現役魔王が冒険者 ~最強の力で運命と戦う~

天々

文字の大きさ
3 / 16
世界冒険編/第一章

第三話 闇王の刺客

しおりを挟む

ディルの予想は的中した。

少し前のこと。

「セヴェ様。魔王ディスタ・ロスタは、現在カンリス:06ベータンスレイ王国王都に居ます。如何なさいますか?」

「あいつの力を図るため行け。ゼィ」

「かしこまりました」

恐らく、八神王序列第3位の彼に私の手下如きが勝てるわけが無い。しかし、宵闇帝みたいなものにどれだけ苦戦するか見ものだ。



…闇王の気配がだんだんと大きくなっていく…これは…手下か?

「正解…」

背後に殺気を感じたディスタは、一瞬で高度1万メートル付近まで移動した。

「さすがは八神王の1人…魔王ディスタ・ロスタでありますなぁ…」

「殲滅せよ…双撃雷電ディオ=フォー=スペル=ライテッド

どこからの雲から放たれた大量の雷がディスタの両腕にまとわりつく。

完全滅殺デス=ファイア

と静かに放つディスタ。

「さすがにやばい…完全防御体制オールディラ…っ!」

ディスタの攻撃を防御したことにより、空には大きな爆発が見えことだろう。

「ほほぉ…耐えおるか…」

ゼィ=ガロは宵闇之玖。宵闇で1番力が弱いと言えど世界の半分を破壊できるほどの力を持つ。

そんなゼィがディスタの攻撃により四肢が崩れていたのだ。

「セヴェは何を考えているんだ…まぁいい。死滅眼デライト

八神王の1人、魔王ディスタは誰をも一瞬で殺せる悪魔の眼《死滅眼デライト》を持つ。しかしこの効力は八神王には効かない。

「うっ…!?ぐぅっっ…っ…ぁあ…!」

ゼィの体に少しづつヒビが入る。内部からは光が見える。

「これが…これが…っ!八神王の力っ…!美しい…美しい…私のものにしたいくらいだ…っ!」

とうとう形状を維持できなくなり、ゼィは大爆発とともに命の火を消した。

「で…セヴェ。何がしたい」

「さすが魔王。数百km離れた場所にいた僕を一瞬で見つけて一瞬で近づいてくるとは…」

「要件を言ってくれよ」

セヴェは少し間を空け口を開く。

「君の祖父にあたるのかな。この世界…いや宇宙を作りし存在。第一神位の最高神イサルラの堕天にある」

「お前が─」

「八神王の生みの親。君の父であるゲルラ。彼も飛び抜けてつよい。しかし彼よりも強いイサルラに勝てないことなど分かっている。故に我々はある計画を練っているのだ」

セヴェは説明と共に自らの目的を話す。

「計画…?」

「私が神になるのだ《闇絶神ダヴェル・ニア》になり、第二神位程の力を手に入れ、私の部下を闇王に即位させ2人でかかればかのイサルラといい苦戦するだろう…」

八神王の1人、闇王。世界最悪の地。最終絶滅区域ディフ=ルースの地下にある地下城塞《サーヴァ・レット》に居場所を置く者。

「《闇絶神ダヴェル・ニア》…!?」

「あぁ…八絶神の1人。私が最初の八絶神になれば八神王など容易く殺せる」

八絶神。八神王よりも上位に位置する存在。一般的には八神王から八絶神に即位する。現在八絶神は誰とひとりとしていない。そして八絶神の生みの親は最高神イサルラである。この世で誰もが抗えない強さを持つ者である。

「八絶神になるには、絶神恒星を崩壊させて…神系にならなければならないぞ」

「そう…知っている。だから僕は第三神位の君を監視している。君から神位を剥奪するか…または継承する」

「八神王のお前が第三神位の俺に勝てるわけがないだろう」

神位を持つものは、恐ろしく力が増幅するのだ。

「さぁ…これからに期待だ…」

そう言ってセヴェは、姿を消した。

「これは…帝達にも報告しなきゃいけないか…?」



魔王城《エンケラ・ヴェウス》では、ピリついた空気が走っていた。

「元帥。八神王情勢はどうだ」

「はい。序列は神王…龍王─」

「それを聞いてるのではない。闇王だ…セヴェの動きを教えろ」

帝ノ陸ゲルスは机を叩く。

「失礼致しました。闇王セヴェ様は、闇絶神となり最高神イサルラ様の堕天を目論んでいます」

「…セヴェめ…」

その時。1人の帝が経つ。

「私がセヴェを倒します」

「ネーナ。お前が行ったとこで八神王の1人であるセヴェには勝てぬ」

「うるさいな。私より下位の帝の貴方は黙っていて。私が必ず…セヴェを殺す」

ネーナは敬愛するディスタを世界の頂点、※帝王に君臨させようとしていてそれを邪魔するものは誰一人として生きて返さない。

※現在は帝王は空席

「お前がそこまで言うのなら、我はもう止めぬぞ。死んでも知らんからな」



「もー!ディルどこに行ってたの!1人になってから迷子になったんだからね!」

「すまんな」

「で!王都きてなにすんの!」

「冒険者決闘でもするか。お前をA級上位にするためにな」

冒険者決闘。王都でしかできない特別な昇進方法。試合に出るには自分。または他人から冒険者ポイント300pまたは半年に1回しか参加できない。

「えぇ!決闘…!?自信ないなぁ…」

「物は試しと言うだろ。やってみろ。半年に一回無料で出れるからよ」

「じゃ…やってみるよ…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

弱いままの冒険者〜チートスキル持ちなのに使えるのはパーティーメンバーのみ?〜

秋元智也
ファンタジー
友人を庇った事からクラスではイジメの対象にされてしまう。 そんなある日、いきなり異世界へと召喚されてしまった。 クラス全員が一緒に召喚されるなんて悪夢としか思えなかった。 こんな嫌な連中と異世界なんて行きたく無い。 そう強く念じると、どこからか神の声が聞こえてきた。 そして、そこには自分とは全く別の姿の自分がいたのだった。 レベルは低いままだったが、あげればいい。 そう思っていたのに……。 一向に上がらない!? それどころか、見た目はどう見ても女の子? 果たして、この世界で生きていけるのだろうか?

処理中です...