234 / 241
番外編
カナトの身分3
しおりを挟む
「小鳥が酒を飲むのは初めて見たな」
「あれぇ?」
カナトが目をすがめながらじっと男を見つめた。
「アレスト、におい変わったかぁ?」
あろうことか人間違いをしていた。
「いや、お前イグナスか!ア~ロハーァ!」
「……おもしろいな」
どう見ても会話をしているだろう小鳥に、男の欲はますます掻き立てられた。
そこへ、ふと底冷えするような声が響いてきた。
「カナト、僕はここだ」
アレストが廊下の先から向かって来た。クモはすっと視線を向け、この状況のわけを求めた。
「そんな目で見ないでくれ。つまらないと言うから余った酒を与えただけだ。大丈夫。途中ハンパに酔うとああなるが、量を増やせばすぐに寝る」
アレストは小さな酒瓶を掲げてみせた。
「でしたら大事になる前に寝かさてあげてください。今は客人が来ています」
アレストの青い瞳が男をとらえ、赤い瞳と青い瞳がぶつかり合い、ほんの空気中に不穏な空気が混じる。
「これは、まさかボーストの総督殿がいらっしゃったとは」
「貴殿がこの国の宰相か」
「まさか。とっくにその役職は僕のものではありませんよ。フェルサジア殿に差し上げました」
「ずいぶんと軽く扱った役職だこと」
「僕に取ってその程度の役職でしたので」
その空気のなかで酔っ払っていたカナトは気にもせずに「アレスロォ~」と不確かな発音でアレストのもとへ飛んだ。
「シャケのにおい~」
「はい、どうぞ」
アレストは持っていた小さな酒瓶の栓をキュポと取ると、肩に乗っているカナトへ差し出した。
飲みにくいのか、自然とアレストの手に収まって酒瓶を傾けられるままにゴクゴクと飲んだ。そのすぐあとに、まるで死んだかのように静かになった。
耳を澄ませるとほんの小さな寝息が聞こえてくる。
「お騒がせしました。ごゆっくりどうぞ」
アレストはそれだけ言うとカナトを連れて離れた。
「今日は楽しませてもらった。また次に機会でもあったらお礼させて欲しい」
「お気になさらずに。主人もそう望んでいます」
「きみの主人は……イグナスだな」
「はい。彼しかいません」
「忠成深くていいね」
「おほめいただき光栄です」
「それじゃあ、“また来るよ”」
「………」
完全に興味を持たれてしまったようである。
男が去っていくのを見届けてからクモはアレストのもとへ訪れた。
「あなたなら察してくださると思いました」
そう言って、現在寝ているカナトのお腹をなでているアレストに視線を向ける。
「僕は察しが悪いからな」
「……ご冗談を。今日来られた方はあの鬼と呼ばれているボーストのケルンベルス総督です」
「東の国はよく知らないな。そういえばフェルサジア領は確か東との境にあったな。あの総督、今日が初めて会ったが、あの目は誰かを思い出す」
「ケルンベルスはイグナス様のご親族です。ですから次はお気をつけください」
「うん、わかった」
にっこりと明るい笑顔を見せたアレストに、クモはちらっと机の上で仰向けに寝ているカナトを見る。
カナトは最近よくアレストが明るくなったと言い、昔みたいだとよろこんでいた。どうやらアレストが昔に戻りつつあると勘違いしているようである。
だがクモの目から見れば、戻るところがあの目はどんどん危険さを孕んでいるとさえ思う。
「とにかく、アレスト様はどうかカナトさんとあの方の前に現れないでください。お願いします」
「わかっている。安心してくれ」
「わかりました……。それでは、失礼いたします」
クモが退室するとアレストはすやすや寝ているカナトのお腹をちょんちょんとつついた。
「む……アレシュー……」
「ここにいる」
寝言を言いながらカナトが幸せそうに一回転した。
そのお腹を撫で続けながらアレストはあの銀の仮面をつけた男を思い出した。
なんとなく、カナトをあの男と会わせてはいけない気がした。何よりあの赤い目はイグナスと似すぎている。
翌日、カナトが二日酔いでげっそりとしていると、アレストが何かを持ちながら部屋に入って来た。
「ああ……アレスト……」
「気分はどう?」
「だいぶマシになったけど……それはなんだ?」
アレストの手には見たことのあるロゴデザインの入った箱が持たれていた。
まるで釘付けみたいにカナトの目が離れようとしない。
「ああ、これは前回シドが言っていた商品だよ」
瞬時にカナトの目がキランと光る。
「見せてくれ!」
実は前にシドから小鳥姿のカナトを模した菓子を出すつもりだと聞かされていた。
カナトは自分の要望を伝えてからずっと楽しみにしていた。
威厳のあるキリリとしたカッコいい鳥!
