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今日もルドヴィク様と一緒に図書館に籠っている。
僕も本をたくさん読み漁っているけど、どれもこれも似たような事しか書かれていない。もしかして、という一縷の望みにかけてはいるけど、僕達が希望することを書かれている本を見つけることは出来ていない。
「そろそろ休憩しましょうか」
外へと出れば今日も太陽が顔を出し、清々しいほどの青空が広がっている。雲一つなく、少し暑いくらいだ。
いつものベンチに腰掛けると、持ってきたバスケットを広げた。中にはサンドイッチだけじゃなく、お肉を焼いたものやサラダ、オムレツまで入っている。綺麗に食べ切って帰るから、ハンナさんも嬉しいらしく段々と豪華になっていった結果だ。
それをルドヴィク様と一緒に食べる。ルドヴィク様は好き嫌いがないらしく、なんでも食べてくれる。あんなに食べることを拒否していたとは思えない姿だ。
「誰かと一緒に食べるって美味しいですね。天気も良くて気持ちが良いし、いつもより美味しく感じます。そう思いませんか?」
「別に」
ぶっきらぼうだけど、こうして返事をしてくれることも多くなった。今はもうルドヴィク様に睨まれることもない。
「三日後、レインズフォード家に父さんと一緒に行きます。今度行ったら、マリア様に本を読んであげるんです」
僕がマリア様の名前を出した途端、ルドヴィク様はビクッと体を震わせた。
「ルドヴィク様も一緒にどうですか?」
「……俺は行かない」
うん、予想通り。断られると思ってた。でも僕は引けない。絶対にルドヴィク様をマリア様に会わせるって決めている。
マリア様の病状は深刻で、今はもう一日のほとんどを寝て過ごしている。マリア様の命の灯は燃え尽きようとしているのだ。生きている内にルドヴィク様をマリア様に会わせたい。
マリア様はルドヴィク様に会えなくて、ずっと寂しい思いをしている。マリア様が死んだらもう二度と会えないのだ。だから今のうちに、どうしても会って欲しい。
「ルドヴィク様、マリア様にもう二度と会えなくなるんです。それでもいいんですか?」
「……俺にっ……俺に会う資格があると思うのか!?」
「思います」
「っ!」
即答した僕に驚いたのか、ルドヴィク様は押し黙った。
ルドヴィク様が会う資格がないと思っている気持ちもわかる。わかっていて僕は会う事を勧めている。だってマリア様の病気はルドヴィク様のせいじゃないから。マリア様もアレクシス様も、ルドヴィク様のせいだなんてこれっぽちも思っていない。
そう思うようになった発端はニコラス様の一言だと思う。でもそれは何の確証もないことだ。
それに何より、マリア様がルドヴィク様に会いたがっている。マリア様が部屋に来て欲しいと伝えても、ルドヴィク様は会いに行かなかった。マリア様の悲しそうな顔が、ずっと頭から離れない。
「僕はルドヴィク様が羨ましいです」
「は……?」
「だって、母親に会えるんですよ。僕にはもう、『母親』はいません」
「……」
僕の母親は、僕を冷たい目で見るあの女だ。今でもあの目を思い出すと胸が苦しくなる。母親に嫌われて、父親には売られそうになって、兄さんも妹も僕を蔑んで痛めつけた。
ルドヴィク様はニコラス様達と上手くいっていないかもしれない。でも僕みたいに何かをされているわけじゃない。アレクシス様やマリア様、執事のカールさん達はルドヴィク様を心から心配している。愛している。
それらは僕にはなかったものだ。だから僕はルドヴィク様が羨ましい。母親に会いたいと熱望され、愛されているルドヴィク様が。
「父も母も生きていると思います。でも僕は会いたくても会えないんです。あの人たちに捨てられたから。でもルドヴィク様は違います。会いたいって言ってくれるんです。だから会いましょう? 一度でもいいですから、マリア様に会ってあげてください」
「……」
「後悔してほしくないんです。だから、お願いします」
僕はルドヴィク様に深く頭を下げた。僕に出来るのはこれくらいしかない。マリア様のために。ルドヴィク様のために。アレクシス様のために。僕によくしてくれた優しい人たちのために。
