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南へ__
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そのあとは移動をしながら翡翠につまみ食いしたらしばらくおやつ抜きだと言い聞かせ、檪 いちいにも出てきてもらって、翡翠の見張りを頼む。
「それはいいが……俺が言ったところで聞くのか?既に重次にオネダリに行ったぞ?」
「あー!もう!それを止めてよ、いっちー!」
「お?おお、そうか……」
厳しいのかのんびりしているのか、意外にマイペースな檪と翡翠とのやりとりを見て、つい笑ってしまう。
「こんな旅もいいよね。重次さん、海まだ?」
「そろそろ付きます。でも雨が降りそうなので、海のそばの宿はやめた方がいいかもしれません」
「えー、残念!」
「雲が暑いですから、暫く降るかも知れません。その間どうされますか?」
「移動の事?」
「はい。雨風が強いと馬も疲れてしまいますし、補強はしましたが幌だけでは心許ないです。小雨程度たら全く問題ないんですけど……」
「桔花が可愛そうだから、小降りになるまでは安い宿にしよう。節約しないとお金もなくなっちゃうし」
「分かりました。今見えてる先に市場があるので、干物等だけでも買っておきましょうか」
大きな通りの左右にたくさんのお店が並んでおり、干し肉や魚、野菜や果物までいろんなものが売っており、塩や醤油なども量り売りで売られていた。
重次がいくつか買い物を済ませ、それを見てお金のやりとりや買い物の仕方などを覚えていく。
「次の買い物僕がしたい!」
「では、この財布を。食事や日用品用に取り分けてある分です。やりくりしないといけないので、ちゃんと値切ってくださいね」
「うん。ねえ、宿は狐たちも入れたらお金取られるの?」
「いえ、影は取られません。実は、この木札を見せれば買い物も、宿もタダになるんですが、冬弥様からそれははぐれた時や緊急の時だけと言われてますので」
「この札にそんな効力があるんだ。天狐ってやっぱり凄いんだね」
「それはもう。あ、あそこの果物屋で買い物しましょうか」
「いちごー!」
「ダメッ!」
「やーの!いちごー!」
「ひーちゃん、ダメなのです。この国にはイチゴがないのですー」
「うそ!無いの?」
「似たものならばあるのですけど、イチゴは無いのですー」
翡翠を見ると、人で言えば青ざめた状態。かなりショックだったらしく、微動だに動かない。
「ひ、ひーちゃん?いちごに似たのがあったら買ってあげるから。ね?」
「ひ、ひ……」
「ひ?」
「ひーたんの、いちごぉぉぉ!」と大声で泣き出し、重次に狐は出てても構わないのかと聞いて、大丈夫という事だったのでみんなで何とか泣き止まそうと頑張るが、ここまでイチゴが大好きすぎる翡翠には今は何を言っても無駄なようで、全く泣き止んでくれない。
果物屋さんで泣いてる翡翠を抱っこしながら、車椅子に乗って色々見ていると、甘い香りがイチゴっぽかったので、店員のおじさんに聞く。
「あの、この甘い香りの果物はどれですか?」
「ああ、それならこれだ。匂いは甘いが食べたら酸っぱいんだ」
見せてもらったのはリンゴによく似ていて、甘酸っぱい果物がないかと聞くと、葡萄によく似た小さな果実を見せられた。
「ひーちゃん、これ美味しそうだよ?これにする?」
「やっ!」
「じゃあ、こっちのみかんに似てる果物は?」
「やっ!いちごぉぉ……」
「もう、わがままばっか言うなら買ってあげないからねっ!」
「ひーーーー!」
珍しく悲鳴をあげていたので、おじさんに「甘い果物が欲しい」と言っていくつか見せてもらい、先程見た葡萄に似た果物が一房300円だったので、それを二つ。みかんに似たのも甘いと聞いて五つ買い、全部で1200円のところを1000円に負けてもらい、さらに泣いてる翡翠に、ひとつ上げるよとまん丸の赤い実をサービスしてもらった。
