新月を追って

響 あうる

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第1章

【14話】青い空の下※(松敦)

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「中西ちゃん?」
「あ、すいませんっ…迷ってて」
「どっちも食べたい?」
「はい…あーっどっちにしよぅ…」

 照れくさそうに言ったあと敦志は頭を抱えてうーんうーんと唸っている。
 松島はそんな敦志にクスクス笑って


「いいよいいよ、全部あげる」
「え!?…いいんですか?」
「うん…その代わり、菓子パン1個ちょうだい」
「ぁ、はい、どうぞ食べてください」

 敦志は菓子パンを一個、松島に渡した。そして嬉しそうな顔でサンドイッチの包装を開け始める。途端にあたりにパンの匂いが立ち込めた。
 それすら食欲をそそって敦志はしあわせそうな笑みのままツナサンドを頬張る


「なんか中西ちゃんってさ…かわいい」
「か、かわいい!?」

 クスクス笑っていた松島が突然そんなことを言い出すもんだから敦志は食べ物を喉に詰まらせてしまったらしい、苦しげな表情で慌てて牛乳を手にする。
 牛乳で食べ物を流し込んだあと


「変なこと言わないでくださいよ」

 生き返った、といった表情で敦志が言う。
松島は悪びれもせずに


「変かな?」
「変です、初めてですよ…そんなの言われたの」
「えー?ほんと?」
「大体かわいい顔に見えますか?」
「いや、顔じゃなくて…やることがかわいい」
「…変なこと言ってないで早く食べないと午後間に合わないですよ」

 相手をしてられないとばかりに残りのサンドイッチを食べ始める敦志。松島もしぶしぶ食べ始め、しばし無言になる二人。
 敦志が次の菓子パンに手を伸ばしたところだった


「中西ちゃん、口に食べかすついてる」
「え?」

 拭おうとする前に、唇の右端にやわらかい感触。何かわかる前に今度は唇全体に柔らかい感触が触れる。


「まつんんっ…」

 何かを言おうにも繰り返される口づけに言葉にさえならない。その唇から逃れようと松島の身体を押し離そうとしながら、上体を後ろに反らす、だが後ろはすぐフェンスで殆ど逃げられずに再び唇を塞がれそうになる。
 なんとか顔を背けキスを避けるとその動作で倒れてしまった牛乳パックから白い液体が床に流れているのが見えた。
 しかし松島はなおも首筋にキスを続けている


「ぁ、あの…松島さん?午後…」
「サボっちゃえば平気だよ」

 少し震えている身体を逃がさないように抱きしめながら、やっぱり、と松島は思う。
 何故だろう、敦志にキスしたいし触れているともっと先が欲しくなる。
 松島の指が敦志のシャツのボタンを外し始め、敦志はようやく身の危険を悟り始める


「や…やめてくださいっ」

 それでも松島の手は止まらず、シャツのはだけたところから手を入れ、敦志の胸の突起に触れる。ビクッとなりながら敦志は小さく呟いた


「松島さんは違うと思ったのに…」
「違う?誰と?」
「……笹山さんたちと」
「たぶんあまり違わないよ、ただ俺は気に入ったものは他人と共有したくないだけ」

 松島はそう言うと敦志の両手首を掴みひとつにまとめるとなんとか松島の手から両手を解こうと、もがく敦志をものともせず、片手でブレザーのポケットから銀色に光るものを取り出した。あっという間にガチャリッと両手を手錠で拘束されてしまう敦志  


「な、なに…」

 突然のことに呆然としている敦志の首からネクタイを取ると松島は手錠で繋がれた手を敦志の頭上に持ってきて手錠の鎖の部分とフェンスにネクタイを通して硬く結んでしまった。

―――ガシャッガシャッ

 不安にかられて手を動かしても背中のフェンスがむなしい音をたてるだけ


「そんな顔しないで、気持ちよくしてあげるだけだから」

 クスクス笑いながら松島は既に外気に晒されている敦志の突起に唇を落とし舌で軽く撫でる。ざらついた柔らかい舌の感触に思わずビクッとする敦志


「ん、…」

 懸命に堪えているらしいが鼻にかかった甘い吐息が漏れ、気を良くした松島は舌先を尖らせ突起を何度も刺激する。
 反対の突起は人差し指と親指で挟みコリコリと捻る。同時に二箇所から与えられる快感は、下半身をも刺激し敦志はもぞもぞと腰を動かす。


「乳首、好きみたいだね中西ちゃん」

 上目遣いに見上げられ、にこっとして言われる。羞恥に頬を染めながら反論する前に松島が今度はわざとらしい音を立てながら突起にしゃぶり吸い上げる

―――チュッ…チュパッ…チュパ


「ぁ…ゃ……ふ、ぁ…」
「こっちもだいぶ硬くなってきたよ」

 ギュウっと摘まれて、反対の突起の存在を思い出す。敦志の意識がそこに向くとすぐさま、松島はそこを指で弾いた


「あぁっ…」

 爪先で引っかくように突起を撫でてやると控えめだが確かに甘い声が上がる。突起の硬さを楽しむように指先で転がしながら松島は再びもう片方をしゃぶり吸い上げる


「ぁ!っ……ふ、ぅ…ん…」

 敦志の腰も次第にじれったそうにゆれ始め、無意識に膨らんだ自身を松島に押し付けてしまっていた。


「中西ちゃん、そっちも触ってほしいの?」
「ちがっ…」

 クスクス笑いながら松島は突起を弄っていた手を下ろしていき、心なしか前を膨らませている股間を撫で始めた


「は、ゃ…」

 嫌がり頭を横に振るものの撫でられれば撫でられるほどそこは熱く硬くなっていく、ジッパーが下ろされ下着の中に松島の手が入り込んでくる。
 暖かな手の感触にビクッと思わず身体を弓なりにしながら反応してしまう


「もうグチョグチョじゃん」
「ゃ…言わ…ぃでくださっ…」
「いつからそんないやらしくなったの?」
「ち、違っ…」
「違う?ほんとに?」

 下着から取り出した敦志の陰茎はすでに天を向いており、先走りに濡れそぼっていた。露わにされたことで耳まで赤くなる敦志に、やっぱりかわいい、と耳元で囁いて松島はそれを軽く握りこみ上下させはじめた。

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