下宿屋 東風荘 7

浅井 ことは

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秋の国

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そうなんだ。とその場所を聞くものの、どこで九堂が聞いているかわからないからと、内緒ですと言われてしまったので、解読の終わった杖をしまい、先に進むのに、今夜は街の中心街の手前。そこからいくつか経由して冬の国に入ってはどうかと言われる。

「まだひと月もたってないのに」

「あちらの動きがなければこんなことは言いませんよ?元々約束は三ヶ月でしたし」

「冬弥さんが言うなら、何かあるんでしょ?」

「まだはっきりとは分からないんですよ。それで、父上がですねぇ、雪翔がいいと言ったら、冬の国では護衛をつけたいと。かなり拗ねてましたが、嫌なら雪翔の好きなようにといってました」

「お爺ちゃん、気にしてる?」

「落ち込みようは凄かったですけど、立ち直りも早いですからねぇ」

そのあと、冬の国の特徴を教えてもらい、一先ずはこのまま重次と進みたいと冬弥に言って、何かあったら必ず誰かを呼ぶと約束した。

地図を見る限りは東に続くだけの国に見えたが、雪で地面が見えないために、崖やクレーター等がどこにあるかわからない場所もあるという。

雪が溶けて、地面が見つかった時に、井戸に落ちている人なども見つかることもあるので、道標となっている場所を通るように念を押されるが、それでも痩せた土地なのでいつ新しく地面が割れているかなど把握しきれないのだとも聞いた。

「そうやって聞くとすっごい怖い土地に聞こえるけど」

「なので、東に向かう道に入ったら要注意です。いくつか道はありますが、私でも把握しきれませんから。で、馬の名前決めました?」

「桔花は花の名前だから、同じ花の名前にしようと思ってるんだけど、雄でしょ?秋の国の子だから、かえでって言うのはどうかな?」

「いいですねぇ。桔花に楓ですか。なのに金と銀……」

「もう、それは言わないでよ。金次郎とか付けるよりいいじゃん」

「そうですね。重次、楓になりましたよ名前は。ここでの役が終わったら、二頭とも南で世話してください」

「いいんでしょうか?東にも一頭居てもいいと思いますが」

「いたら父上が毎日遊びに出かけて帰ってこなくなりますよ?」

「あ、そうでした」

祖父が馬好きということを聞き、昔は東の家にも数頭居たという。

祖父の趣味は馬での遠出、盆栽、剣術などで、最近では人間の世界に来る時のテレビがお気に入りだそうだ。

「お爺ちゃん、珍しいものに目がないのかな?」

「無いですねぇ。ですが、盆栽と剣術は今も朝に手入れをしたりして、鍛錬もしてますよ?」

「知らなかった。冬弥さんたちはしないの?」

「散々やらされましたからもういいです。昔、あちらの方で剣術大会というのがあったので、ちょっと術をかけて出たんです。片手で勝てましたけど、一応ルールというのがあったので、それに従いましたけど、全国優勝しました。あ、勿論術をかけたので、解く時に準優勝の方が優勝というふうにしましたけど。後は弓道や柔道に空手等も制覇してきましたよ?」

「狡はしてないんだよね?」

「してません。ですが、全国の決勝戦はなかなかに強敵でした。楽しかったです」

「なんだかみんなが可哀想になってきたよ」

「もうしてませんから安心してください。ところで……宿題はいいんですか?」

「うん、次に行く時までの分全部終わらせたんだ。あとは教科書しかないし、問題集ももう三年生の前期までやり込んだし。テスト前にみんなに教えてもらえればいいかな?」
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