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79.レンカの真の狙いとは
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「グラン、その話はひとまず信じるとして、お前はどこでそれを知った?」
「少し前、俺はどうしてかはわかりませんがレンの夢見の中に入り込みました。
そこでレンは過去の自分の転生体達が迎えてきた最期を見ていました。
レンは他の転生体の最期を見る事で呪力を自分から生み出そうとしていました。
しかし目論みも外れて結局誰かを憎む事も出来ず、自分の魂に微かに残る呪力を使う事にしたようです」
「誰かを憎んでしまうような最期だったんですか?」
副団長は沈痛な面持ちで両肘を机に、組んだ手は額についていた。
「はい、全て誰かに殺されていました」
「坊主はそれだけ恨まれるような何かを転生する度にしてきたのかよ?」
ジェロムはギリギリと歯噛みする。
「いや、恐らくそれはない。
産まれた直後に殺されていた転生体もいたし、大体が幼い頃に殺されている。
長く生きても20代くらいで殺されていた」
「レンカもそうなのか?」
ザガドが俯いて両膝の拳を固く握りしめている。
「あぁ、レンカもそれくらいで殺されていた」
「レンの中にレンカのような他の転生体の意識はないのですか?
話を聞く限りレンは全ての転生の記憶を持っている可能性が高いけれど、レンカとは別人。
逆を言えば転生する度に別人格が出来上がっているという事ではありませんか」
「俺も夢見で見聞きしただけでレンやレンカから直接聞かされたわけではないので正確にはわかりません。
ただ、その可能性は高いと思います。
レンカはいずれレンの意識と統合し、消えるとはっきり口にしています」
「レンは何か代償を払ってこちらに来たのか?」
団長は相変わらず眉間の皺が深い。
いつの間にか腕組みしていた。
「はい。
レンカとして殺された時の傷を魂と体に負っています。
その傷が深くなれば····魂ごと、消滅すると····」
思わず唇を噛んで俯いてしまう。
「レンカはそうなるのを阻止しているのですね。
グラン、それ以上唇を噛んではいけません。
レンが代償を払ってまでこちらの世界に来た理由は何です?」
「それは俺にもわかりません。
ただ、少なくともこの世界の許しは得ています」
唇から力を抜き、再び前を向く。
副団長も手は額から下ろしていた。
「呪力はこちらに無い力だと何故知っている?
レンカは王弟やその側近から得たのだろう?」
「正確には王弟からはうまく得られず、側近から得たんだと思いますが、今から考えると王弟から得るのを諦めたわけではなかったのかもしれません。
レンカが呪力を得たのは彼らを夢見に誘ってからなのでレンカが何かをしなければ呪力を生み出せない、というのが正しいかもしれませんが少なくとも呪力がこちらにあるのならレンが自分でどうにかしようとする必要はなかったはず。
レンの性格ならいざという時に備えて呪力を得る方法くらいは確保していたと思いますが、それをしていないのはこの世界に呪力が存在しないと考えるのが妥当かと」
やばい、ゼノリア神に口止めされた事に繋がる。
「実際、ザガドやジェロムがレンカから聞かされたかなり間近に迫るような危機が王弟からもたらされるならあまりにも急です。
これまでの動向を振り返れば王弟はもっと慎重な性格のはず。
しかし状況的にはザガドやジェロムに王弟以外が何かするとは考えられない。
唯一やりそうなあの側近ですらも全面的に忠誠を誓っていながら主を差し置いて勝手に何かする可能性は限りなく低いでしょう。
だとすればレンカは呪力を生み出すに当たって王弟の意識に良くない何か、恐らく自分を憎むきっかけになりそうな何かを植え付けたのではないかと。
王弟から呪力を得られなかった際、レンカは次をどうするかと思案していましたから別の方法で再度彼から得ようとしているのかもしれません」
「チッ、呪力ってやつを得られるくれぇに自分を憎ませるつもりって事かよ」
苛立たしげなジェロムが舌打ちする。
「もしくはレンが自分で生み出せるように仕向けるか、だ。
レンカとはそう長く話していないが感じからして間違いなく一筋縄じゃいかない性格だと思うし、無駄を無くして最短で結果を得る方法を取りやすいとトビも言っていた。
今のレンカはレンを生き長らえさせるのを目的としているのなら、1番楽な方法はレン自身に呪力をつけさせる事だ」
「それはつまり、あの子が誰かに憎しみを向けるよう差し向けたと····」
『逃げて下さい!!』
副団長の言葉を遮り、不意にラスイードの風が声を届けた。
あまりにも切迫した声だった。
その数分後、この客室は跡形もなく消し飛ぶことになる。
「少し前、俺はどうしてかはわかりませんがレンの夢見の中に入り込みました。
そこでレンは過去の自分の転生体達が迎えてきた最期を見ていました。
レンは他の転生体の最期を見る事で呪力を自分から生み出そうとしていました。
しかし目論みも外れて結局誰かを憎む事も出来ず、自分の魂に微かに残る呪力を使う事にしたようです」
「誰かを憎んでしまうような最期だったんですか?」
副団長は沈痛な面持ちで両肘を机に、組んだ手は額についていた。
「はい、全て誰かに殺されていました」
「坊主はそれだけ恨まれるような何かを転生する度にしてきたのかよ?」
ジェロムはギリギリと歯噛みする。
「いや、恐らくそれはない。
産まれた直後に殺されていた転生体もいたし、大体が幼い頃に殺されている。
長く生きても20代くらいで殺されていた」
「レンカもそうなのか?」
ザガドが俯いて両膝の拳を固く握りしめている。
「あぁ、レンカもそれくらいで殺されていた」
「レンの中にレンカのような他の転生体の意識はないのですか?