「……でもっ」
小さな小さなルドヴィク様の声。そっと顔を上げれば、今にも泣きそうなルドヴィク様の顔がそこにあった。初めて見るこんな表情には、会いたい気持ちがはっきりと表れていた。
「一人じゃないです。僕も一緒にいますから。だから、ね。会いに行きましょう?」
そっとルドヴィク様の手を握る。大きな一歩を踏み出す勇気が湧くように。
その想いが届いたのか、ルドヴィク様は小さく頷いてくれた。
その日から三日後。僕は父さんと一緒にレインズフォード家へと向かった。
いつも通り、薬の手配とマリア様の状態を確認した父さんは、ニコラス様とアメリア様を連れて魔法の訓練へと庭へと向かった。部屋には僕とマリア様のみだ。
「マリア様、今からルドヴィク様が来ますからね」
マリア様は眠っている。でも声はきっと届いてる。そう信じて、もうすぐですよって声をかけ続けた。
やがて扉がノックされる音が聞こえる。執事のカールさんがルドヴィク様を連れて来てくれたらしい。僕は駆け寄って扉を開けると、俯いて不安そうな表情をしたルドヴィク様が立っていた。
「ありがとうございます、ルドヴィク様」
ルドヴィク様が入れるように体をずらすも、ルドヴィク様の足は動かない。この部屋へ入るのを躊躇っている。僕はそんなルドヴィク様の手を握った。
はっとしたルドヴィク様は、やっと僕と視線を合わせてくれる。今にも泣きそうなルドヴィク様に出来るだけにっこりと笑顔を見せた。
「一緒に会いに行くって約束しましたから」
そう言って、軽くルドヴィク様の手を引く。するとその足はマリア様の部屋へと一歩踏み入れた。そのままゆっくり手を引けば、ふらふらとルドヴィク様は付いて来てくれる。そのままマリア様のベッドへ一直線へと向かった。
「マリア様、ルドヴィク様が来てくれましたよ。やっと、会えましたね」
眠っているマリア様の手を上掛けの中からそっと取り出す。そしてルドヴィク様の手をその上に重ねた。
「ほら、ルドヴィク様の手ですよ。温かいですか? 僕、頑張りました。やっとルドヴィク様を連れてくることに成功したんです。遅くなってごめんなさい。でも間にあって良かったです」
僕は一人でしゃべり続ける。声が聞こえていると信じて。ルドヴィク様は頭がいいんですよ。僕にも優しくしてくれます。でも頑固で困ることもあるんですよ。なんて、ちょっと冗談を交えて話しかけた。
「あ……」
僕のそんな声が聞こえたのか、マリア様の瞼がふるっと一瞬震えたのがわかった。
聞こえてる。僕の声が聞こえてるんだ。
「ルドヴィク様、マリア様に話しかけてください! 声が聞こえてるんです! だから、だから早く!」
「えっ……そんな、急にっ……言われて、も」
「何でもいいんですよ! 会いたかったって一言だけでも。それだけでもいいから伝えてください!」
「は、母上……俺……会いたっ、かった、ですっ……!」
とうとう堪えきれずルドヴィク様はぽろぽろと涙を零す。その涙はマリア様の手にも落ちていった。
よかった。ちゃんと自分でそう言えた。僕はそれが嬉しくて嬉しくて、ルドヴィク様に抱き付いた。
「ル……ィ」
「え?」
「……ル、ディ」
「マリア様!」
まさかと思ってマリア様を見れば、マリア様の目は開いていてうっすらと笑っていた。
「……あい、し……てる、わ」
とても弱くて小さな声だったけど、はっきりと聞こえた。マリア様はしっかりとルドヴィク様を見て、はっきり「愛してる」って言ってくれた。起きてくれればいいなって思っていたけど、本当に気が付いてくれるなんて……
「母上っ……!」
マリア様はまたすぐに目を瞑ってしまったけど、でもちゃんとルドヴィク様と視線を合わせることが出来た。
それからしばらく、ルドヴィク様はマリア様の手を握りながら声を上げて泣いていた。
そんなルドヴィク様を後ろから抱きしめて、僕も一緒に泣いてしまった。
よかった。本当によかった。
ちゃんと会えて、言葉を伝えることが出来て。
『役立たず』の僕でもようやく誰かの役に立てたのかな。そうだと嬉しい。
