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145.寝起き可愛い
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「あの頃は2人ともちっちゃい幼児みたいな外見しててそんなん気にもならへんかったし、気がついたら他ならぬレンちゃんが一緒に入れてたんよ。
でも廃人みたいになってた言うたやん?
カミュラが性別の違いを自覚したんは1年過ぎてくらいちゃうかな。
その頃にレンちゃんがもう一緒に入らんて言われたってしょげてたから。
カミュラが寝るんを別々にしたんもその頃や」
「彼はいくつだったんだ?」
「12で出会ったから13か14や」
「もう大人じゃないか」
不機嫌に眉が歪むのを自覚してしまう。
まさかとは思うが行動を考えるに、その頃あの青年は雄としてレンを雌と意識したりしたんじゃなかろうか。
「人属やから全然子供やったよ。
レンちゃんからちょっとずつ離れれるようになったんもその頃からやな。
ただ16才で魔の森離れたけど、爺さん死んで1年は森に戻らせてレンちゃんにつかせてた」
ふとトビの表情が曇る。
当時を何か思い出したのか?
森にって事はファルも容認したんだよな?
「レンは世話が必要なほど長く弱ってたのか?
確か生死の境をさ迷ったとは聞いていたが」
「さ迷ってた時は黒竜が付きっきりやったし、命を維持させるんに魔法もそんなに扱えへんカミュラはいらへんかった」
トビは首を振って1度話を止める。
あまり言いたくないんだろうか?
一体何があったんだ?
疑問に思うも、無言で話の続きを待つ。
1つため息を吐いてから続けた。
「せやけどレンちゃんが意識取り戻してからは自分からはほとんど食べへんし、数日寝てへん思ったら体が限界来て気絶するみたいに寝るっちゅうんを繰り返すようになって体重も激減してん。
熱もしょっちゅう出すようになるのにそれを表に出さへんである日突然寝込むし、無理矢理食べさせたら吐くし、師匠の薬も当然受け付けへん。
ザッカルード国王が手作りの焼き菓子持ってきた時は少し食べてたけどな」
「····親父暇だったのか?
そういえばかなり前に焼き菓子用の獅子型の鋳物を作らせたり、それで菓子作り始めたりして城の調理場を占拠するようになったな。
何回か爆発させて料理長と団長にどやされてたのを覚えているが、レンの為かよ」
親父め、俺が知るよりもっと早くからレンに手作りの菓子を給餌してたのか。
次会ったら覚えとけよ。
思った事が顔に出たのかトビには苦笑されてしまった。
「まあそう怒らんといてや。
あの当時のレンちゃんからしたらだいぶ助かった思うで?
ええ年こいた爺がわざわざ手作りして持って来られたらレンちゃんも断れへんし、大好きな爺さんの親友で色んな爺さん話も聞きながらやからいつもよりは食も進んだしな。
今思ったら師匠の伴侶紋の激痛に人知れず耐えてたんもあったかもしれへんけど、あの人来た時は気が緩むんかよく膝の上で眠ってたわ」
「そうか、膝の上で····」
流石にそう言われると許してやろうという気にもなるが、親父の膝で眠ってるレンを想像するとやっぱり腹が立つ。
そう思っているとピク、と尻尾を通して規則的だった肩の動きが乱れたのがわかる。
起こしてしまったか?
「まああの2人とレンちゃんの馴れ初めはそんなとこや。
2人共ぼろぼろやった時にレンちゃんに助けられて恩を感じてくれてるから信用もできる。
カミュラはレンちゃんの性についてだけは伴侶のゼネガラにも言うてないみたいやし、仮にゼネガラがそれを知っても口外はせえへん思うよ」
「そうか」
レンの意識が浮上してきたのに気づいたらしく、トビは話を切り上げた。
俺ももちろんそれに付き合う。
「····ん」
1度大きく息を吸って軽く伸びをしてからゆっくりと息を吐きながら体を起こした。
話は多少聞こえていただろうが、髪が顔にかかっているのすら気にならない様子でぼうっとしているからどこまで頭に入っていたのかはわからない。
寝起きの顔も、だるっとした服からのぞく首筋が醸し出す色気もたまらない。
「レンちゃん起きた?」
「····ん」
振り返る事もなくコクリと頷くのが幼く見えて可愛いな。
思わず脇に手を入れて子供を抱き上げるようにして自分の膝に座らせる。
まだ頭が働いていないのか、為されるがままだ。
顔にかかる髪を整えてやると、反動で服がずれていたのか襟首から華奢な鎖骨から肩までがあらわになってしまう。
ん?
下着を着けてないのか?
胸の膨らみが····。
思わず視線が釘付けになりそうなのをなけなしの理性で制するが、それを邪魔するように芳しい花が香る。
レンはそんな俺を気にするでもなく、成長して少し目線が高くなっても相変わらずの行動を取る。
軽く見上げていつも通り俺の耳をチラリと見てから我に返ったようにパチパチと目を瞬きして、そうして微笑むんだ。
「おはよう、グランさん」
やばい、理性が崩壊しそうなくらいうちの番がクソ可愛い。
でも廃人みたいになってた言うたやん?
