いつか賢者になる僕は、追放された勇者パーティから溺愛をうけていた!?〜ごめん、女神様とパーティーを組んでるから戻れません〜

花野りら

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   第三章  勇者パーティの没落

 24  なぜ逃げない!?

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「あっ、んん……」

 アーニャさんが吐息を漏らしている。
 地面に刺さる一本の長い棒を両手で握りしめ、なんとか倒れないように、自分を支えていたのだが……。
 
「おお、綺麗だ……」

 竜騎士サーラは感嘆の声をあげながら、太い棒でアーニャさんのお尻を、パンパンと叩いている。グイッとお尻を突きだしているアーニャさんの姿には、もう女戦士の勇敢さは見る影もない。
 そこには、男に身をまかせている、ただの女がいるのみ。
 何も考えないようにしているのだろう。
 目を閉じて、ただ時間が過ぎ去るのを待っているかのようだ。
 かたや、マティウスに頭を掴まれて宙吊りになっているアフロ様は、
 
「やめろぉ! 俺のことはいいから逃げろぉ! アーニャぁぁ」

 と、あらがう言葉を叫んでいた。
 すると、サーラはアーニャさんの金髪を引っ張り、彼女の恍惚とした顔を晒しあげ、
 
「おい女戦士、勇者を見ろ」

 と煽り声をかける。
 
「どうだ? 勇者がおまえの淫らな姿を見ているぞ」
「うぅ、うるさいっ、しゃべってないで早く入れろぉぉ」
「は? もう入れるの? やっぱり変態だったな」

 サーラはまたアーニャさんのお尻を、パンパンと叩く。

「あんっ、ああん、魔族のお兄さんだって変態じゃないかっ、んん……」
「まぁなっ」

 パンッ!

「ああん……ッ!」

 激しく喘ぐアーニャさん。
 そのような、淫らな光景を見ていたマティウスが、
 
「いいなぁ」

 と妬ましい声を漏らすと、サーラに尋ねた。

「サーラ様、猫耳を犯してもいいか?」
「いいけど、緊縛しないでもできるか?」

 やってみる、と言ったマティウスは、掴んでいたアフロ様の頭を、ポイッと放り投げる。ドシャッと地面に叩き落とされたアフロ様は、そのまま魂が抜けたように倒れた。もっとも、土魔法の鎖で緊縛されているので、身動きが取れない。
 それを見届けたマティウスは、ドスドスとミルクちゃんのほうに走り寄った。
 
「ひっ!」

 悲鳴をあげたミルクちゃんは、ビュンと空気を切って飛びあがった。
 風魔法を使って浮遊したのだ。
 
「おい、降りてこいっ!」

 マティウスは腕を伸ばして、ミルクちゃんを追いかけていたが、思うようにいかない。すぐに根をあげて、サーラに懇願する。
 
「サーラ様、やっぱり猫耳も鎖で緊縛してやってくれ~」

 サーラは、恍惚とした表情で妖艶なアーニャさんを見つめたまま答えた。
 
「いやぁ、無理だ~、我はいまいいとこだからなっ、フゥ! 女戦士がエッチすぎてヤバい……」

 あんあん、と喘ぎつづけるアーニャさんに首たっけのサーラは、
 
「よき」

 と感嘆の声をあげる。
 
( なにこの魔族たち? 変態だ……  )
 
 人間を犯すことなんて、まるで日常茶飯事のように振る舞っている。
 呆気にとられたわたしは、ふと、ガイル様を見つめた。
 彼は、あんぐりと口を開けてアーニャさんの揺れるおっぱいを眺めている。かたや、アフロ様は、ガクブルに震えたまま、
 
「アーニャ、なぜ、逃げない……俺なんか置いて逃げろよ……」

 と嘆いていた。

( たしかに、逃げられるチャンスはいくらでもあった )

 と、わたしは内心で思った。
 それでも、なぜか逃げようと試みないのは、もしかしたらラクトくんが助けに来てくれるのでは? と心のどこかで望んでいるのかもしれない。わたしだけでなく、もしかしてアーニャさんも……?
 
