カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

文字の大きさ
27 / 124
アカリとフシギなタマゴ編

27色 アカリの試練2

しおりを挟む
「ところでこれからどうしたらいいのかな?」

 教室をでたはいいけど、どこにいっていいのかわからず、首を傾げると、クロロンがやさしく教えてくれる。

「たぶん、みんな別々の場所にいると思うけど、一番わかりやすいのは、れいたくんかな」
「レータ?」
「うん、れいたくんといったらなにが思い浮かぶかな?」

 さっそくクロロンがヒントを出してくれる。

「メガネ」
「そっちじゃないほうだね」
「えっと、確か、レータっていつも分厚い本を読んでた気がする」
「そうだね、本っていったらどこが思い浮かぶかな?」

 わたしのおバカな答えにクロロンはやさしくヒント、ほぼ答えをだしてくれる。

「ん~? 図書館?」
「じゃあ、行ってみようか」
「うん」

 ここの教室が2階で、確か、図書館は3階だったよね。 わたしたちは図書館にむかうために廊下に出る。

 ふと、わたしはクロロンに気になっていた質問をする。

「ねえ、クロロン。 今わたしの目の前にいるクロロンはホントにニセモノなの?」
「うんそうだよ」
「うーん、やっぱり信じられないなぁ……」

 わたしは目の前にいるクロロンをもう一度確認するけど、どこからどうみてもあの童顔のかわいらしいクロロンだった。 そして、しっかりとチャームポイントの左目の下の泣きボクロもある。

「正直、ぼくも変な感じはするな。 でも、創られたものだからこそ自分がニセモノって理解できるのかな」
「え? どういうこと?」
「なんていったらいいかな~ぼくもなんとなくなんだけど、今のぼくの記憶や思い出って『組み込まれた』って感じがするんだ。 いいかたはあれだけど、ロボットみたいな感覚だね」
「……」

 その言葉になんだか、フシギな気持ちになる。

「それともうひとつ根拠があるんだ」
「こんきょ?」

 クロロン自体は自分が『ニセモノ』と確信しているみたいだ。

「いろのさんの頭の上のクーくんがぼくの頭に乗ってこないことだね」
「え!?」
「ピュルーン?」

 確かにいつもならまっさきにクロロンの頭の上に乗るクーがわたしの頭の上から離れていなかった。

「つまり、記憶や姿をマネ出来てもぼくを創っているのは、別の魔力だから素の部分が違うってことだね」
「へえーそうなんだ」

 クロロンは笑顔で話すけど、なぜだかわたしは『さみしさ』を感じた。

「あ、着いたよいろのさん」

 話しているうちに図書館の前に着いた。 図書館のドアを開けると中にイスに座って本を読んでいる青年がいた。

「あ! レータ発見!」
「図書館では静かにしてくれないかい?」
「ごめん」

 大きな声を出してしまい怒られてしまった。

「これを読んだら相手をしてやるから少し待っていたまえ」

 本から目を離さずにレータはいう。

「じゃあ、いろのさん、ぼくたちもなにか本を読んでいようか」
「うん、そうだね」

 レータの読書が終わるまでわたしたちは本を読んで時間を潰すことにする。

「とは言ったけどわたし文字がいっぱいあると眠たくなっちゃうんだよね……」

 本棚に並べられたたくさんの本を眺めながら、唸る。

「なら、これなんてどうかな? マンガを読みながら勉強できる本みたいだよ」

 困ってるわたしにクロロンは本を渡してくれて、それを開く。

「ホントだ! これならわたしでも読めるかも!」

 続きを読もうと席にむかおうとしたわたしはクロロンの持っていた本が気になった。

「クロロンそれは?」

 わたしの質問にクロロンは表紙を見せながら答えてくれる。

「コレ? これはね、ぼくが好きなミステリー作品の外伝だよ」
「がいでん?」
「えーっと、わかりやすくいうと主人公とは別の人のお話だよ」
「へえークロロンってミステリー作品とか読むんだね」

 そういったものを読むのが意外でわたしは驚く。

「うん、こわいのはすごい苦手だけど、この作品はすごいおもしろいんだ」
「その作品なら僕も好きだよ」

 レータは目を本から離さずに話に入ってきた。

「え? れいたくんも知ってるの?」
「ああ、キャラクターも魅力的だし、何よりもストーリーが面白い。 知名度は低いけど知る人ぞ知る作品だな」
「だよね! れいたくんはどこの話が好きかな?」

 クロロンはうれしそうにレータに聞く。

「そうだね、一作品目の二章かな。 犯人が知らない内に被害者の死体が移動させられて犯人が動揺しているのが面白かったね」
「ぼくは二作品目の三章かな」
「あーあれか……なかなか独特な所が好きだな」
「なんていうか、今までやさしくて主人公を助けていて最後まで生き残りそうだったのにそんな人が犯人で途中退場しちゃうのが衝撃的だったな」
「まあ、あれは仕方ないよ。 あれは黒幕のせいだ」
「だよね!」

