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妖街
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「何処の方です?」
「ここから西に行くと大名屋敷があるだろう?そこに行けば嫌でも分かる」
「その人、もしかしなくても女好きですか?」
「良く、遊廓の女を買って家にあげていると聞くが、最近は特に人数が多いと聞く」
成程と、栞から聞いた話をし、今起きていることも話す。
話している間、隣では栞が箸を置いて下を向いて赤くなっているが、気にせずに食べるようにと言い、秋彪には食べ過ぎだと注意する。
「あの、私が弱いばかりにこんなことになってしまって本当に申し訳ございません」
「いえ、あなたのせいではありませんし、多分ですが、冬の社を奪うと同時に那智の社を奪って、徐々に数を増やし、私と秋彪の社も奪うつもりだったのでしょう。祭りには妖力も高まりますし、今回の件で下に眠ってる方を起こそうとしてるのが分かりましたしねぇ」
「龍神様が眠ってると聞いたことがありますが、本当だったのですか?」
「噂ではありますが、確かめたことはありませんからねぇ。ですが、ここ最近町に妖怪等が多く出ていることも事実ですし。色々と活発になっているのは噂の千年祭で竜神が起きると言う伝説のせいかもしれないですね」
「あの町はどうなってしまうのでしょう?」
「人間はなにも変わらないですよ。でも少なからず影響はあると思います」
「社の狐はなにも出来ないのですね」
「そんなことはありません。千年祭、栞さんも手伝ってください」
「はい、私頑張ります」
「それよりさ、おじさんの影でその大名の家に入れないの?」
「お、おじさん?」
「父上のことです。間違いではないでしょう?」
「そうだな。影は送ることはできるが、あの家は人も多ければ影も多い。バレずに行くのは無理だろうな」
「でしたら私の影ではどうでしょう?音もなく動くのが得意な狐がいます」
「ならお願いしましょうか。もう回復の方は出来ていますか?」
「はい。冬弥様のお陰で。雫、出てきて皆さんにご挨拶を」
「雫です」と頭を下げる狐はほかのものよりも一回りは小さい。
「小さいでしょう?この狐はまだ私のところに来たばかりで」
「そのようですね。雫さん、入れそうですか?」
「雫とお呼びください。入れはしますが私は戦えません。見てくるだけでいいのならすぐにでも行けます」
「では雫に水狐をつけましょう。危ないと思ったらすぐに逃げてください。水狐は雫を守るように」
「了解です」
スゥっと消えたので屋敷に早速見に行ったのだろう。戻って来るまでに食事を済ませようと箸を取る。
「秋彪、あなたの影も出してください」
「良いけど何処にいかせるの?」
「父上の影と一緒にどれだけの者が買われているのか見てきてください」
「ならば楼閣の方も見に行かせよう」
二匹ずつ二手に別れて見に行かせる。その間暇だからと久しぶりに飲もうとの事となり、酒を飲んでいると兄が帰ってきたので話を聞きながら飲もうと誘う。
「それで、結局どうなったのですか?」
「証拠がないので身元引受けが来て連れ帰ったが、すごい剣幕だったそうだ。それと、今冬弥の居る人間の世界の岩戸だが、出入りの強化と周辺の社に役場の狐を配備することになった。千年祭が終われば落ち着くのだろう?」
「ええ。今活性化してますのでねぇ」
「じゃあ、安心じゃん!」
「それと、冬の神社に啓示があったそうだ」
「そうですか。そこの配備もお願いします」
「かなりの数の狐が行くが、腕章をつけてるから間違って殺すなよ?」
「分かっていますよ」
「栞殿、こんな弟ではあるがよろしく頼みます」
「え?私ですか?」
「父から一緒に住むと伺ったので……」
「兄上、まだそれ話してません……」
「え?」
「栞さん、先程話していたのだが、冬弥の力があれば通いでも大丈夫だそうだ。お見合いついでに、冬弥の事も頼みたいのだが……」
「ですが父と母に話さないと」
これを、と見合い写真を二つ栞に父が見せる。昔のと今日のだと。
これには頭を抱えるしかなかったが、真っ赤になって下を向いているのでこちらも何も言えない。
「お前の家に部屋は空いてないのか?」
「有りませんよ。下宿なら一部屋空いてますけど、家賃も入ってこないのに居候は嫌です」
「儂が払おう。倍でどうじゃ?」
「もう一声」
「人間界の通貨で一月15万!」
「内装の取り換え費も出してください」
「よし、記憶操作は任せるが、大事なお嬢さんだ。粗相のないようにな」
「ええ、家賃さえいただければ自由にしていただいて結構なので」
「そんな大金……私なんとかしますので」
「いや、無理に儂が頼んでおるからさせてくれ。所で栞さんは何色がお好きかな?」
「基本白ですが、薄紅色も気に入っております」
「冬弥」
「分かりました。奥の部屋借りますよ」
席を立って奥の部屋へと行き、朱狐と連絡を取る。
「雪都と買い物に行ってください。あのピンクの部屋を白と薄紅色でなんとかして欲しいと。和風でいいでしょう。……ええ、帰ったら記憶の方は私がします。はい、頼みましたよ」
部屋自体作り替えてくれと頼み、客間へと戻るとつまみが欲しいと言われ、栞と共に台所へと行く。
「何も無いですねぇ……」
「私も少しは出来ますので手伝います」
それを聞いてまた葉物を間違えられたらどうしようと思ったが、ちゃんと小松菜といえば持ってきてくれるし、包丁扱いもなれている。
揚げと炒めただけですがと味見をと渡してくるので摘むと、自分が作ったものと味が似ている。
よく見ると台所には人間界の調味料も揃っており、無駄に缶詰が置いてある。
