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(日常小話)これって嫉妬?②

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嫉妬…だよね。これって。

授業が始まっても全然集中できなかった。

女子生徒がひよしさんと話をしている姿を見ても何とも思わないのに、女性教師と話をしている姿を見た途端、なんだか胸がざわざわしちゃった。

そういえば、ひよしさんと僕って一周り以上、年が離れてるんだよね。

僕ってひよしさんから見たら子供なのかな。

さっきの先生みたいな大人の女性と話をしている方がひよしさんは楽しいのかな。

あんなに楽しそうな顔しちゃってさ。

机の上に広げた教科書がぼやけた。

「え…うそ…」

涙で目が滲んでいることに気付いて、慌てて拭う。

もう、僕ってどんだけ泣き虫なの。

ひよしさんが女の人とちょっと話していたのを見ただけなのに。

自分で自分が嫌になる。


ブブブッ

「わ…っ」

ポケットの中のケータイが鳴って驚く。

先生にバレないようにこっそりと見た。

― 空のそういうとこ、ほんと可愛くて好きだぜ。

ひよしさんからだった。

― はい?何の話?

僕はそう返信した。

いきなり何を言ってるんだろう。

すると、すぐに返事が来た。

― なんでもねー。とりあえず、ひとつ言っておく。

続けて2通目が来た。

― 俺は空が大好きだ。もう何回も言ってるけどな。

さらに続けて3通目が来た。

― 空と一緒にいる時間が俺にとっては一番楽しくて大切な時間だ。それに勝るもんはない。それに、年の差なんて意識したことすらねーよ。嫉妬してくれるのは嬉しいけど、そんな必要ないんだからな、空。

4通目にはあまり可愛くないGoodスタンプが送られてきた。

ひよしさん、エスパーなの?

なんでわかっちゃうの?

僕が今考えていたこと全部。

さっきの胸をちくちくする痛みは、いつの間にかキュンと甘い痛みに変わっていた。

僕はまた右手で胸を抑える。

「‥心がいくつあっても足りないよ…」

僕は誰にも聞こえない小さな声でそう言うと、ひよしさんにこう返事した。

― 授業中の生徒にラインするなんて、先生なのに良くないんじゃない?( •́ㅿ•̀ )

すぐに返事が来る。

― どうせ授業に集中してなかったろ?

ほんとに全部お見通しみたい。






END







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