 二人は楽しそうに話合う。

「でも、一番おもしろい話は二作品目の五章だと思うな」
「だろうね。 僕も同意見だ」
「なんだかスゴイ楽しそうだね」

 二人の話に入ると、盛り上がっていたクロロンが慌ててあやまってくるけど、全然気にしてないわたしは笑顔をむけ答える。

「あっ!? ごめんねいろのさん、ぼくたちだけで盛りあがっちゃって」
「いいよ、二人が楽しそうにしてるとわたしもなんだかうれしくなっちゃってだから、わたしにもすこし教えてほしいな!」
「!?」

 ナゼだか二人は驚いた顔をしていた。

「どうしたの?」
「えっと、いや、なんというか」

 クロロンはレータをみる。

「珍しいなと思ってね」
「めずらしい?」

 レータの言葉の意味がわからず、首を傾げると疑問に答えてくれる。

「自分の知らない話で盛り上がっていたとしたら、普通は興味ないだろう? それを自分から教えて欲しいなんて、随分変わっているなと思ってね」

 レータ自身もフシギそうにわたしに聞く。

「そうなのかな? もし、そうだったとしても、わたしはみんなの楽しそうな笑顔がみたいから、わたしはみんなの好きなものが知りたいな!」
「……」

 二人は互いをみる。

「まあ、君らしいと云えば、君らしい意見だね」
「さすがいろのさんだね」
「え?」

 ナニかに納得したように二人はクスリと笑う。

「さて、僕の所にわざわざ来たのは《コレ》が目的だろう?」

 レータはナニかのカケラみたいなモノを取り出した。

「それってもしかして」
「あげるよ」

 アッサリとそれを渡される。

「え?」

 ポカンとマヌケな声を出してしまう。 それをみたレータは呆れたようにため息をする。

「何を驚いているんだい? まだ、僕の分だけだぞ」

 突然のことにわたしは状況がうまく読み取れない。

「え~~~っと、どういうこと?」
「説明しないといけないかい?」
「うん、お願いします」
「ハァ~~~」 

 レータは再度、大きなため息をつく。

「まあ、一言で云えば、君がなかなか面白いことを言ってくれたから、僕の《カケラ》を渡しただけさ」
「?」

 わたしはさらに首を傾げる。

「つまり、いろのさんはれいたくんの試練に合格したってことだね」

 クロロンが一言でまとめてくれた。

「えっ!? そうなの!?」
「試練の内容はこれといって決まってないけど、《僕が渡したかったら渡せ》だからね」
「そうなんだ、なんだかよくわからないけどありがとう! レータ!」

 わたしはレータにお礼をいうと、「フッ」と笑い、背をむけ離れる。

「さっきの話だけど、本当に君が気になるなら《本物の僕》に聞くといいさ」
「それがいいかもしれないね」

 そうだった、スッカリ忘れていたけど、今、目の前にいるクロロンとレータはニセモノだったんだ。

「うん、わかった、楽しみにしてるね」
「じゃあ、僕の役目は終わったから先に失礼させてもらうよ」
「もう、行っちゃうの?」

 さっさといってしまうレータにクロロンが聞くと、振り向かずに声だけで答える。

「ああ、早いに越したことはないだろう」
「うん、そうだね。 じゃあまたね」
「ああ」

 そういうと、レータは煙となって消えてしまった。

「き、きえた!?」
「大丈夫だよ、れいたくんが死んじゃった訳じゃないから」

 驚くわたしにクロロンが説明してくれる。

「《今は》消えちゃったけど新しく創られる時は《今の》れいたくんがきちんと存在してるから」
「……? つまり、どういうこと?」

 せっかく説明してくれたのに、わたしがおバカ過ぎて理解できなかった。

 ごめんクロロン。

「えーっと、ちょっと待ってね…………あっ! そうそう、AIっていえばわかるかな?」
「えーあい?」

 なんのことかわからず、首を傾げる。

「新しいデータに今回のデータを移す感じだね」
「へえーそうなんだ、よくわからないけどすごいね」 
「伝わってよかったよ」

 クロロンがやさしく教えてくれて、なんとなくだけど理解が出来た。

「次はどうすればいいのかな?」
「そうだねぇ、うーんとじゃあ次はきのせさんをさがしてみよっか」

 また、クロロンがヒントをだしてくれる。

「わかった」
「きのせさんのいそうなところってどこかな?」

 ヒントをもとに考えてみる。

「フラウムのいそうな場所……。 フラウムは運動が得意だからもしかして『体育館』かな?」
「じゃあ、行ってみようか」

 わたしたちは一階にある体育館にむかう為に図書館を後にした。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。 だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。 「もう!どうしてなのよ!!」 クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!? 天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...