「まて~」
「きゃぁぁあぁ!」
「まて~」
「来ないでぇぇっ!」

 そう叫ぶミルクちゃん。
 風魔法を使って飛びまわり逃げまくっていた。
 マティウスの動きは遅くて、これでは到底ミルクちゃんを捕まえるのは無理だろう。ドスドス、と巨体を揺らして走るマティウスの姿は、なんとも滑稽であった。
  
( ミルクちゃんは逃げていいよ )

 と、わたしは心から思った。
 だが、ミルクちゃんは何を考えているのか、蝶々のように砦のなかを飛びまわったまま、逃げる様子はない。なぜだろうか? もしかして、心のどこかでミルクちゃんもわたしと同じで、ラクトくんが助けに来ることを望んでいる?
 
「ダメだ~! サーラ様ぁ、頼む、猫娘も土魔法で緊縛してくれ~」

 はあ、はあ、はあ、と興奮しているサーラは、チラッとマティウスのほうを見るなり、
 
「今いいところなんだ~! はあはあ、ヤバい……興奮して魔法は使えない」

 と謎めいた言葉を漏らしながら、パンパンとアーニャさんのお尻に太い棒をぶつける。彼の欲望の吐口となるアーニャさんは、グイッと背中をそりあげて、ひたすら快楽に溺れていた。
 乱れる金髪、ブルーの瞳、赤い唇はうるうると妖艶な光りをたたえ、口の端から糸を引いたように、たらーとよだれを垂らし、
 
「ごめんなさい……」

 と謝ると、さらにつづけた。
 
「…ああっ! ごめんなさいっ、ぐっ……っんぐ……」
「ん? 女騎士……急にどうした?」
「ああぁあぁあぁぁ、ごめんさない、ごめんなさいぃぃぃい」
「えっ? 痛かったか?」
「ううう……うぇぇえぇぇん」

 サーラは魔族じゃないみたいに、「大丈夫か?」と優しい声をかけながら、アーニャさんのお尻を、よしよしとなでた。びくん、と身体をしならせるアーニャさんは、ぽろぽろと涙をこぼして泣く。それでも、身体は正反対の動きを見せて、魔族の太い棒を受け入れようと踵をあげ、
 
「んんっ」

 と踏ん張りながら、思いっきりお尻を突きだす。

「……んはぁぁああぁ! いいぃぃ気持ちいぃぃ」
「なんだ? 泣いているのに気持ちいのか? 人間の女ってすごい……」
「ごめんさない、ごめんなさいぃぃ、ああっ」
「おいおい、謝りながら痙攣してる……」
「っあん、っああん、ぬふぉおっおっ、もっと叩いてぇぇ」
「ん? もっとお尻を叩くのか、女戦士?」
「はい、もっと、太くて硬い棒で、パンパンお願いしますっ! ああっ魔族の魔力を感じるぅぅ」
「あはは、気づいたか、我のほとばしる魔力がっ」
「あっ、あっ、はい……すっごく気持ちいぃい……」
「あれ? さては女騎士、おまえ最初から犯される気マンマンだったのか?」
「うぅ……うるさいっ!」
「アハハハ」

 小気味良く笑うサーラは、握る太い棒を、グリグリとアーニャさんのお尻に当てた。

「ふぁぁ、そんなことされたらぁ、やだぁ……あっ、あっ」
「女戦士っ! 勇者が見てるぞぉ」
「やだぁ、見ないでぇ、アフロぉぉ、ごめんさないぃぃ!」

 泣き喚いたアーニャさんは、突然、ぐでっと膝から崩れ落ちる。まるで、糸が切れた操り人形のように、へなへなと横たわった。そのような光景を見ていたアフロ様は、ぽろぽろと涙をこぼして、
 
「アーニャ……なぜだ!? なぜ逃げようとしない……」

 とつぶやいた。
 わたしは、その答えを知っている。
 
( それはまだ、希望があるから )
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