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第12章 二人の聖女
12ー3 魔女
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12ー3 魔女
「その首輪は?」
わたしが訊ねると男は答えた。
「あの女に騙されて魅了の魔法をかけられて従魔になることになったのだが、あの女は、わたしに従魔の契約といつわって隷属の契約を結ばせたのだ」
マジですか?
隷属の契約は、術者が死ぬか契約を解かない限り対象を縛り続ける呪いだ。
その術を解くことは、わたしにだって不可能かもしれない。
「お願い!カイラ。この人にかけられた隷属の魔法を解いてあげて!」
マオが男の腕の中からわたしを見上げて哀願した。
わたしは、うーん、と呻いた。
これは、難しい。
まずは、圧倒的な力の差が必要だがこれはなんとかなるとしても今すぐには、どうこうできそうにない。
「もしも、その契約のときに力の源となった神の名がわかればなんとかできるかもしれないけど」
すべての魔法には、神の力が働いている。
この猫竜の男にかけられた隷属の魔法にも司った神がいる筈だ。
その神の名を知ることができればその力の繋がりを絶てば呪いは解けるかもしれない。
「確か、ムスタファ王国は、叡知の女神イルタシアを信仰しているんじゃなかったかな?」
わたしが言うと男は首を振った。
「あの女が信仰している神は、イルタシアではない」
はい?
わたしは、パチパチと瞬きした。
「でも、聖女候補なんじゃ?」
「あの女は、聖女候補とか言われているがイルタシアの信徒ではない」
猫竜の男は、そこまで言って胸元を押さえてその場にうずくまった。
マオが男のことを心配そうに見上げる。
「大丈夫?あなた」
「大丈夫、だ。マオ」
男は、苦しげに息をはいた。
「おそらく隷属の魔法に近いことをしゃべりすぎたからだろう」
「そうよ!このバカ猫!」
突然声がしてわたしたちは、振り向いた。
そこには、キルハ様の姿があった。
キルハ様は、不機嫌そうにわたしたちを見た。
「うちのペットにまで手を出そうとするなんてメルロープ王国の王太子様の婚約者は、手癖が悪いようね」
「ペットですって?」
マオが叫んだ。
キルハ様がにやっと笑った。
「どうするの?私に噛みつく?バカな猫ね。それともこいつと同じように私のペットにしてあげようか?」
「その首輪は?」
わたしが訊ねると男は答えた。
「あの女に騙されて魅了の魔法をかけられて従魔になることになったのだが、あの女は、わたしに従魔の契約といつわって隷属の契約を結ばせたのだ」
マジですか?
隷属の契約は、術者が死ぬか契約を解かない限り対象を縛り続ける呪いだ。
その術を解くことは、わたしにだって不可能かもしれない。
「お願い!カイラ。この人にかけられた隷属の魔法を解いてあげて!」
マオが男の腕の中からわたしを見上げて哀願した。
わたしは、うーん、と呻いた。
これは、難しい。
まずは、圧倒的な力の差が必要だがこれはなんとかなるとしても今すぐには、どうこうできそうにない。
「もしも、その契約のときに力の源となった神の名がわかればなんとかできるかもしれないけど」
すべての魔法には、神の力が働いている。
この猫竜の男にかけられた隷属の魔法にも司った神がいる筈だ。
その神の名を知ることができればその力の繋がりを絶てば呪いは解けるかもしれない。
「確か、ムスタファ王国は、叡知の女神イルタシアを信仰しているんじゃなかったかな?」
わたしが言うと男は首を振った。
「あの女が信仰している神は、イルタシアではない」
はい?
わたしは、パチパチと瞬きした。
「でも、聖女候補なんじゃ?」
「あの女は、聖女候補とか言われているがイルタシアの信徒ではない」
猫竜の男は、そこまで言って胸元を押さえてその場にうずくまった。
マオが男のことを心配そうに見上げる。
「大丈夫?あなた」
「大丈夫、だ。マオ」
男は、苦しげに息をはいた。
「おそらく隷属の魔法に近いことをしゃべりすぎたからだろう」
「そうよ!このバカ猫!」
突然声がしてわたしたちは、振り向いた。
そこには、キルハ様の姿があった。
キルハ様は、不機嫌そうにわたしたちを見た。
「うちのペットにまで手を出そうとするなんてメルロープ王国の王太子様の婚約者は、手癖が悪いようね」
「ペットですって?」
マオが叫んだ。
キルハ様がにやっと笑った。
「どうするの?私に噛みつく?バカな猫ね。それともこいつと同じように私のペットにしてあげようか?」
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