僕も本をたくさん読み漁っているけど、どれもこれも似たような事しか書かれていない。もしかして、という一縷の望みにかけてはいるけど、僕達が希望することを書かれている本を見つけることは出来ていない。
「そろそろ休憩しましょうか」
外へと出れば今日も太陽が顔を出し、清々しいほどの青空が広がっている。雲一つなく、少し暑いくらいだ。
いつものベンチに腰掛けると、持ってきたバスケットを広げた。中にはサンドイッチだけじゃなく、お肉を焼いたものやサラダ、オムレツまで入っている。綺麗に食べ切って帰るから、ハンナさんも嬉しいらしく段々と豪華になっていった結果だ。
それをルドヴィク様と一緒に食べる。ルドヴィク様は好き嫌いがないらしく、なんでも食べてくれる。あんなに食べることを拒否していたとは思えない姿だ。
「誰かと一緒に食べるって美味しいですね。天気も良くて気持ちが良いし、いつもより美味しく感じます。そう思いませんか?」
「別に」
ぶっきらぼうだけど、こうして返事をしてくれることも多くなった。今はもうルドヴィク様に睨まれることもない。
「三日後、レインズフォード家に父さんと一緒に行きます。今度行ったら、マリア様に本を読んであげるんです」
僕がマリア様の名前を出した途端、ルドヴィク様はビクッと体を震わせた。
「ルドヴィク様も一緒にどうですか?」
「……俺は行かない」
うん、予想通り。断られると思ってた。でも僕は引けない。絶対にルドヴィク様をマリア様に会わせるって決めている。
マリア様の病状は深刻で、今はもう一日のほとんどを寝て過ごしている。マリア様の命の灯は燃え尽きようとしているのだ。生きている内にルドヴィク様をマリア様に会わせたい。
マリア様はルドヴィク様に会えなくて、ずっと寂しい思いをしている。マリア様が死んだらもう二度と会えないのだ。だから今のうちに、どうしても会って欲しい。
「ルドヴィク様、マリア様にもう二度と会えなくなるんです。それでもいいんですか?」
「……俺にっ……俺に会う資格があると思うのか!?」
「思います」
「っ!」
即答した僕に驚いたのか、ルドヴィク様は押し黙った。
ルドヴィク様が会う資格がないと思っている気持ちもわかる。わかっていて僕は会う事を勧めている。だってマリア様の病気はルドヴィク様のせいじゃないから。マリア様もアレクシス様も、ルドヴィク様のせいだなんてこれっぽちも思っていない。
そう思うようになった発端はニコラス様の一言だと思う。でもそれは何の確証もないことだ。
それに何より、マリア様がルドヴィク様に会いたがっている。マリア様が部屋に来て欲しいと伝えても、ルドヴィク様は会いに行かなかった。マリア様の悲しそうな顔が、ずっと頭から離れない。
「僕はルドヴィク様が羨ましいです」
「は……?」
「だって、母親に会えるんですよ。僕にはもう、『母親』はいません」
「……」
僕の母親は、僕を冷たい目で見るあの女だ。今でもあの目を思い出すと胸が苦しくなる。母親に嫌われて、父親には売られそうになって、兄さんも妹も僕を蔑んで痛めつけた。
ルドヴィク様はニコラス様達と上手くいっていないかもしれない。でも僕みたいに何かをされているわけじゃない。アレクシス様やマリア様、執事のカールさん達はルドヴィク様を心から心配している。愛している。
それらは僕にはなかったものだ。だから僕はルドヴィク様が羨ましい。母親に会いたいと熱望され、愛されているルドヴィク様が。
「父も母も生きていると思います。でも僕は会いたくても会えないんです。あの人たちに捨てられたから。でもルドヴィク様は違います。会いたいって言ってくれるんです。だから会いましょう? 一度でもいいですから、マリア様に会ってあげてください」
「……」
「後悔してほしくないんです。だから、お願いします」
僕はルドヴィク様に深く頭を下げた。僕に出来るのはこれくらいしかない。マリア様のために。ルドヴィク様のために。アレクシス様のために。僕によくしてくれた優しい人たちのために。
「……でもっ」
