下宿屋 東風荘 7

浅井 ことは

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南中心街から秋へ

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すると後ろから、紫狐の笑い声が聞こえてきて、「紫狐はお写真みましたー。リスさんみたいでしたよ?」と言ってくる。

「しーちゃんも、南のジイジたちのことは詳しいの?」

「冬弥様に長くお仕えしてるので、知ってますー。とっても優しいですよ?後は、お館様と同じで心配性です。一番お強いのは、大奥様ですー」

「お婆ちゃんていつも笑ってるよね」

「はいー。でも怒ったら誰も止めることは出来ないのですー」

「大奥様を止められるのは冬弥様位でしょうか」

「栞さんもね、怒るとすっごく怖いんだよ。それも冬弥さんが止めてたなぁ……」

「栞様が怒るんですか?」

「うん、九堂に対してだったけど……耳としっぽが出てて、冬弥さんが話してるの聞いてたら、あんまり出さない方がいいみたいな言い方だったから気になったんだけど、聞かない方がいいのかなって思ってそのままにしてあるんだ」

「そう言えば、栞様は守りの力が強いとか……」

「うん。なにか関係あるのかな?」

「攻撃を得意としない社狐は居ますし、栞様とて八尾。それなりに攻撃もできると思いますが、守りが強いと伺ってます。稀に、悪いものが見えすぎてしまう方もいますが……「それだ!」

「それだよ。夜は出ちゃダメとか、見えてしまうとか冬弥さん言ってるの聞いたよ?」

ふむ、と重次が何かを考え、「例えですが、栞様も祓うことは出来ると思うのです。しかし、限界を超えてしまうと、力を使い果たして、その後に力が戻らなくなる狐もいます。もし栞様がそう言った形の狐なら止めるでしょうね」

「全然知らなかった。栞さんの所のおじいちゃん達は?」

「普通の狐ですよと言いたいところですが、お爺様の方は天狐になる前からお館様と仲が良かったと聞きますし、かなりのお力を持ってらっしゃると思います。試験を受ければ仙まで行かれたのではないでしょうか。御婆様の方は栞様に似てらっしゃいますが、少し力が弱いと思います。ですがお二方ともしっかりと影の狐も持ってらっしゃいますから、一般の民の中では困ることはそうないと思いますよ?」

話をしながら進んでいたので、かなり時間はたったと思うが、だんだん止めるところも少なくなってきたようで、次見つけた所が最後の場所だと言われ、速度を落としたてみるがやはり停めれそうな場所はない。

「仕方ありません。このまま進みます。坊っちゃまは後ろで休んでいてください」

「でも……」

「私なら大丈夫です。トンネル内なので外より寒くありませんし、桔花もトンネル前で休むことが出来ましたから」

そう言われてしまうと後ろに行くしかなく、炭を多めに入れて網を置き、向こうから持ってきたお餅を焼く。

「やっぱり時間かかるなぁ」

「ぷくぅーっとなりませんけど、だいぶ色がついてきてますよ?」

「しーちゃん、翡翠って食べれるかな?」

「歯も生えてますから、チョットずつあげたら平気だと思いますー」

「醤油しかないけど、それでもいい?」

金と銀はそれでいいと言いながら、早く膨らまないかとワクワクして待っているのが伝わってくる。
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