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3 精霊の庭
3ー6 供え物
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3ー6 供え物
「でも、状態異常が軽くすんでよかったです」
朝食後、俺たちは、日当たりのいいリビングに置かれたソファに腰かけてクロムウェルが入れてくれたお茶を飲んでいた。
いや!
この世界に来て初の普通のお茶だよ!
これもラウールじいちゃんが届けてくれたんだよ。
俺たちの生活を見て足りないものを毎日送り届けてくれてる。
ほんとに俺たちの脚長おじいさんだな。
俺は、膝の上でくつろいでいるラーの背を撫でながらふっと笑った。
「たぶんこの庭のおかげだよ」
「庭の?」
不思議そうな顔をしているアルフォンスに俺は、ノオザの木の話をした。
「この庭がノオザの木のために特別な庭になっているってことですか?」
アルフォンスの問いに俺は、頷いた。
「確かにここは、特別な場所だと思います」
部屋の隅で話をきいていたウィルが口を挟んだ。
「まるで子供の頃に読んだ『精霊の庭』みたいです」
『精霊の庭』か。
そういえばラウールじいちゃんもそんなこと言ってたな。
「精霊、か・・」
俺は、ラーを撫でながら呟いた。
「もしかしたらほんとに精霊がいるのかもしれないな」
「きっと、いますよ!」
ウィルが俺の前にクッキーが入った皿を置きながら真剣に話す。
しっかりした子だと思うけど、こういうところはまだまだ子供なんだな。
俺は、ぽん、とウィルの頭を撫でた。
「じゃあ、精霊さんたちになんかお礼をしないとな」
「精霊は、甘いお菓子が大好きなんですよ!」
ウィルがにっこりと笑うのを見て俺もふっと笑った。
「じゃあ、精霊さんにこのクッキーを分けてあげよう」
俺とウィルは、一緒にノオザの木の根本に籠に入れたクッキーとマフィンを置いて精霊に祈った。
ほんと。
ありがとう、精霊さん。
俺たちがなんとか暮らせてるのは、すべて精霊さんたちのおかげです。
と。
ノオザの木の根本に置いた籠の中のお菓子がきらきらとした光に包まれて。
信じられないがクッキーが空中に浮いて少しづつ消えていく。
「・・精霊だ・・」
ウィルが小声で囁く。
「ほんとにここは『精霊の庭』だったんだ!」
「でも、状態異常が軽くすんでよかったです」
朝食後、俺たちは、日当たりのいいリビングに置かれたソファに腰かけてクロムウェルが入れてくれたお茶を飲んでいた。
いや!
この世界に来て初の普通のお茶だよ!
これもラウールじいちゃんが届けてくれたんだよ。
俺たちの生活を見て足りないものを毎日送り届けてくれてる。
ほんとに俺たちの脚長おじいさんだな。
俺は、膝の上でくつろいでいるラーの背を撫でながらふっと笑った。
「たぶんこの庭のおかげだよ」
「庭の?」
不思議そうな顔をしているアルフォンスに俺は、ノオザの木の話をした。
「この庭がノオザの木のために特別な庭になっているってことですか?」
アルフォンスの問いに俺は、頷いた。
「確かにここは、特別な場所だと思います」
部屋の隅で話をきいていたウィルが口を挟んだ。
「まるで子供の頃に読んだ『精霊の庭』みたいです」
『精霊の庭』か。
そういえばラウールじいちゃんもそんなこと言ってたな。
「精霊、か・・」
俺は、ラーを撫でながら呟いた。
「もしかしたらほんとに精霊がいるのかもしれないな」
「きっと、いますよ!」
ウィルが俺の前にクッキーが入った皿を置きながら真剣に話す。
しっかりした子だと思うけど、こういうところはまだまだ子供なんだな。
俺は、ぽん、とウィルの頭を撫でた。
「じゃあ、精霊さんたちになんかお礼をしないとな」
「精霊は、甘いお菓子が大好きなんですよ!」
ウィルがにっこりと笑うのを見て俺もふっと笑った。
「じゃあ、精霊さんにこのクッキーを分けてあげよう」
俺とウィルは、一緒にノオザの木の根本に籠に入れたクッキーとマフィンを置いて精霊に祈った。
ほんと。
ありがとう、精霊さん。
俺たちがなんとか暮らせてるのは、すべて精霊さんたちのおかげです。
と。
ノオザの木の根本に置いた籠の中のお菓子がきらきらとした光に包まれて。
信じられないがクッキーが空中に浮いて少しづつ消えていく。
「・・精霊だ・・」
ウィルが小声で囁く。
「ほんとにここは『精霊の庭』だったんだ!」
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