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144.護衛達との出会い
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「一応2人には許可もらってるから話すけど、ここだけの話に止めといてや。
必要な時がきたらゼネガラから周りに話すはずやから」
トビの前置きにはもちろん首を縦にふる。
他人が干渉すべきではない何かしらがあるのは先ほどのやり取りだけでもわかる。
恐らく俺がレンの番だから気を使ってあの2人は教える事を許してくれたんだろうな。
チラリと隣でソファに突っ伏して眠るレンを見て尻尾を華奢な肩にゆっくりと纏わせてみる。
規則的に肩が揺れている。
よし、起きないな。
トビはそれに視線を投げるも無視して話し始めた。
「ゼネガラは4年前にペネドゥルに従弟を人質に取られてあの麻薬を5倍投与されてん」
「つくづく腐ってるな、あの王弟」
思わず毒づく。
一体いつからあいつは王位を狙っていたんだろうか。
「当時はあの伴侶が倒れたばっかで一時的に国王が狂いかけた隙を突かれたらしいわ。
国王をまともに止められるんは立場的にも純粋な力的にもゼネガラだけやったらしくて、ペネドゥルはまず従弟を麻薬漬けにした。
当時のペネドゥルはまだ王位を狙い始めたばっかりでゼネガラも油断してたんもあるやろうな」
『そうして私は従兄弟達の反対を押し切り残りの自分の寿命の大半を削って召還し、伴侶にした。
ヨハンといる時だけは己の罪も忘れられて幸せだった。
従兄弟達が蒸発したのは番を得た後の俺の不甲斐なさに見限ったからだろう』
少し前の藍色の男の言葉を思い出した。
あの従兄弟達の1人がゼネガラか。
「で、先に麻薬漬けにされてた従弟と一緒に麻薬を5倍投与されたゼネガラはペネドゥルの命令で魔の森に侵入して、結局は黒竜に返り討ちにあった。
従弟の方はその時に黒竜に殺されてん。
ただゼネガラより先に何回かあの麻薬を投与されててどのみち手の施しようもなかったし、黒竜に殺される事で楽になったてゼネガラは納得してる。
ゼネガラももうじき黒竜に殺られるっちゅうところでレンちゃんに救われてん。
まあレンちゃんの実験台の1人っていうんで黒竜がお目こぼしした内の1人ともいうけどな」
『僕が見つけて実験台にする事で黒竜が見逃した竜人はほんの一部だって、ちゃんとわかってる?』
会合でレンが言ってたのはこういう事か。
わかりにくがファルは本来なら魔の森の主として侵入者を殺す理を曲げてでもレンの薬の開発に協力したとも言える。
「カミュラはどうなんだ?
レンを恩人だと言っていたが」
「カミュラは旧帝国でレンちゃんに拾われた、元は性奴隷や。
一時だけ魔の森で生活してて、レンちゃんが読み書きと計算、料理と手芸を教えてな。
師匠が5年だけっちゅう制限付きで森での生活を認めた。
多分師匠はレンカちゃんに言われた事とか、伴侶が目を離してレンちゃんに大怪我さしてもうた事とか、あの刀呼び出して異質な力の反動でレンカちゃんが眠った後もしばらくレンちゃんが目を覚まさへんで昏睡状態が続いたんが後ろめたいんもあって例外的に認めたんちゃうかな」
当時を思い出したのかトビは懐かしそうな顔をする。
まあ普通は魔の森に入れば殺されるからな。
期限付きでも白竜からすればかなり譲歩したんだろう。
「カミュラの魔法は生活魔法が使える程度やねんけど、あの騒動の後すぐに商会立ち上げて何年かしてから正式に雇ってん。
まあある意味レンちゃんの幼なじみやな」
「性奴隷····15年前なら彼はまだ幼かったんじゃないのか。
旧帝国は何て事を····」
今や奴隷制度のある国はない。
だが15年前でも人属の奴隷は成人される15才からでないと認められなかったはずだ。
もちろん旧帝国でも。
どれだけ旧帝国内が腐っていたのかが伺い知れて吐き気すらする。
「あの頃のあの国はホンマに腐りきってたからな。
12才やったカミュラは骨と皮だけで身体中色んな獣の引っ掻き傷やら噛み痕があるし、最初はただぼうっとしてるだけの廃人みたいになってたわ」
その言葉に顔が歪みそうになる。
獣の爪痕や噛み痕が何を意味するのか····獣人なら何をされていたのか誰でもすぐに予想がつく。
「心が戻ってくるまでにだいぶ時間もかかってもうたし、レンちゃんから離れて獣人だらけの商会でまともに仕事できるようになるんにも時間がかかった」
「レンは5年の間ずっと彼といたのか?」
だとしたら羨まし過ぎる!
