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「初めまして、と申し上げるべきでござりましょうか」
朔月が庭園の世界から俺達の側へ足を踏み入れた途端、庭園が消えて元の壁が目の前に立ちはだかる。
壁を背にしていた朔月は俺達に向き直ってにこりと微笑んで挨拶をする。
しかし次の瞬間、神気と見紛う程の圧がその場を支配し、親父とファル以外は全員が不意を突かれて片膝を着いてしまう。
もちろん俺も····。
「あら?」
何とか顔を上げれば、意図しなかったのだろう俺達の様子にきょとりとする朔月が目に入る。
親之としての記憶の中の少女よりもいくらか大人び、フィルメとは違う独特の色気を宿している。
長い髪をハーフアップにして纏めた髪飾りは、ほんの少し小首を傾げるだけでしゃらりと小気味良い音を奏でた。
レンと同じく優しげな顔立ちは、しかし全く違う様相だ。
垂れ目は左の目元の黒子と相まって更に色気を香らせ、色の抜けたような白を纏う髪と肌、血色の目は記憶の中の少女だった頃よりも神秘的に感じる。
背はやはり今のレンよりも低く、衣を何重かに羽織っている為に胸は目立ちにくいが、腰周りはレンと同じく丸みを帯びていた。
「朔月、俺がわかるか?」
ファルが静かに話しかける。
目にはどこか切実な色が宿る。
朔月はそんなファルに優しく話しかけた。
「記憶をお持ちでしたか。
今のお名前をお呼びしてもかまいませぬか?」
「ああ」
「ファル様、どうか前世の記憶に引きずられて今を犠牲になされませぬよう。
鷹親はあの日亡くなり、今は黒竜、ファル様として生きておられるのです。
私も既に死した身。
ゼノの思惑で顕現はしておりまするが、それも一時の事。
この体も長くは留まれませぬ。
私という人格はある御柱により、千年の研鑽の為に消える事なくこれまで残されていただけ。
見届ける為、寿ぎを手放した罰を受け続ける為だけに残された残滓でしかござりませぬ。
研鑽を終えた今、レンとしての生を生きる合間に私という人格は消え去り、ただの記憶と成り果てましょう」
ファルとは違う、全てを受け入れた凪いだ目を向ける。
「お前は····後悔していないのか」
ファルは何を、とは聞かない。
恐らく全てについてだろう。
俺達は脂汗をかきながらも話に聞き入る。
ファルが何かの感情をレン以外にまともに見せるところを初めて見た。
鷹親の感情に引きずられているのだろうか。
逆に俺は揺さぶられるような感情は起こらない。
ただ、懐かしさだけを感じている。
「何を後悔すると?
確かに私の子供達とあのように別れる事となりました故、心残りはござります。
なれど好きに生きたのです。
レンの記憶の中では残酷な出来事ばかりだったでしょうが」
苦笑する朔月はレンが泣きながら俺達に話した記憶をのぞき見たんだろうか。
「最期に子供達も、鷹親と親之に仕えた者達も守れました。
私の死後に子供達がどう生きたとて、仮に朔月として何度あの時々をやり直す機会があったとて、私の選択が変わる事はござりませぬ」
相変わらずの凪いだ目で、しかし晴れやかな顔ではっきりと告げた。
「朔月ちゃんは強いのじゃのう」
待て、クソ親父。
獅子の獣体のままだからって、すり寄るのやめろ。
朔月ちゃんて、ちゃんて何だ。
ほら、確実に困惑してんじゃねえか。
「獅子····直に見たのは····」
「初めてかのう。
せっかく顕現したのじゃ。
ほれほれ、儂の体を触ってみぬか?
ついでにちょっとばかし気を弛めてくれぬかのう?」
「····気?」
そっと鬣に触れるものの、気を放っているのは無自覚のようだ。
小首を傾げると飾りがしゃらりと奏でる。
しかしもっと触れと頭を細腕に擦りつける親父の要望に応えるように両手で鬣や耳をぎこちなくもふっていくと、いくらかは気が抑えられた。
「触れても?」
ファルが転移で朔月のすぐ後ろに回り、頷くのを待って後ろから片腕を華奢な腰に回し、もう片方の手で小さな手を1つ取って甲に口づける。
竜気を自分と朔月に纏わせると朔月が何かに気づいた顔になり、気を霧散させる。
「····なるほど、気というのはこれの事でしたか。
こちらにはこれに当てられる方がいらっしゃるのですね。
周囲を探るのに放つ癖をつけておりました故、無意識でしておりました。
許されませ」
申し訳なさそうな顔をする。
だがそんな事よりもあれが人属の気だった事に驚く。
それも無意識?!
