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アカリとフシギなタマゴ編
29色 アカリの試練4
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「ねえ、クロロン。 クロロンとシアンって幼馴染なんだよね」
「あれ? デジャブかな?」
屋上にむかいながら、わたしはクロロンにもう一度聞いてみる。
「シアンってむかしからあんなにボーとしてたの?」
「うーん、そうだね。 むかしから基本あんな感じだけど、しっかりと自分の《いし》はちゃんと持っていたよ」
「自分のいし?」
「《いし》っていっても、色んな意味があると思うけど、相手を思う《意思》、目標をしっかりと持っている《意志》とか、お医者さんの《医師》とかね」
たぶん最後のはなにか違う気がするけど、気のせいかな?
「みっくんはいつもボーっとしているけど、ちゃんと周りもしっかりとみれているんだ」
「シアンのこと信頼してるんだね」
「そうだね。 ちょっと言い方は気持ち悪いかもしれないけど、お互いのことを知っているからこその信頼かな」
「全然気持ち悪くないよ! むしろすごいうらやましいよ! 裏山に住む浦山さんなみにうらやましいよ!」
「うらやまさんってどなたかな?」
「とにかく、二人が固い友情で結ばれているってことだよね!」
「そういってもらえると少し照れくさいけどうれしいな」
そうこう話している内に屋上のドアの前に着いた。
「ここだね」
「そうだね」
「さて、シアンはいるかな?」
わたしはウキウキしながらドアを開けた。
すると、そこにはシアンはいなかった。
「あれ? いない?」
屋上を見回すけどシアンはどこにもいなかった。
「もしかして間違えちゃった!?」
「……ここ」
「え?」
声のした方に振りかえると、シアンが屋上のドアの屋根のところに座っていた。
「シアン! そんなところにいたんだね」
「まあ」
「みっくん空の眺めはどうかな?」
クロロンがシアンにそう尋ねると、シアンは屋根から降りてきた。
「やっぱり《本物の空》がみたい」
「そういうと思ったよ」
「え? 《本物の空》?」
わたしはすごく驚きながら聞く。
「ぼくたちと同じ様にこの場所というより空間も造られたモノなんだ」
「え!? そうだったの!?」
二人の言葉にに驚きながら空をみるけど、どう見ても、キレイな青空だった。
「アカリ、これ」
「え?」
空から顔を戻すと、シアンはわたしにカケラを手渡した。
「ええ!? もらっていいの!? 試練は?」
「終わった」
「ええ!?」
さっきからわたし『え!?』ばっかりいってる気がするけど、気のせいじゃないよね。
「どういうこと?シアン」
「《探す》それだけ」
頭にハテナをつけながら首をかしげる。
「えーっと、みっくんの言いたいことをまとめると、いろのさんがみっくんを『みつける』のが、みっくんからの試練だったみたいだね」
クロロンが補足してくれる。
「それとめんどくさかったから」
「正直だね」
軽くツッコムクロロンだったけど、シアンが「……でも」と続ける。
「……アカリなら、すぐみつけてくれると思ったから……それだけ」
どういうことだろう?
「やっぱりみっくんもいろのさんを信頼しているんだね」
「……」
シアンはなにも答えなかったが、クロロンはシアンの考えていることを理解している感じだった。
「じゃあ、行く」
「え? もう行っちゃうの?」
「終わったから」
「そうだけど、もうすこしお話したいな」
わたしはシアンを呼びとめる。
「また、今度」
そう一言だけシアンは無表情ながらもすこし嬉しそうに微笑んでいる気がした。
そして、その場から姿を消した。
「行っちゃったね」
わたしはシアンのマイペースさに呆気にとられていた。
「口数は少ないけど、ああみえてみっくんいつもいろのさんと話していて楽しそうにしてるんだよ」
「そうなの?」
「うん、だから帰ったらみっくんといっぱいお話してあげてほしいな」
クロロンがシアンの行動を丁寧に説明してくれた。
「わかった! 帰ったらみんなといっぱいお話しよう! もちろんクロロンともだよ」
「! ……あ、ありがとう」
わたしの言葉になぜかクロロンは驚いた顔をした。
「じゃあ、全員分カケラを集め終わったし神獣さんを探しに行こうか」
「あれ? まだ全員分集まってないよ?」
「え?」
「後はクロロンだけだね」
「え!? なんでわかったの!?」
クロロンはさらに驚いた顔をする。
「なんでって、今までわたしの大切なトモダチからだったから、クロロンももっているかなと思って」
逆になんで驚いているのかわからなかったから、わたしは首を傾げる。
「ぼくはただの案内役ってことは考えなかったのかな?」
クロロンはフシギそうに質問してくる。
「あ、そういえばそうだったね。 でも、それでも関係なかったかな」
わたしは「だって」と言葉を続ける。
「この試練は《人と人とのかかわり》をみているんだよね? だったら、クロロンが関係ないなんて思わなかったな」
クロロンはすこし顔をさげて考えごとをしている感じだったけど、すぐに顔をあげた。
「さすがいろのさんだね……ちょっとだけ、歩きながら話さないかな?」
「うん、いいよ」
わたしたちは屋上を後にした。
「あれ? デジャブかな?」
屋上にむかいながら、わたしはクロロンにもう一度聞いてみる。
「シアンってむかしからあんなにボーとしてたの?」
「うーん、そうだね。 むかしから基本あんな感じだけど、しっかりと自分の《いし》はちゃんと持っていたよ」
「自分のいし?」
「《いし》っていっても、色んな意味があると思うけど、相手を思う《意思》、目標をしっかりと持っている《意志》とか、お医者さんの《医師》とかね」
たぶん最後のはなにか違う気がするけど、気のせいかな?