だが箱を開けた時、目に飛び込んできたのは背中の黒い模様まで再現された可愛らしい鳥である。
丸くつぶらな瞳をキリッと吊り上げ、もっふりした丸いボディは威厳とはほど遠い姿をしている。
そのまんまの姿を落とし込んだ菓子になっていた。
「なんか想像していたのと違う!?」
「そうかな。生き写しみたいにそっくりだよ」
「アレスト!お前どっちの味方だよ!」
「もちろんカナトさ。じゃあ返品して改良してもらうか?」
「あ、いや……そこまではしなくていいかな……」
よく見れば悪くない。
「きみさえ望むならこれくらいできる」
「本当にいらない!というか目がマジなのやめてくれ!」
カナトはそう言うが、なんと2日後にシドは呼び出された。
接客室で無表情に紅茶を飲むシドの前に座りながらカナトが申し訳なさそうに笑っていた。
「わ、悪いな」
「いや、構わない。それで、柄の変えでいいのか?」
「別にしなくてよかったんだけど、まさかアレストが本当にお前を呼び出すとは思わなくて」
「変えたい考えはあるんだな?」
「………」
「あるのか。まあ、一応希望だけは聞いておく」
「マジ!?とりあえず目を少し細長く、体をもう少し縦長にして、できるならタカみたいな体格で、頭の丸みは少なくして欲しいな!」
「完全な別種だな。お前は知らないと思うが、今わりと人気だ」
「……嘘だろ」
「本当だ。まあ、一応作ってみるが、単価が高くなりそうだな。他に何か欲しいものはないのか?前回の新作はどうだった」
「うまかった!」
「次来る時は追加で持って来ようか」
「うんうん!頼む!」
「次はお前が考えていた酒の入ったチョコレートを考えている」
「俺が考えたわけじゃないけど……」
「ん?」
「まあ楽しみにしているな!でもアルコール度数低くしてくれ。数日前になんか東の国?の偉い人が来て、俺が酔っていたせいでアレストと間違えたみたいで……」
カナトがしゅんと背中を丸めた。
「クモから聞いた話だと鳥の姿でその人の前に出て、さらにゲップまでしたらしい」
「東の国?」
つい最近東のボースト公国からあの総督が来たばかりか、シドの目に訝しげなものが横切った。
「どんな人だ」
「どんな人?」
「その東の偉い人」
カナトがあごに手を当てながらうーんと考え込んだ。
「えーと、確か…なんとなくだけど仮面を被っていたような気が……白い仮面だった、かな?」
「銀の仮面だったりするか?」
「おお!そんな気がする……かな?」
「……わかった。今日は先に帰る」
「え?いや、待っ」
言い終わる前にシドの姿がそそくさと客室から消えた。
「なんであんなに急いでいるんだアイツ」
「あれぇ?」
カナトが目をすがめながらじっと男を見つめた。
「アレスト、におい変わったかぁ?」
あろうことか人間違いをしていた。
「いや、お前イグナスか!ア~ロハーァ!」
「……おもしろいな」
どう見ても会話をしているだろう小鳥に、男の欲はますます掻き立てられた。
そこへ、ふと底冷えするような声が響いてきた。
「カナト、僕はここだ」
アレストが廊下の先から向かって来た。クモはすっと視線を向け、この状況のわけを求めた。
「そんな目で見ないでくれ。つまらないと言うから余った酒を与えただけだ。大丈夫。途中ハンパに酔うとああなるが、量を増やせばすぐに寝る」
アレストは小さな酒瓶を掲げてみせた。
「でしたら大事になる前に寝かさてあげてください。今は客人が来ています」
アレストの青い瞳が男をとらえ、赤い瞳と青い瞳がぶつかり合い、ほんの空気中に不穏な空気が混じる。
「これは、まさかボーストの総督殿がいらっしゃったとは」
「貴殿がこの国の宰相か」
「まさか。とっくにその役職は僕のものではありませんよ。フェルサジア殿に差し上げました」
「ずいぶんと軽く扱った役職だこと」
「僕に取ってその程度の役職でしたので」
その空気のなかで酔っ払っていたカナトは気にもせずに「アレスロォ~」と不確かな発音でアレストのもとへ飛んだ。
「シャケのにおい~」
「はい、どうぞ」
アレストは持っていた小さな酒瓶の栓をキュポと取ると、肩に乗っているカナトへ差し出した。
飲みにくいのか、自然とアレストの手に収まって酒瓶を傾けられるままにゴクゴクと飲んだ。そのすぐあとに、まるで死んだかのように静かになった。
耳を澄ませるとほんの小さな寝息が聞こえてくる。
「お騒がせしました。ごゆっくりどうぞ」
アレストはそれだけ言うとカナトを連れて離れた。
「今日は楽しませてもらった。また次に機会でもあったらお礼させて欲しい」
「お気になさらずに。主人もそう望んでいます」
「きみの主人は……イグナスだな」
「はい。彼しかいません」
「忠成深くていいね」
「おほめいただき光栄です」
「それじゃあ、“また来るよ”」
「………」
完全に興味を持たれてしまったようである。
男が去っていくのを見届けてからクモはアレストのもとへ訪れた。
「あなたなら察してくださると思いました」
そう言って、現在寝ているカナトのお腹をなでているアレストに視線を向ける。
「僕は察しが悪いからな」
「……ご冗談を。今日来られた方はあの鬼と呼ばれているボーストのケルンベルス総督です」
「東の国はよく知らないな。そういえばフェルサジア領は確か東との境にあったな。あの総督、今日が初めて会ったが、あの目は誰かを思い出す」
「ケルンベルスはイグナス様のご親族です。ですから次はお気をつけください」
「うん、わかった」