「放つ癖は何で?」
「常に守りたい者が身近におりました故」
トビの言葉に困ったように微笑む。
そして悟る。
常に命を狙われていたという事だ。
それが人なのか、堕ちた神なのか、悪魔なのか····いや、その全てなのだろう。
周りを見回せば、この場の全員が悟ったとわかる顔つきだ。
親父が止まった自由な方の手へ催促するように頭を擦りつけ、再び片手はぎこちなく撫で始めた。
人属があれほどの気を放つ事などこの世界ではあり得ない。
あちらの世界では気の概念はほとんど無さそうだが、それをあんな域になるまで、それも無意識に放つ程に鍛練してしまう程の環境で生きてきたのか····。
「それでは時間もあまりござりませぬ故、私は雪火の元に参ります。
転生体とはいえ、鷹親と親之に直接会えて嬉しゅうございました」
心から嬉しそうに微笑む。
「まだ····」
「時間がござりませぬ。
今世のレンの体を無理矢理変化させ、私という自我をもって顕現させるのはこの世界においても本来の理から外れております。
故に長くは保てぬのです。
お放し下さりませ」
名残惜しそうにファルが腕に力を込めるが、朔月がきっぱりと拒否する。
「なら、このまま連れて行く」
「え、ひゃっ」
ファルが後ろから小さな子供を抱き上げるようにして朔月を縦に抱えてその腕に乗せた。
レンと違って慣れていない朔月は小さな悲鳴を上げてファルの首に思わずしがみつく。
ファルはそのままぎゅっと抱きしめて歩き出した。
親父は小さな手が離れた事に不服そうだったが、無言でファルの横を歩く。
団長達も慌てて後を追うが、俺は慌てて人体に戻って服を着てから追った。
「あ、の?
自分で····」
「時間が無いのだろう?
俺が歩く方が早い」
「で、ではせめて皆様の前で抱きしめるのは····」
「2人きりで抱きしめられたいと?」
「そ、そうではなく····」
「落ちると困る」
追いつくと困惑する朔月の言葉全てを却下するファルの肩越しから白から赤へと変化させた朔月の顔半分が見えた。
その目は凪いだものではなく、触発されるように少しばかり俺の胸が熱くなった。
朔月が庭園の世界から俺達の側へ足を踏み入れた途端、庭園が消えて元の壁が目の前に立ちはだかる。
壁を背にしていた朔月は俺達に向き直ってにこりと微笑んで挨拶をする。
しかし次の瞬間、神気と見紛う程の圧がその場を支配し、親父とファル以外は全員が不意を突かれて片膝を着いてしまう。
もちろん俺も····。
「あら?」
何とか顔を上げれば、意図しなかったのだろう俺達の様子にきょとりとする朔月が目に入る。
親之としての記憶の中の少女よりもいくらか大人び、フィルメとは違う独特の色気を宿している。
長い髪をハーフアップにして纏めた髪飾りは、ほんの少し小首を傾げるだけでしゃらりと小気味良い音を奏でた。
レンと同じく優しげな顔立ちは、しかし全く違う様相だ。
垂れ目は左の目元の黒子と相まって更に色気を香らせ、色の抜けたような白を纏う髪と肌、血色の目は記憶の中の少女だった頃よりも神秘的に感じる。
背はやはり今のレンよりも低く、衣を何重かに羽織っている為に胸は目立ちにくいが、腰周りはレンと同じく丸みを帯びていた。
「朔月、俺がわかるか?」
ファルが静かに話しかける。
目にはどこか切実な色が宿る。
朔月はそんなファルに優しく話しかけた。
「記憶をお持ちでしたか。
今のお名前をお呼びしてもかまいませぬか?」
「ああ」
「ファル様、どうか前世の記憶に引きずられて今を犠牲になされませぬよう。
鷹親はあの日亡くなり、今は黒竜、ファル様として生きておられるのです。
私も既に死した身。
ゼノの思惑で顕現はしておりまするが、それも一時の事。
この体も長くは留まれませぬ。
私という人格はある御柱により、千年の研鑽の為に消える事なくこれまで残されていただけ。
見届ける為、寿ぎを手放した罰を受け続ける為だけに残された残滓でしかござりませぬ。
研鑽を終えた今、レンとしての生を生きる合間に私という人格は消え去り、ただの記憶と成り果てましょう」
ファルとは違う、全てを受け入れた凪いだ目を向ける。
「お前は····後悔していないのか」
ファルは何を、とは聞かない。
恐らく全てについてだろう。
俺達は脂汗をかきながらも話に聞き入る。
ファルが何かの感情をレン以外にまともに見せるところを初めて見た。
鷹親の感情に引きずられているのだろうか。
逆に俺は揺さぶられるような感情は起こらない。
ただ、懐かしさだけを感じている。
「何を後悔すると?