話を聞く限りレンは全ての転生の記憶を持っている可能性が高いけれど、レンカとは別人。
逆を言えば転生する度に別人格が出来上がっているという事ではありませんか」
「俺も夢見で見聞きしただけでレンやレンカから直接聞かされたわけではないので正確にはわかりません。
ただ、その可能性は高いと思います。
レンカはいずれレンの意識と統合し、消えるとはっきり口にしています」
「レンは何か代償を払ってこちらに来たのか?」
団長は相変わらず眉間の皺が深い。
いつの間にか腕組みしていた。
「はい。
レンカとして殺された時の傷を魂と体に負っています。
その傷が深くなれば····魂ごと、消滅すると····」
思わず唇を噛んで俯いてしまう。
「レンカはそうなるのを阻止しているのですね。
グラン、それ以上唇を噛んではいけません。
レンが代償を払ってまでこちらの世界に来た理由は何です?」
「それは俺にもわかりません。
ただ、少なくともこの世界の許しは得ています」
唇から力を抜き、再び前を向く。
副団長も手は額から下ろしていた。
「呪力はこちらに無い力だと何故知っている?
レンカは王弟やその側近から得たのだろう?」
「正確には王弟からはうまく得られず、側近から得たんだと思いますが、今から考えると王弟から得るのを諦めたわけではなかったのかもしれません。
レンカが呪力を得たのは彼らを夢見に誘ってからなのでレンカが何かをしなければ呪力を生み出せない、というのが正しいかもしれませんが少なくとも呪力がこちらにあるのならレンが自分でどうにかしようとする必要はなかったはず。
レンの性格ならいざという時に備えて呪力を得る方法くらいは確保していたと思いますが、それをしていないのはこの世界に呪力が存在しないと考えるのが妥当かと」
やばい、ゼノリア神に口止めされた事に繋がる。
「実際、ザガドやジェロムがレンカから聞かされたかなり間近に迫るような危機が王弟からもたらされるならあまりにも急です。
これまでの動向を振り返れば王弟はもっと慎重な性格のはず。
しかし状況的にはザガドやジェロムに王弟以外が何かするとは考えられない。
唯一やりそうなあの側近ですらも全面的に忠誠を誓っていながら主を差し置いて勝手に何かする可能性は限りなく低いでしょう。
だとすればレンカは呪力を生み出すに当たって王弟の意識に良くない何か、恐らく自分を憎むきっかけになりそうな何かを植え付けたのではないかと。
王弟から呪力を得られなかった際、レンカは次をどうするかと思案していましたから別の方法で再度彼から得ようとしているのかもしれません」
「チッ、呪力ってやつを得られるくれぇに自分を憎ませるつもりって事かよ」
苛立たしげなジェロムが舌打ちする。
「もしくはレンが自分で生み出せるように仕向けるか、だ。
レンカとはそう長く話していないが感じからして間違いなく一筋縄じゃいかない性格だと思うし、無駄を無くして最短で結果を得る方法を取りやすいとトビも言っていた。
今のレンカはレンを生き長らえさせるのを目的としているのなら、1番楽な方法はレン自身に呪力をつけさせる事だ」
「それはつまり、あの子が誰かに憎しみを向けるよう差し向けたと····」
『逃げて下さい!!』
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あまりにも切迫した声だった。
その数分後、この客室は跡形もなく消し飛ぶことになる。
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