「これも甘いんだ。皮ごと食えるから、この子でも大丈夫だと思うよ」
「ありがとうございます。ほら、ひーちゃんも!」
「あ、ありあとー」
「はいよ。毎度あり!」
「それはいいが……俺が言ったところで聞くのか?既に重次にオネダリに行ったぞ?」
「あー!もう!それを止めてよ、いっちー!」
「お?おお、そうか……」
厳しいのかのんびりしているのか、意外にマイペースな檪と翡翠とのやりとりを見て、つい笑ってしまう。
「こんな旅もいいよね。重次さん、海まだ?」
「そろそろ付きます。でも雨が降りそうなので、海のそばの宿はやめた方がいいかもしれません」
「えー、残念!」
「雲が暑いですから、暫く降るかも知れません。その間どうされますか?」
「移動の事?」
「はい。雨風が強いと馬も疲れてしまいますし、補強はしましたが幌だけでは心許ないです。小雨程度たら全く問題ないんですけど……」
「桔花が可愛そうだから、小降りになるまでは安い宿にしよう。節約しないとお金もなくなっちゃうし」
「分かりました。今見えてる先に市場があるので、干物等だけでも買っておきましょうか」
大きな通りの左右にたくさんのお店が並んでおり、干し肉や魚、野菜や果物までいろんなものが売っており、塩や醤油なども量り売りで売られていた。
重次がいくつか買い物を済ませ、それを見てお金のやりとりや買い物の仕方などを覚えていく。
「次の買い物僕がしたい!」
「では、この財布を。食事や日用品用に取り分けてある分です。やりくりしないといけないので、ちゃんと値切ってくださいね」
「うん。ねえ、宿は狐たちも入れたらお金取られるの?」
「いえ、影は取られません。実は、この木札を見せれば買い物も、宿もタダになるんですが、冬弥様からそれははぐれた時や緊急の時だけと言われてますので」
「この札にそんな効力があるんだ。天狐ってやっぱり凄いんだね」
「それはもう。あ、あそこの果物屋で買い物しましょうか」
「いちごー!」
「ダメッ!」
「やーの!いちごー!」
「ひーちゃん、ダメなのです。この国にはイチゴがないのですー」
「うそ!無いの?」
「似たものならばあるのですけど、イチゴは無いのですー」
翡翠を見ると、人で言えば青ざめた状態。かなりショックだったらしく、微動だに動かない。
「ひ、ひーちゃん?いちごに似たのがあったら買ってあげるから。ね?」
「ひ、ひ……」
「ひ?」
「ひーたんの、いちごぉぉぉ!」と大声で泣き出し、重次に狐は出てても構わないのかと聞いて、大丈夫という事だったのでみんなで何とか泣き止まそうと頑張るが、ここまでイチゴが大好きすぎる翡翠には今は何を言っても無駄なようで、全く泣き止んでくれない。
果物屋さんで泣いてる翡翠を抱っこしながら、車椅子に乗って色々見ていると、甘い香りがイチゴっぽかったので、店員のおじさんに聞く。
「あの、この甘い香りの果物はどれですか?」
「ああ、それならこれだ。匂いは甘いが食べたら酸っぱいんだ」
見せてもらったのはリンゴによく似ていて、甘酸っぱい果物がないかと聞くと、葡萄によく似た小さな果実を見せられた。
「ひーちゃん、これ美味しそうだよ?これにする?」
「やっ!」
「じゃあ、こっちのみかんに似てる果物は?」
「やっ!いちごぉぉ……」
「もう、わがままばっか言うなら買ってあげないからねっ!」
「ひーーーー!」
珍しく悲鳴をあげていたので、おじさんに「甘い果物が欲しい」と言っていくつか見せてもらい、先程見た葡萄に似た果物が一房300円だったので、それを二つ。みかんに似たのも甘いと聞いて五つ買い、全部で1200円のところを1000円に負けてもらい、さらに泣いてる翡翠に、ひとつ上げるよとまん丸の赤い実をサービスしてもらった。
「これも甘いんだ。皮ごと食えるから、この子でも大丈夫だと思うよ」
「ありがとうございます。ほら、ひーちゃんも!」
「あ、ありあとー」
「はいよ。毎度あり!」
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