人助けだし状況を考えれば口には出さないけれども、さすがに顔には出さないよう気を引き締めたがやっぱり羨ましいものは羨ましい。
「森に来て少ししてから廃人やったカミュラが獣人を怖がるようになってレンちゃんしか側に近寄れんかってん。
でもちっちゃい人属が2人並んでるんは可愛かったで。
カミュラも来てすぐの頃は発育不良で実際の年より幼く見えたしな。
食事も寝るんも風呂もいっつも一緒やった」
「風呂も?」
微笑ましそうに話すトビの最後の一言にピクリと頬が引くつく。
トビも失言には気づいたらしいが呆れた目で見てきた。
「ホンマ最初だけやって。
それにフィルメ同士やん」
「それはそうだが、性が違う」
思わず憮然としてしまうのは仕方ないだろう。
必要な時がきたらゼネガラから周りに話すはずやから」
トビの前置きにはもちろん首を縦にふる。
他人が干渉すべきではない何かしらがあるのは先ほどのやり取りだけでもわかる。
恐らく俺がレンの番だから気を使ってあの2人は教える事を許してくれたんだろうな。
チラリと隣でソファに突っ伏して眠るレンを見て尻尾を華奢な肩にゆっくりと纏わせてみる。
規則的に肩が揺れている。
よし、起きないな。
トビはそれに視線を投げるも無視して話し始めた。
「ゼネガラは4年前にペネドゥルに従弟を人質に取られてあの麻薬を5倍投与されてん」
「つくづく腐ってるな、あの王弟」
思わず毒づく。
一体いつからあいつは王位を狙っていたんだろうか。
「当時はあの伴侶が倒れたばっかで一時的に国王が狂いかけた隙を突かれたらしいわ。
国王をまともに止められるんは立場的にも純粋な力的にもゼネガラだけやったらしくて、ペネドゥルはまず従弟を麻薬漬けにした。
当時のペネドゥルはまだ王位を狙い始めたばっかりでゼネガラも油断してたんもあるやろうな」
『そうして私は従兄弟達の反対を押し切り残りの自分の寿命の大半を削って召還し、伴侶にした。
ヨハンといる時だけは己の罪も忘れられて幸せだった。
従兄弟達が蒸発したのは番を得た後の俺の不甲斐なさに見限ったからだろう』
少し前の藍色の男の言葉を思い出した。
あの従兄弟達の1人がゼネガラか。
「で、先に麻薬漬けにされてた従弟と一緒に麻薬を5倍投与されたゼネガラはペネドゥルの命令で魔の森に侵入して、結局は黒竜に返り討ちにあった。
従弟の方はその時に黒竜に殺されてん。
ただゼネガラより先に何回かあの麻薬を投与されててどのみち手の施しようもなかったし、黒竜に殺される事で楽になったてゼネガラは納得してる。
ゼネガラももうじき黒竜に殺られるっちゅうところでレンちゃんに救われてん。
まあレンちゃんの実験台の1人っていうんで黒竜がお目こぼしした内の1人ともいうけどな」
『僕が見つけて実験台にする事で黒竜が見逃した竜人はほんの一部だって、ちゃんとわかってる?』
会合でレンが言ってたのはこういう事か。
わかりにくがファルは本来なら魔の森の主として侵入者を殺す理を曲げてでもレンの薬の開発に協力したとも言える。
「カミュラはどうなんだ?
レンを恩人だと言っていたが」
「カミュラは旧帝国でレンちゃんに拾われた、元は性奴隷や。
一時だけ魔の森で生活してて、レンちゃんが読み書きと計算、料理と手芸を教えてな。
師匠が5年だけっちゅう制限付きで森での生活を認めた。
多分師匠はレンカちゃんに言われた事とか、伴侶が目を離してレンちゃんに大怪我さしてもうた事とか、あの刀呼び出して異質な力の反動でレンカちゃんが眠った後もしばらくレンちゃんが目を覚まさへんで昏睡状態が続いたんが後ろめたいんもあって例外的に認めたんちゃうかな」
当時を思い出したのかトビは懐かしそうな顔をする。
まあ普通は魔の森に入れば殺されるからな。
期限付きでも白竜からすればかなり譲歩したんだろう。
「カミュラの魔法は生活魔法が使える程度やねんけど、あの騒動の後すぐに商会立ち上げて何年かしてから正式に雇ってん。
まあある意味レンちゃんの幼なじみやな」
「性奴隷····15年前なら彼はまだ幼かったんじゃないのか。
旧帝国は何て事を····」
今や奴隷制度のある国はない。
だが15年前でも人属の奴隷は成人される15才からでないと認められなかったはずだ。
もちろん旧帝国でも。
どれだけ旧帝国内が腐っていたのかが伺い知れて吐き気すらする。
「あの頃のあの国はホンマに腐りきってたからな。
12才やったカミュラは骨と皮だけで身体中色んな獣の引っ掻き傷やら噛み痕があるし、最初はただぼうっとしてるだけの廃人みたいになってたわ」
その言葉に顔が歪みそうになる。
獣の爪痕や噛み痕が何を意味するのか····獣人なら何をされていたのか誰でもすぐに予想がつく。
「心が戻ってくるまでにだいぶ時間もかかってもうたし、レンちゃんから離れて獣人だらけの商会でまともに仕事できるようになるんにも時間がかかった」
「レンは5年の間ずっと彼といたのか?」
だとしたら羨まし過ぎる!
人助けだし状況を考えれば口には出さないけれども、さすがに顔には出さないよう気を引き締めたがやっぱり羨ましいものは羨ましい。
「森に来て少ししてから廃人やったカミュラが獣人を怖がるようになってレンちゃんしか側に近寄れんかってん。
でもちっちゃい人属が2人並んでるんは可愛かったで。
カミュラも来てすぐの頃は発育不良で実際の年より幼く見えたしな。
食事も寝るんも風呂もいっつも一緒やった」
「風呂も?」
微笑ましそうに話すトビの最後の一言にピクリと頬が引くつく。
トビも失言には気づいたらしいが呆れた目で見てきた。
「ホンマ最初だけやって。
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思わず憮然としてしまうのは仕方ないだろう。
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