下宿屋 東風荘 7

浅井 ことは

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秋の国

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「暫く、練習しててくださいね?」

「その間に解読しててよ」

「え?面倒ですよ?あれ」

「僕ずっとしてたんだから!」

文句を言うと、重次と冬弥で取り掛かっており、図を見てから気を巡らせるイメージで意識を集中しながら、そのまま目を瞑っていたからか朝までぐっすりと寝てしまった。

「ゆーきーとー!」

「うわっ!」

「気持ちよさそうに寝てたんで起こしたくなかったんですが、なんで寝ちゃったんですか?私たち解読のほとんど出来たのに……」

「ご、ごめん。目瞑ってたらつい……」

「いいんですよ。最初はみんなそうですから。例えばですけどね、周太郎や一般の者でも強い人がいるでしょう?」

「うん」

「あれも気の一種です。一点に力を溜めて放つ。玄人にしか出来ませんが、風の一族なんかは、瞬時に気を動かしてます。防御、攻撃などに。なのであまり怪我もしませんし、身を守ることにも繋がります」

「イマイチ分からないよ?」

「坊っちゃま、例えばですが、敵からの攻撃が右腕に来たとします。その右腕に溜めた気を移動させることによって盾となります。そこから攻撃する際に、手を使う時には手に、足を使う時には足にと気を巡らせるんです」

「重次さんも風の一族だから簡単に言うけど、僕がその気を練って投げるとか飛ばして攻撃するとかそんな感じのことが出来ると思う?」

「「はい」」

「もう、簡単に言うんだから。でも練習はしておくね。結界だけじゃ不安だし」

「そうと決まれば朝餉です!何が出ますかねぇ」

「芋が出たよ?ふかし芋とか」

「あ、あれはこちらでは普通に主食としても食べられてますから。小さい餅の入った山菜汁は出ました?」

「まだ」

「あれはここでは難しいですかねぇ。次の中心街では出ると思いますよ?一応名物ですから」

朝ごはんにウキウキしている冬弥に、紫狐がこれまでの事を隣に座って話、お膳が運ばれてきてからも、うんうんと頷きながら、お箸を進めている。

二日目はやはり、荷台で地図や本を広げ、時折浮遊城にいる航平と連絡を取りながら、冬弥が進路を決めていく。

「ねえ、迂回してるみたいだけど、どうして?」

「航平が浮遊城で見ているのは知ってますよね?」

「うん」

「治安の悪いところは色が変わります。そこを回避しているだけですよ?今は……」

「今は?」

「どうも、今まで治安のよかった場所が急に色が変わり出したり戻ったりしてるみたいでしてねぇ。そこに九堂がいるかも知れないので、一応です。一応!」

「いつかは奪いに来るんでしょ?」

「狐の国ではしないと思いますが。ほら、地図みたいな形の場所の検討はついていたでしょう?そこを見に行ってきたんです。やはり、入れないところがいくつかありましてねぇ。そこから調べだして、とあるところに辿り着きました。かなり古い遺跡のようになっていましたが、かなりの力を感じましたから、少し旅を早く進めてもらって、雪翔にも力を溜めてもらって……と考えてるんです」
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