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4 魔法学園の花ですか?(3)
4ー1 襲撃
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4ー1 襲撃
神殿へと向かう馬車の中で俺にバルトレット王女殿下は、訊ねた。
「体調は、どうだ?オルナム」
「はぁ?」
俺は、緊張感のない返事をした。
体調?
俺は、しばらく考えた。
そして、確か、昨日、俺は、食堂で体調不良になったのだと思い出した。
いや。
昨夜、というか今日の早朝、あまりにも何度も死んでいたのですっかり忘れていた。
「もう、大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ございません、王女殿下」
「バルトレット」
「はい?」
俺は、顔をあげてバルトレット王女殿下を見た。
そっけなさげな表情をしているが、少し頬が赤い?
「バルトレット、と呼んでくれ」
「はい?」
俺は、きょとんとしていた。
バルトレット王女殿下は、軽く咳払いをした。
「我々は、婚約者同士なんだ。お互いを名前で呼びあってもおかしくはなかろう」
「はぁ・・」
俺は、ほけっとしてバルトレット王女殿下のことを見つめていた。
俺は、この人との婚約を破棄したいと思っているんだが。
「では、バルトレット様」
「うむ。それでよい」
バルトレット王女殿下がにっこりと微笑んだ。
花が綻ぶような可愛らしい笑顔に俺は、衝撃を受けていた。
この人、かわいい?
まあ、ちょっと、幼児体型、というか、その、お胸辺りが貧弱で俺の好みじゃないし、すごく変わってるからそういう目で見たことがなかったんだがこうしてみるとなかなか悪くないかも。
そう思ったところで俺は、ぶんぶんと頭を振った。
ダメだ!
しっかりしろ、俺!
この女のせいで前回の俺の生は、終わったんだ。
例え、世界に女がこの女しかいなかったとしても、この女だけは、ダメだ!
ありえない!
「どうした?オルナム」
「はひっ!?」
俺は、バルトレット王女殿下にきかれてびくっと飛び上がった。
「な、なんでもありません!」
「そうか?」
バルトレット王女殿下がふっと口元を緩める。
「お前は、ほんとにおかしな奴だ」
いやいやいや!
あなたがそれをいいますか?
そのとき、馬車ががくんと大きく揺れで急停車した。
バルトレット王女殿下の体が前のめりに傾いだのを俺は、抱き止めた。
「あぶない!」
「んぅっ!」
バルトレット王女殿下が俺の腕の中で硬直するのがわかった。
「大丈夫ですか?バルトレット様」
「あ、ああっ!」
バルトレット王女殿下が慌てて体を離す。
「だ、大丈夫、だ」
「なんですかね?」
俺は、バルトレット王女殿下から離れると馬車の窓から外を覗き見た。
馬車の周囲を何者かが囲んでいる。
黒いローブに身を包んだ連中は、白い仮面で顔を隠していた。
なんだ?
俺は、ロタの方を見た。
ロタは、すでに剣を手にとっていた。
「私が外を見てきます。お二人は、ここでお待ちください」
神殿へと向かう馬車の中で俺にバルトレット王女殿下は、訊ねた。
「体調は、どうだ?オルナム」
「はぁ?」
俺は、緊張感のない返事をした。
体調?
俺は、しばらく考えた。
そして、確か、昨日、俺は、食堂で体調不良になったのだと思い出した。
いや。
昨夜、というか今日の早朝、あまりにも何度も死んでいたのですっかり忘れていた。
「もう、大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ございません、王女殿下」
「バルトレット」
「はい?」
俺は、顔をあげてバルトレット王女殿下を見た。
そっけなさげな表情をしているが、少し頬が赤い?
「バルトレット、と呼んでくれ」
「はい?」
俺は、きょとんとしていた。
バルトレット王女殿下は、軽く咳払いをした。
「我々は、婚約者同士なんだ。お互いを名前で呼びあってもおかしくはなかろう」
「はぁ・・」
俺は、ほけっとしてバルトレット王女殿下のことを見つめていた。
俺は、この人との婚約を破棄したいと思っているんだが。
「では、バルトレット様」
「うむ。それでよい」
バルトレット王女殿下がにっこりと微笑んだ。
花が綻ぶような可愛らしい笑顔に俺は、衝撃を受けていた。
この人、かわいい?
まあ、ちょっと、幼児体型、というか、その、お胸辺りが貧弱で俺の好みじゃないし、すごく変わってるからそういう目で見たことがなかったんだがこうしてみるとなかなか悪くないかも。
そう思ったところで俺は、ぶんぶんと頭を振った。
ダメだ!
しっかりしろ、俺!
この女のせいで前回の俺の生は、終わったんだ。
例え、世界に女がこの女しかいなかったとしても、この女だけは、ダメだ!
ありえない!
「どうした?オルナム」
「はひっ!?」
俺は、バルトレット王女殿下にきかれてびくっと飛び上がった。
「な、なんでもありません!」
「そうか?」
バルトレット王女殿下がふっと口元を緩める。
「お前は、ほんとにおかしな奴だ」
いやいやいや!
あなたがそれをいいますか?
そのとき、馬車ががくんと大きく揺れで急停車した。
バルトレット王女殿下の体が前のめりに傾いだのを俺は、抱き止めた。
「あぶない!」
「んぅっ!」
バルトレット王女殿下が俺の腕の中で硬直するのがわかった。
「大丈夫ですか?バルトレット様」
「あ、ああっ!」
バルトレット王女殿下が慌てて体を離す。
「だ、大丈夫、だ」
「なんですかね?」
俺は、バルトレット王女殿下から離れると馬車の窓から外を覗き見た。
馬車の周囲を何者かが囲んでいる。
黒いローブに身を包んだ連中は、白い仮面で顔を隠していた。
なんだ?
俺は、ロタの方を見た。
ロタは、すでに剣を手にとっていた。
「私が外を見てきます。お二人は、ここでお待ちください」
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