「さて、何を作りましょうかねぇ」
「ここから西に行くと大名屋敷があるだろう?そこに行けば嫌でも分かる」
「その人、もしかしなくても女好きですか?」
「良く、遊廓の女を買って家にあげていると聞くが、最近は特に人数が多いと聞く」
成程と、栞から聞いた話をし、今起きていることも話す。
話している間、隣では栞が箸を置いて下を向いて赤くなっているが、気にせずに食べるようにと言い、秋彪には食べ過ぎだと注意する。
「あの、私が弱いばかりにこんなことになってしまって本当に申し訳ございません」
「いえ、あなたのせいではありませんし、多分ですが、冬の社を奪うと同時に那智の社を奪って、徐々に数を増やし、私と秋彪の社も奪うつもりだったのでしょう。祭りには妖力も高まりますし、今回の件で下に眠ってる方を起こそうとしてるのが分かりましたしねぇ」
「龍神様が眠ってると聞いたことがありますが、本当だったのですか?」
「噂ではありますが、確かめたことはありませんからねぇ。ですが、ここ最近町に妖怪等が多く出ていることも事実ですし。色々と活発になっているのは噂の千年祭で竜神が起きると言う伝説のせいかもしれないですね」
「あの町はどうなってしまうのでしょう?」
「人間はなにも変わらないですよ。でも少なからず影響はあると思います」
「社の狐はなにも出来ないのですね」
「そんなことはありません。千年祭、栞さんも手伝ってください」
「はい、私頑張ります」
「それよりさ、おじさんの影でその大名の家に入れないの?」
「お、おじさん?」
「父上のことです。間違いではないでしょう?」
「そうだな。影は送ることはできるが、あの家は人も多ければ影も多い。バレずに行くのは無理だろうな」
「でしたら私の影ではどうでしょう?音もなく動くのが得意な狐がいます」
「ならお願いしましょうか。もう回復の方は出来ていますか?」
「はい。冬弥様のお陰で。雫、出てきて皆さんにご挨拶を」
「雫です」と頭を下げる狐はほかのものよりも一回りは小さい。
「小さいでしょう?この狐はまだ私のところに来たばかりで」
「そのようですね。雫さん、入れそうですか?」
「雫とお呼びください。入れはしますが私は戦えません。見てくるだけでいいのならすぐにでも行けます」
「では雫に水狐をつけましょう。危ないと思ったらすぐに逃げてください。水狐は雫を守るように」
「了解です」
スゥっと消えたので屋敷に早速見に行ったのだろう。戻って来るまでに食事を済ませようと箸を取る。
「秋彪、あなたの影も出してください」
「良いけど何処にいかせるの?」
「父上の影と一緒にどれだけの者が買われているのか見てきてください」
「ならば楼閣の方も見に行かせよう」
二匹ずつ二手に別れて見に行かせる。その間暇だからと久しぶりに飲もうとの事となり、酒を飲んでいると兄が帰ってきたので話を聞きながら飲もうと誘う。
「それで、結局どうなったのですか?」
「証拠がないので身元引受けが来て連れ帰ったが、すごい剣幕だったそうだ。それと、今冬弥の居る人間の世界の岩戸だが、出入りの強化と周辺の社に役場の狐を配備することになった。千年祭が終われば落ち着くのだろう?」
「ええ。今活性化してますのでねぇ」
「じゃあ、安心じゃん!」
「それと、冬の神社に啓示があったそうだ」
「そうですか。そこの配備もお願いします」
「かなりの数の狐が行くが、腕章をつけてるから間違って殺すなよ?」
「分かっていますよ」
「栞殿、こんな弟ではあるがよろしく頼みます」
「え?私ですか?」
「父から一緒に住むと伺ったので……」
「兄上、まだそれ話してません……」
「え?」
「栞さん、先程話していたのだが、冬弥の力があれば通いでも大丈夫だそうだ。お見合いついでに、冬弥の事も頼みたいのだが……」
「ですが父と母に話さないと」
これを、と見合い写真を二つ栞に父が見せる。昔のと今日のだと。
これには頭を抱えるしかなかったが、真っ赤になって下を向いているのでこちらも何も言えない。
「お前の家に部屋は空いてないのか?」
「有りませんよ。下宿なら一部屋空いてますけど、家賃も入ってこないのに居候は嫌です」
「儂が払おう。倍でどうじゃ?」
「もう一声」
「人間界の通貨で一月15万!」
「内装の取り換え費も出してください」
「よし、記憶操作は任せるが、大事なお嬢さんだ。粗相のないようにな」
「ええ、家賃さえいただければ自由にしていただいて結構なので」
「そんな大金……私なんとかしますので」
「いや、無理に儂が頼んでおるからさせてくれ。所で栞さんは何色がお好きかな?」
「基本白ですが、薄紅色も気に入っております」
「冬弥」
「分かりました。奥の部屋借りますよ」
席を立って奥の部屋へと行き、朱狐と連絡を取る。
「雪都と買い物に行ってください。あのピンクの部屋を白と薄紅色でなんとかして欲しいと。和風でいいでしょう。……ええ、帰ったら記憶の方は私がします。はい、頼みましたよ」
部屋自体作り替えてくれと頼み、客間へと戻るとつまみが欲しいと言われ、栞と共に台所へと行く。
「何も無いですねぇ……」
「私も少しは出来ますので手伝います」
それを聞いてまた葉物を間違えられたらどうしようと思ったが、ちゃんと小松菜といえば持ってきてくれるし、包丁扱いもなれている。
揚げと炒めただけですがと味見をと渡してくるので摘むと、自分が作ったものと味が似ている。
よく見ると台所には人間界の調味料も揃っており、無駄に缶詰が置いてある。
「さて、何を作りましょうかねぇ」
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