小さな小さなルドヴィク様の声。そっと顔を上げれば、今にも泣きそうなルドヴィク様の顔がそこにあった。初めて見るこんな表情には、会いたい気持ちがはっきりと表れていた。
「一人じゃないです。僕も一緒にいますから。だから、ね。会いに行きましょう?」
そっとルドヴィク様の手を握る。大きな一歩を踏み出す勇気が湧くように。
その想いが届いたのか、ルドヴィク様は小さく頷いてくれた。
その日から三日後。僕は父さんと一緒にレインズフォード家へと向かった。
いつも通り、薬の手配とマリア様の状態を確認した父さんは、ニコラス様とアメリア様を連れて魔法の訓練へと庭へと向かった。部屋には僕とマリア様のみだ。
「マリア様、今からルドヴィク様が来ますからね」
マリア様は眠っている。でも声はきっと届いてる。そう信じて、もうすぐですよって声をかけ続けた。
やがて扉がノックされる音が聞こえる。執事のカールさんがルドヴィク様を連れて来てくれたらしい。僕は駆け寄って扉を開けると、俯いて不安そうな表情をしたルドヴィク様が立っていた。
「ありがとうございます、ルドヴィク様」
ルドヴィク様が入れるように体をずらすも、ルドヴィク様の足は動かない。この部屋へ入るのを躊躇っている。僕はそんなルドヴィク様の手を握った。
はっとしたルドヴィク様は、やっと僕と視線を合わせてくれる。今にも泣きそうなルドヴィク様に出来るだけにっこりと笑顔を見せた。
「一緒に会いに行くって約束しましたから」
そう言って、軽くルドヴィク様の手を引く。するとその足はマリア様の部屋へと一歩踏み入れた。そのままゆっくり手を引けば、ふらふらとルドヴィク様は付いて来てくれる。そのままマリア様のベッドへ一直線へと向かった。
「マリア様、ルドヴィク様が来てくれましたよ。やっと、会えましたね」
眠っているマリア様の手を上掛けの中からそっと取り出す。そしてルドヴィク様の手をその上に重ねた。
「ほら、ルドヴィク様の手ですよ。温かいですか? 僕、頑張りました。やっとルドヴィク様を連れてくることに成功したんです。遅くなってごめんなさい。でも間にあって良かったです」
僕は一人でしゃべり続ける。声が聞こえていると信じて。ルドヴィク様は頭がいいんですよ。僕にも優しくしてくれます。でも頑固で困ることもあるんですよ。なんて、ちょっと冗談を交えて話しかけた。
「あ……」
僕のそんな声が聞こえたのか、マリア様の瞼がふるっと一瞬震えたのがわかった。
聞こえてる。僕の声が聞こえてるんだ。
「ルドヴィク様、マリア様に話しかけてください! 声が聞こえてるんです! だから、だから早く!」
「えっ……そんな、急にっ……言われて、も」
「何でもいいんですよ! 会いたかったって一言だけでも。それだけでもいいから伝えてください!」
「は、母上……俺……会いたっ、かった、ですっ……!」
とうとう堪えきれずルドヴィク様はぽろぽろと涙を零す。その涙はマリア様の手にも落ちていった。
よかった。ちゃんと自分でそう言えた。僕はそれが嬉しくて嬉しくて、ルドヴィク様に抱き付いた。
「ル……ィ」
「え?」
「……ル、ディ」
「マリア様!」
まさかと思ってマリア様を見れば、マリア様の目は開いていてうっすらと笑っていた。
「……あい、し……てる、わ」
とても弱くて小さな声だったけど、はっきりと聞こえた。マリア様はしっかりとルドヴィク様を見て、はっきり「愛してる」って言ってくれた。起きてくれればいいなって思っていたけど、本当に気が付いてくれるなんて……
「母上っ……!」
マリア様はまたすぐに目を瞑ってしまったけど、でもちゃんとルドヴィク様と視線を合わせることが出来た。
それからしばらく、ルドヴィク様はマリア様の手を握りながら声を上げて泣いていた。
そんなルドヴィク様を後ろから抱きしめて、僕も一緒に泣いてしまった。
よかった。本当によかった。
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『役立たず』の僕でもようやく誰かの役に立てたのかな。そうだと嬉しい。
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