下宿屋 東風荘 7

浅井 ことは

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南へ__

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「そうですねぇ。父上も良かれと思って雪翔の安全だけを考えてましたから。あの子は前も同じことで怒りましたし、それに反対しなかったのは私も同じです。」

「冬弥様はこうなると分かってたんですか?」

「何となくは。雪翔の気が乱れてましたから」

「なんで止めてくれなかったんですか?私もう心配で心配で……」

「栞さん、心配してる暇なんてないですよ?我々は九堂の行方を探さなければいけませんし、巻物に書かれていてわかってる所だけでも見てこなければいけません。やることは沢山あります。栞さんもです。四社の狐がこの家を守りに交代できてくれてますが、下宿の仕事もありますし、見回りながら先ずはこの街の社すべてをもう一度調べ直そうって決まったじゃないですか……のんびりしている暇などないんです。それに、一番辛いのは雪翔ですよ?今は楽しい旅かも知れませんが、この季節に秋、冬と行けば、普通心が折れますからねぇ。栞さんの仕事はなんでしたっけ?」

「雪翔君が帰ってきた日に美味しいものを作っておくことと、侑弥のお世話。後は自分の社で気を溜めておくことです」

「はい。栞さんの社の空気はとても澄んでいます。そこに結界を張って、栞さんの癒しの気を溜め込めば、我々が疲れていても回復が早くなります。あなたも八尾の狐です。手伝ってもらえることはどんどん手伝ってもらいますから」

「分かってます……」

那智と交代で遠くの社から見ていき、気になる場所は徹底的に調べ、浄化し、自分の気を置いて帰ってくるといったことを何日も繰り返しているが、気を置いてくると、誰が社に入ってきたかもわかれば、すぐにその社まで飛べるので便利ではある。ただ、かなり疲れるので、たまに那智に支えてもらって帰ってくることも多い。

「なぁ、栞には言っておいた方がいいんじゃないか?」

「一々社の大小関係なく浄化して気を置いてきてますって?そんなこと言えば止められるに決まってますよ。疲れはしますが、置いてくることにそれほど影響はないんです。私達がこっちに帰ってきたのも、狐の国で九堂の反応がなかったこともありますし。また変な術で雪翔を追いかけ回していないといいんですけどねぇ」

◇◇◇◇◇◇
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