「みっくんはいつもボーっとしているけど、ちゃんと周りもしっかりとみれているんだ」
「シアンのこと信頼してるんだね」
「そうだね。 ちょっと言い方は気持ち悪いかもしれないけど、お互いのことを知っているからこその信頼かな」
「全然気持ち悪くないよ! むしろすごいうらやましいよ! 裏山に住む浦山さんなみにうらやましいよ!」
「うらやまさんってどなたかな?」
「とにかく、二人が固い友情で結ばれているってことだよね!」
「そういってもらえると少し照れくさいけどうれしいな」
そうこう話している内に屋上のドアの前に着いた。
「ここだね」
「そうだね」
「さて、シアンはいるかな?」
わたしはウキウキしながらドアを開けた。
すると、そこにはシアンはいなかった。
「あれ? いない?」
屋上を見回すけどシアンはどこにもいなかった。
「もしかして間違えちゃった!?」
「……ここ」
「え?」
声のした方に振りかえると、シアンが屋上のドアの屋根のところに座っていた。
「シアン! そんなところにいたんだね」
「まあ」
「みっくん空の眺めはどうかな?」
クロロンがシアンにそう尋ねると、シアンは屋根から降りてきた。
「やっぱり《本物の空》がみたい」
「そういうと思ったよ」
「え? 《本物の空》?」
わたしはすごく驚きながら聞く。
「ぼくたちと同じ様にこの場所というより空間も造られたモノなんだ」
「え!? そうだったの!?」
二人の言葉にに驚きながら空をみるけど、どう見ても、キレイな青空だった。
「アカリ、これ」
「え?」
空から顔を戻すと、シアンはわたしにカケラを手渡した。
「ええ!? もらっていいの!? 試練は?」
「終わった」
「ええ!?」
さっきからわたし『え!?』ばっかりいってる気がするけど、気のせいじゃないよね。
「どういうこと?シアン」
「《探す》それだけ」
頭にハテナをつけながら首をかしげる。
「えーっと、みっくんの言いたいことをまとめると、いろのさんがみっくんを『みつける』のが、みっくんからの試練だったみたいだね」
クロロンが補足してくれる。
「それとめんどくさかったから」
「正直だね」
軽くツッコムクロロンだったけど、シアンが「……でも」と続ける。
「……アカリなら、すぐみつけてくれると思ったから……それだけ」
どういうことだろう?
「やっぱりみっくんもいろのさんを信頼しているんだね」
「……」
シアンはなにも答えなかったが、クロロンはシアンの考えていることを理解している感じだった。
「じゃあ、行く」
「え? もう行っちゃうの?」
「終わったから」
「そうだけど、もうすこしお話したいな」
わたしはシアンを呼びとめる。
「また、今度」
そう一言だけシアンは無表情ながらもすこし嬉しそうに微笑んでいる気がした。
そして、その場から姿を消した。
「行っちゃったね」
わたしはシアンのマイペースさに呆気にとられていた。
「口数は少ないけど、ああみえてみっくんいつもいろのさんと話していて楽しそうにしてるんだよ」
「そうなの?」
「うん、だから帰ったらみっくんといっぱいお話してあげてほしいな」
クロロンがシアンの行動を丁寧に説明してくれた。
「わかった! 帰ったらみんなといっぱいお話しよう! もちろんクロロンともだよ」
「! ……あ、ありがとう」
わたしの言葉になぜかクロロンは驚いた顔をした。
「じゃあ、全員分カケラを集め終わったし神獣さんを探しに行こうか」
「あれ? まだ全員分集まってないよ?」
「え?」
「後はクロロンだけだね」
「え!? なんでわかったの!?」
クロロンはさらに驚いた顔をする。
「なんでって、今までわたしの大切なトモダチからだったから、クロロンももっているかなと思って」
逆になんで驚いているのかわからなかったから、わたしは首を傾げる。
「ぼくはただの案内役ってことは考えなかったのかな?」
クロロンはフシギそうに質問してくる。
「あ、そういえばそうだったね。 でも、それでも関係なかったかな」
わたしは「だって」と言葉を続ける。
「この試練は《人と人とのかかわり》をみているんだよね? だったら、クロロンが関係ないなんて思わなかったな」
クロロンはすこし顔をさげて考えごとをしている感じだったけど、すぐに顔をあげた。
「さすがいろのさんだね……ちょっとだけ、歩きながら話さないかな?」
「うん、いいよ」
わたしたちは屋上を後にした。
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