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第9章 スタンピード
9ー11 拘束
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9ー11 拘束
「この部屋の四隅には精霊が嫌うとされている邪玩石という鉱物を置き結界を張っている」
フレデリク様が囁く声が遠くにきこえる。
「つまり、この場所では、君の力は使えない」
「フレデリク、様・・」
わたしは、その場にうずくまりながらフレデリク様を見上げた。
「なぜ・・」
床に倒れたわたしは、遠退いていく意識の中でフレデリク様の言葉をきいたような気がした。
「許してくれ、カイラ」
うん。
わたしは、眠っていた。
暖かくて、柔らかくて、心地よい気持ちだった。
日だまりの匂い。
そして、ゆっくりと目覚めると。
そこは、見知らぬ場所だった。
立派な天蓋つきの広いベッドで目覚めたわたしは、辺りを見回した。
広くて、贅をこらした部屋。
なんだか、いい匂いがしている。
わたしは、起き出すとベッドから出ようとした。
だが。
わたしの右足のくるぶしには鋼鉄の枷がはめられそれがベッドに鎖で繋がっていた。
わたしは、鎖を手にとるとそれを引きちぎろうとした。
しかし、無理だった。
わたしは、鎖を引きずりながら部屋の窓へと近づいていった。
外を眺めると遠くに王城が見えた。
ということは、ここは、離宮?
わたしは、自分が身に付けている服を確認した。
白い薄絹一枚だけを身に付けているようだった。
どういうこと?
わたしは、痛む頭を働かせていた。
たしか、わたしは、アイリス様に屋敷につれていかれて。
そして。
フレデリク様が。
わたしをセツラウス様の新しい婚約者にするとか言っていたような。
わたしは、精霊たちとの繋がりを絶たれて。
拘束の魔方陣にとらえられたのだ。
じゃあ、ここは。
わたしが窓から王城を見ていると、部屋の扉が開かれて誰かが入ってきた。
「カイラ!」
そこには、セツラウス様が立っていた。
「なんでここに君が?」
「わたしにもさっぱり理解できません」
わたしは、セツラウス様に答えた。
「フレデリク様が・・たぶん、わたしをここにつれてこられたのだと思うのですが」
セツラウス様は、わたしに近づくと頬を少し赤らめて視線をそらした。
わたしは、自分が薄絹一枚の姿であることを思い出した。
セツラウス様は、わたしが鎖でとらえられていることを知ると憤りを隠せなかった。
「なぜ、フレデリクがこんなことを」
セツラウス様は、わたしに告げた。
「すぐにフレデリクに頼んで君を解放させよう」
「この部屋の四隅には精霊が嫌うとされている邪玩石という鉱物を置き結界を張っている」
フレデリク様が囁く声が遠くにきこえる。
「つまり、この場所では、君の力は使えない」
「フレデリク、様・・」
わたしは、その場にうずくまりながらフレデリク様を見上げた。
「なぜ・・」
床に倒れたわたしは、遠退いていく意識の中でフレデリク様の言葉をきいたような気がした。
「許してくれ、カイラ」
うん。
わたしは、眠っていた。
暖かくて、柔らかくて、心地よい気持ちだった。
日だまりの匂い。
そして、ゆっくりと目覚めると。
そこは、見知らぬ場所だった。
立派な天蓋つきの広いベッドで目覚めたわたしは、辺りを見回した。
広くて、贅をこらした部屋。
なんだか、いい匂いがしている。
わたしは、起き出すとベッドから出ようとした。
だが。
わたしの右足のくるぶしには鋼鉄の枷がはめられそれがベッドに鎖で繋がっていた。
わたしは、鎖を手にとるとそれを引きちぎろうとした。
しかし、無理だった。
わたしは、鎖を引きずりながら部屋の窓へと近づいていった。
外を眺めると遠くに王城が見えた。
ということは、ここは、離宮?
わたしは、自分が身に付けている服を確認した。
白い薄絹一枚だけを身に付けているようだった。
どういうこと?
わたしは、痛む頭を働かせていた。
たしか、わたしは、アイリス様に屋敷につれていかれて。
そして。
フレデリク様が。
わたしをセツラウス様の新しい婚約者にするとか言っていたような。
わたしは、精霊たちとの繋がりを絶たれて。
拘束の魔方陣にとらえられたのだ。
じゃあ、ここは。
わたしが窓から王城を見ていると、部屋の扉が開かれて誰かが入ってきた。
「カイラ!」
そこには、セツラウス様が立っていた。
「なんでここに君が?」
「わたしにもさっぱり理解できません」
わたしは、セツラウス様に答えた。
「フレデリク様が・・たぶん、わたしをここにつれてこられたのだと思うのですが」
セツラウス様は、わたしに近づくと頬を少し赤らめて視線をそらした。
わたしは、自分が薄絹一枚の姿であることを思い出した。
セツラウス様は、わたしが鎖でとらえられていることを知ると憤りを隠せなかった。
「なぜ、フレデリクがこんなことを」
セツラウス様は、わたしに告げた。
「すぐにフレデリクに頼んで君を解放させよう」
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