にっこりと明るい笑顔を見せたアレストに、クモはちらっと机の上で仰向けに寝ているカナトを見る。
カナトは最近よくアレストが明るくなったと言い、昔みたいだとよろこんでいた。どうやらアレストが昔に戻りつつあると勘違いしているようである。
だがクモの目から見れば、戻るところがあの目はどんどん危険さを孕んでいるとさえ思う。
「とにかく、アレスト様はどうかカナトさんとあの方の前に現れないでください。お願いします」
「わかっている。安心してくれ」
「わかりました……。それでは、失礼いたします」
クモが退室するとアレストはすやすや寝ているカナトのお腹をちょんちょんとつついた。
「む……アレシュー……」
「ここにいる」
寝言を言いながらカナトが幸せそうに一回転した。
そのお腹を撫で続けながらアレストはあの銀の仮面をつけた男を思い出した。
なんとなく、カナトをあの男と会わせてはいけない気がした。何よりあの赤い目はイグナスと似すぎている。
翌日、カナトが二日酔いでげっそりとしていると、アレストが何かを持ちながら部屋に入って来た。
「ああ……アレスト……」
「気分はどう?」
「だいぶマシになったけど……それはなんだ?」
アレストの手には見たことのあるロゴデザインの入った箱が持たれていた。
まるで釘付けみたいにカナトの目が離れようとしない。
「ああ、これは前回シドが言っていた商品だよ」
瞬時にカナトの目がキランと光る。
「見せてくれ!」
実は前にシドから小鳥姿のカナトを模した菓子を出すつもりだと聞かされていた。
カナトは自分の要望を伝えてからずっと楽しみにしていた。
威厳のあるキリリとしたカッコいい鳥!
だが箱を開けた時、目に飛び込んできたのは背中の黒い模様まで再現された可愛らしい鳥である。
丸くつぶらな瞳をキリッと吊り上げ、もっふりした丸いボディは威厳とはほど遠い姿をしている。
そのまんまの姿を落とし込んだ菓子になっていた。
「なんか想像していたのと違う!?」
「そうかな。生き写しみたいにそっくりだよ」
「アレスト!お前どっちの味方だよ!」
「もちろんカナトさ。じゃあ返品して改良してもらうか?」
「あ、いや……そこまではしなくていいかな……」
よく見れば悪くない。
「きみさえ望むならこれくらいできる」
「本当にいらない!というか目がマジなのやめてくれ!」
カナトはそう言うが、なんと2日後にシドは呼び出された。
接客室で無表情に紅茶を飲むシドの前に座りながらカナトが申し訳なさそうに笑っていた。
「わ、悪いな」
「いや、構わない。それで、柄の変えでいいのか?」
「別にしなくてよかったんだけど、まさかアレストが本当にお前を呼び出すとは思わなくて」
「変えたい考えはあるんだな?」
「………」
「あるのか。まあ、一応希望だけは聞いておく」
「マジ!?とりあえず目を少し細長く、体をもう少し縦長にして、できるならタカみたいな体格で、頭の丸みは少なくして欲しいな!」
「完全な別種だな。お前は知らないと思うが、今わりと人気だ」
「……嘘だろ」
「本当だ。まあ、一応作ってみるが、単価が高くなりそうだな。他に何か欲しいものはないのか?前回の新作はどうだった」
「うまかった!」
「次来る時は追加で持って来ようか」
「うんうん!頼む!」
「次はお前が考えていた酒の入ったチョコレートを考えている」
「俺が考えたわけじゃないけど……」
「ん?」
「まあ楽しみにしているな!でもアルコール度数低くしてくれ。数日前になんか東の国?の偉い人が来て、俺が酔っていたせいでアレストと間違えたみたいで……」
カナトがしゅんと背中を丸めた。
「クモから聞いた話だと鳥の姿でその人の前に出て、さらにゲップまでしたらしい」
「東の国?」
つい最近東のボースト公国からあの総督が来たばかりか、シドの目に訝しげなものが横切った。
「どんな人だ」
「どんな人?」
「その東の偉い人」
カナトがあごに手を当てながらうーんと考え込んだ。
「えーと、確か…なんとなくだけど仮面を被っていたような気が……白い仮面だった、かな?」
「銀の仮面だったりするか?」
「おお!そんな気がする……かな?」
「……わかった。今日は先に帰る」
「え?いや、待っ」
言い終わる前にシドの姿がそそくさと客室から消えた。
「なんであんなに急いでいるんだアイツ」
60
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
六年目の恋、もう一度手をつなぐ
高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。
順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。
「もう、おればっかりが好きなんやろか?」
馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。
そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。
嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き……
「そっちがその気なら、もういい!」
堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……?
倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる