりしなくて飲みに誘っても付き合ってくれないと彼の上司がこちらの上司にこぼしていたような覚えもありました
会社での人間付き合いが希薄ならば[遠い部署の接点のない私の事を知らない]可能性が大きいのではないでしょうか!
私を見た時だって彼の表情には
驚きも動揺も焦りもありませんでした
知らない女性を呼んで知らない女性が来ただけのことなら当たり前です
それに気づいた瞬間
掌に尋常じゃない程握っていた汗を初めて冷たく感じました
[良くも悪くも目立たない]私の理由があって今この時の為だったなら
今までの人生全て納得がいくとまで思えて来たのです
知らないならば
会ってこんなに長い間だんまりの女当然誰でも「ごめんなさい」です
愛想も会話もない理由だって
1目見て彼的に「ナシ」な女なら当然です
僅かな優しさで「ムリだ」と言えないままで
あちらも待っているに違いありません
こちらから「やっぱりムリですよね」とやんわり帰ることが
私的にも彼的にも正解で誰も傷付かないのです
1度頭の中で自分の座る椅子からドアまでのシュミレーションを行いました
席を立ち顔を上げずでも笑顔で
「すみません、やっぱりムリですよね?」
と言いつつドアに向かい
「失礼しました」
とドアを出るだけです
知らないのなら今後の為に
凝視されている時間は短い方が良いに決まっています
そうと決まれば
軽く咳払いして1息呼吸を整えました
その場を立ち去るのに相応しいのは「すみません」なのか「間違えました」なのか
もしくは他の方法があるのか
開いたドアの下方部を見て視界に彼の気配も感じつつ
正しい方法を巡らせていると
「とりあえず入って」
「あ…はい…」
この場面を誰かに見られるのも確かに問題があるのだと気付きそれに従いました
進められた椅子に座り
そこで会話が済めばお互い「忘れましょう」と無かった事になるでしょう
椅子に座る自分と窓際に寄りかかる彼
視界には膝とその上にある自分の手の甲だけのはずなのに
視線はガッチリ感じながら
彼からの「無かった事にしましょう」の言葉をただひたすら待っていましたが
時が流れるだけで一向に彼の声は発せられませんでした
顔を上げる事も声を出す事もしないその無言の気まずい空間で
向こうからの「解散」を待ち続けてる間
無言の我慢比べの時間をやり過ごそうと
脳内で僅かな彼の情報を検索する作業と自問自答が始まりました
年齢はもしかしたら少し上なのかもしれません
仕事は出来るのに役職が付かないのは結婚しないからじゃないかと同じ部署の男性社員が言っていたような気がします
女性の気配が無い事にゲイじゃないのかと女性トイレで話してる声を聞いた事がありました
人付き合いはあまりしなくて飲みに誘っても付き合ってくれないと彼の上司がこちらの上司にこぼしていたような覚えもありました
会社での人間付き合いが希薄ならば[遠い部署の接点のない私の事を知らない]可能性が大きいのではないでしょうか!
私を見た時だって彼の表情には
驚きも動揺も焦りもありませんでした
知らない女性を呼んで知らない女性が来ただけのことなら当たり前です
それに気づいた瞬間
掌に尋常じゃない程握っていた汗を初めて冷たく感じました
[良くも悪くも目立たない]私の理由があって今この時の為だったなら
今までの人生全て納得がいくとまで思えて来たのです
知らないならば
会ってこんなに長い間だんまりの女当然誰でも「ごめんなさい」です
愛想も会話もない理由だって
1目見て彼的に「ナシ」な女なら当然です
僅かな優しさで「ムリだ」と言えないままで
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