カミュラが性別の違いを自覚したんは1年過ぎてくらいちゃうかな。
その頃にレンちゃんがもう一緒に入らんて言われたってしょげてたから。
カミュラが寝るんを別々にしたんもその頃や」
「彼はいくつだったんだ?」
「12で出会ったから13か14や」
「もう大人じゃないか」
不機嫌に眉が歪むのを自覚してしまう。
まさかとは思うが行動を考えるに、その頃あの青年は雄としてレンを雌と意識したりしたんじゃなかろうか。
「人属やから全然子供やったよ。
レンちゃんからちょっとずつ離れれるようになったんもその頃からやな。
ただ16才で魔の森離れたけど、爺さん死んで1年は森に戻らせてレンちゃんにつかせてた」
ふとトビの表情が曇る。
当時を何か思い出したのか?
森にって事はファルも容認したんだよな?
「レンは世話が必要なほど長く弱ってたのか?
確か生死の境をさ迷ったとは聞いていたが」
「さ迷ってた時は黒竜が付きっきりやったし、命を維持させるんに魔法もそんなに扱えへんカミュラはいらへんかった」
トビは首を振って1度話を止める。
あまり言いたくないんだろうか?
一体何があったんだ?
疑問に思うも、無言で話の続きを待つ。
1つため息を吐いてから続けた。
「せやけどレンちゃんが意識取り戻してからは自分からはほとんど食べへんし、数日寝てへん思ったら体が限界来て気絶するみたいに寝るっちゅうんを繰り返すようになって体重も激減してん。
熱もしょっちゅう出すようになるのにそれを表に出さへんである日突然寝込むし、無理矢理食べさせたら吐くし、師匠の薬も当然受け付けへん。
ザッカルード国王が手作りの焼き菓子持ってきた時は少し食べてたけどな」
「····親父暇だったのか?
そういえばかなり前に焼き菓子用の獅子型の鋳物を作らせたり、それで菓子作り始めたりして城の調理場を占拠するようになったな。
何回か爆発させて料理長と団長にどやされてたのを覚えているが、レンの為かよ」
親父め、俺が知るよりもっと早くからレンに手作りの菓子を給餌してたのか。
次会ったら覚えとけよ。
思った事が顔に出たのかトビには苦笑されてしまった。
「まあそう怒らんといてや。
あの当時のレンちゃんからしたらだいぶ助かった思うで?
ええ年こいた爺がわざわざ手作りして持って来られたらレンちゃんも断れへんし、大好きな爺さんの親友で色んな爺さん話も聞きながらやからいつもよりは食も進んだしな。
今思ったら師匠の伴侶紋の激痛に人知れず耐えてたんもあったかもしれへんけど、あの人来た時は気が緩むんかよく膝の上で眠ってたわ」
「そうか、膝の上で····」
流石にそう言われると許してやろうという気にもなるが、親父の膝で眠ってるレンを想像するとやっぱり腹が立つ。
そう思っているとピク、と尻尾を通して規則的だった肩の動きが乱れたのがわかる。
起こしてしまったか?
「まああの2人とレンちゃんの馴れ初めはそんなとこや。
2人共ぼろぼろやった時にレンちゃんに助けられて恩を感じてくれてるから信用もできる。
カミュラはレンちゃんの性についてだけは伴侶のゼネガラにも言うてないみたいやし、仮にゼネガラがそれを知っても口外はせえへん思うよ」
「そうか」
レンの意識が浮上してきたのに気づいたらしく、トビは話を切り上げた。
俺ももちろんそれに付き合う。
「····ん」
1度大きく息を吸って軽く伸びをしてからゆっくりと息を吐きながら体を起こした。
話は多少聞こえていただろうが、髪が顔にかかっているのすら気にならない様子でぼうっとしているからどこまで頭に入っていたのかはわからない。
寝起きの顔も、だるっとした服からのぞく首筋が醸し出す色気もたまらない。
「レンちゃん起きた?」
「····ん」
振り返る事もなくコクリと頷くのが幼く見えて可愛いな。
思わず脇に手を入れて子供を抱き上げるようにして自分の膝に座らせる。
まだ頭が働いていないのか、為されるがままだ。
顔にかかる髪を整えてやると、反動で服がずれていたのか襟首から華奢な鎖骨から肩までがあらわになってしまう。
ん?
下着を着けてないのか?
胸の膨らみが····。
思わず視線が釘付けになりそうなのをなけなしの理性で制するが、それを邪魔するように芳しい花が香る。
レンはそんな俺を気にするでもなく、成長して少し目線が高くなっても相変わらずの行動を取る。
軽く見上げていつも通り俺の耳をチラリと見てから我に返ったようにパチパチと目を瞬きして、そうして微笑むんだ。
「おはよう、グランさん」
やばい、理性が崩壊しそうなくらいうちの番がクソ可愛い。
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