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第6章 タイタノス
6ー5 歓談
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6ー5 歓談
『グリンヒルデ』に戻ったわたしをアルタス様とウルティア様が出迎えてくださった。
二人は、わたしが馬車から降りるのを待ちきれない様子で迎えると次の瞬間には、わたしはウルティア様に抱き締められていた。
「カイラ、おかえりなさい」
わたしは、ウルティア様の温もりに戸惑いつつも嬉しくて。
いっぱいいいたいことや言うべきことがあった。
だけど、わたしは、ただ一言しか言えなかった。
「ただいま帰りました」
「おかえり、カイラ」
それからしばらくしてようやくウルティア様の抱擁から解放されたわたしは、自室へと戻った。
そこには、リリアさんとルルゥさんが待っていた。
「おかえりなさいませ、カイラ様」
恭しく二人に迎えられるとわたしは、返事もそこそこに風呂へとつれていかれた。
入浴して明るいピンクのタウンドレスに着替えたわたしは、アルタス様とウルティア様が待つ食堂へと向かった。
そして、わたしたちは、夕食を食べながらゆっくりと歓談した。
わたしが騎士科の一位を独占した話をきいてアルタス様とウルティア様は、たいそう喜ばれた。
「さすがは、わたしたちのカイラだわ」
ウルティア様が目を潤ませておられるのを見てわたしも嬉しくて少しだけ泣きそうになった。
アルタス様もそんなわたしたちのことを目を細めて見守っておられる。
わたしたちは、場所をティールームへと移すと夜遅くまで話続けた。
わたしは、セツ様やライモンドたちの話をし、騎士科での毎日がとても楽しく有意義なものであることを二人にお伝えした。
また、はじめてできた女の子の友人であるレイナの話も二人は喜んで聞いてくださった。
だけど、わたしが話さなかったこともあった。
幼馴染みのルイーズのこと。
そして、アイリス様とのこと。
そういったことは、わたしは、どうしても二人にお話することができなかった。
アルタス様とウルティア様は、わたしが何を話してもにこにこと楽しそうに聞いてくださった。
そして、わたしが何を話さなくっても二人は、黙って微笑んでいてくださるのだった。
『グリンヒルデ』に戻ったわたしをアルタス様とウルティア様が出迎えてくださった。
二人は、わたしが馬車から降りるのを待ちきれない様子で迎えると次の瞬間には、わたしはウルティア様に抱き締められていた。
「カイラ、おかえりなさい」
わたしは、ウルティア様の温もりに戸惑いつつも嬉しくて。
いっぱいいいたいことや言うべきことがあった。
だけど、わたしは、ただ一言しか言えなかった。
「ただいま帰りました」
「おかえり、カイラ」
それからしばらくしてようやくウルティア様の抱擁から解放されたわたしは、自室へと戻った。
そこには、リリアさんとルルゥさんが待っていた。
「おかえりなさいませ、カイラ様」
恭しく二人に迎えられるとわたしは、返事もそこそこに風呂へとつれていかれた。
入浴して明るいピンクのタウンドレスに着替えたわたしは、アルタス様とウルティア様が待つ食堂へと向かった。
そして、わたしたちは、夕食を食べながらゆっくりと歓談した。
わたしが騎士科の一位を独占した話をきいてアルタス様とウルティア様は、たいそう喜ばれた。
「さすがは、わたしたちのカイラだわ」
ウルティア様が目を潤ませておられるのを見てわたしも嬉しくて少しだけ泣きそうになった。
アルタス様もそんなわたしたちのことを目を細めて見守っておられる。
わたしたちは、場所をティールームへと移すと夜遅くまで話続けた。
わたしは、セツ様やライモンドたちの話をし、騎士科での毎日がとても楽しく有意義なものであることを二人にお伝えした。
また、はじめてできた女の子の友人であるレイナの話も二人は喜んで聞いてくださった。
だけど、わたしが話さなかったこともあった。
幼馴染みのルイーズのこと。
そして、アイリス様とのこと。
そういったことは、わたしは、どうしても二人にお話することができなかった。
アルタス様とウルティア様は、わたしが何を話してもにこにこと楽しそうに聞いてくださった。
そして、わたしが何を話さなくっても二人は、黙って微笑んでいてくださるのだった。
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