確かに私の子供達とあのように別れる事となりました故、心残りはござります。
なれど好きに生きたのです。
レンの記憶の中では残酷な出来事ばかりだったでしょうが」
苦笑する朔月はレンが泣きながら俺達に話した記憶をのぞき見たんだろうか。
「最期に子供達も、鷹親と親之に仕えた者達も守れました。
私の死後に子供達がどう生きたとて、仮に朔月として何度あの時々をやり直す機会があったとて、私の選択が変わる事はござりませぬ」
相変わらずの凪いだ目で、しかし晴れやかな顔ではっきりと告げた。
「朔月ちゃんは強いのじゃのう」
待て、クソ親父。
獅子の獣体のままだからって、すり寄るのやめろ。
朔月ちゃんて、ちゃんて何だ。
ほら、確実に困惑してんじゃねえか。
「獅子····直に見たのは····」
「初めてかのう。
せっかく顕現したのじゃ。
ほれほれ、儂の体を触ってみぬか?
ついでにちょっとばかし気を弛めてくれぬかのう?」
「····気?」
そっと鬣に触れるものの、気を放っているのは無自覚のようだ。
小首を傾げると飾りがしゃらりと奏でる。
しかしもっと触れと頭を細腕に擦りつける親父の要望に応えるように両手で鬣や耳をぎこちなくもふっていくと、いくらかは気が抑えられた。
「触れても?」
ファルが転移で朔月のすぐ後ろに回り、頷くのを待って後ろから片腕を華奢な腰に回し、もう片方の手で小さな手を1つ取って甲に口づける。
竜気を自分と朔月に纏わせると朔月が何かに気づいた顔になり、気を霧散させる。
「····なるほど、気というのはこれの事でしたか。
こちらにはこれに当てられる方がいらっしゃるのですね。
周囲を探るのに放つ癖をつけておりました故、無意識でしておりました。
許されませ」
申し訳なさそうな顔をする。
だがそんな事よりもあれが人属の気だった事に驚く。
それも無意識?!
「放つ癖は何で?」
「常に守りたい者が身近におりました故」
トビの言葉に困ったように微笑む。
そして悟る。
常に命を狙われていたという事だ。
それが人なのか、堕ちた神なのか、悪魔なのか····いや、その全てなのだろう。
周りを見回せば、この場の全員が悟ったとわかる顔つきだ。
親父が止まった自由な方の手へ催促するように頭を擦りつけ、再び片手はぎこちなく撫で始めた。
人属があれほどの気を放つ事などこの世界ではあり得ない。
あちらの世界では気の概念はほとんど無さそうだが、それをあんな域になるまで、それも無意識に放つ程に鍛練してしまう程の環境で生きてきたのか····。
「それでは時間もあまりござりませぬ故、私は雪火の元に参ります。
転生体とはいえ、鷹親と親之に直接会えて嬉しゅうございました」
心から嬉しそうに微笑む。
「まだ····」
「時間がござりませぬ。
今世のレンの体を無理矢理変化させ、私という自我をもって顕現させるのはこの世界においても本来の理から外れております。
故に長くは保てぬのです。
お放し下さりませ」
名残惜しそうにファルが腕に力を込めるが、朔月がきっぱりと拒否する。
「なら、このまま連れて行く」
「え、ひゃっ」
ファルが後ろから小さな子供を抱き上げるようにして朔月を縦に抱えてその腕に乗せた。
レンと違って慣れていない朔月は小さな悲鳴を上げてファルの首に思わずしがみつく。
ファルはそのままぎゅっと抱きしめて歩き出した。
親父は小さな手が離れた事に不服そうだったが、無言でファルの横を歩く。
団長達も慌てて後を追うが、俺は慌てて人体に戻って服を着てから追った。
「あ、の?
自分で····」
「時間が無いのだろう?
俺が歩く方が早い」
「で、ではせめて皆様の前で抱きしめるのは····」
「2人きりで抱きしめられたいと?」
「そ、そうではなく····」
「落ちると困る」
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