ピーナッツバター

One Summer day⑤

「とりあえず、試着してみた方がいいんじゃね？」

「うん、そーする！」

店員さんに案内してもらって僕は試着室へ向かった。

「あ、空。履いたら呼べよ。チェックしてやるから」

「はーい」

そう言って、僕はその水着を試着してみた。

うん、いい感じ。サイズは少しダボッとしてるけど、これくらいの方がいいと思う。

「ひよしさーん、履いたよー」

僕は試着室のドアから顔だけを出してひよしさんを呼んだ。

すぐ近くにいたひよしさんは試着室の中に入ってきた。

「お、いいじゃん！チェック模様が空っぽくてよく似合ってるよ。可愛いぜ」

「うー」

似合ってるは嬉しかったけど、可愛いと言われて僕は膨れた。カッコイイやつを選んだつもりだったんだけどなぁ。

「つーか、空…」

「何？…わっ」

Tシャツに手を掛けてきた。

「上も脱げよ」